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ハワイ 編
幸せになろうね
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ボコボコと気泡が立つお湯の中でぼんやりとしていると、慎也が来て「優美の好きなやつ」と、お手製のジンジャーエールをくれた。
どうやら別行動している時に、いつでも好きな物を飲めるよう、ある程度の買い物をしたらしい。
キッチンも完備されているので、料理好きの彼が腕を振るわないはずがない。
「ありがと……」
ちゃんと、飲みやすいようにストローも挿されている。
エコな、紙のやつだ。
「……疲れたぁ……」
本音が思いきり零れる。
というか、頭の中にはそれしかない。
「あっは、ごめん」
「本当にごめん。凄い調子に乗った」
すかさず、二人が謝ってくる。
「……まぁ、特別な旅行中だから、頑張るけどさぁ……」
ちうー、とジンジャーエールを飲み、私は息をつく。
「初夜だし今日は仕方がないけど、明日からもうちょっと手加減してね?」
「努力します」
「善処します」
うーん、返事だけはいいけど当てにならない!
目をショボショボさせながら、インフィニティプールの向こうにある海を眺め、朝陽が昇ってくるのを待つ。
いつだったか、クルーザーで海に出た時も三人で朝陽を見たっけ。
「……不思議だね。楽しい思い出しかないや」
海を見ながら呟くと、二人が両側から私を抱き締めてくる。
「俺も」
「僕もだよ」
勿論、この一年悔しい思いをしたし、泣いた事もあった。
でも、それは二人とは関係ない別の出来事だ。
慎也も正樹も、理想の彼氏でいてくれようと、とても努力してくれた。
自分の内面に向き合って苦しむ姿を見たけれど、それは私たちカップルの危機ではなかった。
誰も浮気していないし、性格的に合わなくて喧嘩したとかもない。
すぐ高価なものを買い与えるとか、直してほしいところはあるけれど、話し合って改善し合える範囲だ。
「ありがとう。幸せになろうね」
私は前にいる慎也の胸板に額を押しつけ、笑う。
「いい家庭を築いていこう」
「僕も、皆のために努力するよ」
しばらく三人でギューッと抱き合い、それから慎也のお手製ジンジャーエールを飲みながら、朝日が昇るのを待った。
そして早朝から海へ向かう人たちが出てくるのを見送って、私たちはベッドに潜り込み疲れた体を横たえた。
**
その後、私たちは残る二日間でハワイ島を満喫した。
有名なキラウエア火山の上をヘリコプターで遊覧したり、マウナケア山の山頂にある天文台に行って星空鑑賞もした。
ハワイは年中暖かいイメージだけれど、この山の山頂は雪を被る事もあるそうだ。
天文台では周りを海で囲まれている事もあり、満天の星空を楽しめた。
そういう場所に行く時は家族たちも誘い、あとは各自ブラブラ散策や買い物をして、自由に食事するという感じだった。
勿論海も楽しんで、ボートに引っ張ってもらいその向かい風で上空に上がる、パラセーリングも体験した。
服を着たまま座っていれば良くて、綺麗な海や景色が一望できて最高!
そして夜は連続で二人にバッコバコにやられる……。
それなのに昼間は平気なふりをして観光してるんだから、誰か褒めてほしい……。
そしてハワイ島での三日間が終わり、私たちはまたオアフ島に戻り有名なランドが経営するホテルに泊まった。
最後のハワイステイなので、一日ぐらいは文香といたいと言うと、二人は快く頷いてくれた。
オアフ島で過ごす四日間は、最初の二日は普通に観光をして、三日目は文香たちを交えて観光、四日目はお昼の便で帰国だ。
皆でダイヤモンドヘッドに登り、ハワイの王様の宮殿にも行き、某企業のCMで有名な〝気になる木〟がある公園にも行った。
文香たちも交えて観光する日は、ストリートアートで有名なカカアコ・エリアにも行って記念撮影をしまくった。
勿論、せっかく水着を持って来たのでサーフィンにシュノーケリングなど、海のアクティビティも楽しんだ。
どうやら別行動している時に、いつでも好きな物を飲めるよう、ある程度の買い物をしたらしい。
キッチンも完備されているので、料理好きの彼が腕を振るわないはずがない。
「ありがと……」
ちゃんと、飲みやすいようにストローも挿されている。
エコな、紙のやつだ。
「……疲れたぁ……」
本音が思いきり零れる。
というか、頭の中にはそれしかない。
「あっは、ごめん」
「本当にごめん。凄い調子に乗った」
すかさず、二人が謝ってくる。
「……まぁ、特別な旅行中だから、頑張るけどさぁ……」
ちうー、とジンジャーエールを飲み、私は息をつく。
「初夜だし今日は仕方がないけど、明日からもうちょっと手加減してね?」
「努力します」
「善処します」
うーん、返事だけはいいけど当てにならない!
目をショボショボさせながら、インフィニティプールの向こうにある海を眺め、朝陽が昇ってくるのを待つ。
いつだったか、クルーザーで海に出た時も三人で朝陽を見たっけ。
「……不思議だね。楽しい思い出しかないや」
海を見ながら呟くと、二人が両側から私を抱き締めてくる。
「俺も」
「僕もだよ」
勿論、この一年悔しい思いをしたし、泣いた事もあった。
でも、それは二人とは関係ない別の出来事だ。
慎也も正樹も、理想の彼氏でいてくれようと、とても努力してくれた。
自分の内面に向き合って苦しむ姿を見たけれど、それは私たちカップルの危機ではなかった。
誰も浮気していないし、性格的に合わなくて喧嘩したとかもない。
すぐ高価なものを買い与えるとか、直してほしいところはあるけれど、話し合って改善し合える範囲だ。
「ありがとう。幸せになろうね」
私は前にいる慎也の胸板に額を押しつけ、笑う。
「いい家庭を築いていこう」
「僕も、皆のために努力するよ」
しばらく三人でギューッと抱き合い、それから慎也のお手製ジンジャーエールを飲みながら、朝日が昇るのを待った。
そして早朝から海へ向かう人たちが出てくるのを見送って、私たちはベッドに潜り込み疲れた体を横たえた。
**
その後、私たちは残る二日間でハワイ島を満喫した。
有名なキラウエア火山の上をヘリコプターで遊覧したり、マウナケア山の山頂にある天文台に行って星空鑑賞もした。
ハワイは年中暖かいイメージだけれど、この山の山頂は雪を被る事もあるそうだ。
天文台では周りを海で囲まれている事もあり、満天の星空を楽しめた。
そういう場所に行く時は家族たちも誘い、あとは各自ブラブラ散策や買い物をして、自由に食事するという感じだった。
勿論海も楽しんで、ボートに引っ張ってもらいその向かい風で上空に上がる、パラセーリングも体験した。
服を着たまま座っていれば良くて、綺麗な海や景色が一望できて最高!
そして夜は連続で二人にバッコバコにやられる……。
それなのに昼間は平気なふりをして観光してるんだから、誰か褒めてほしい……。
そしてハワイ島での三日間が終わり、私たちはまたオアフ島に戻り有名なランドが経営するホテルに泊まった。
最後のハワイステイなので、一日ぐらいは文香といたいと言うと、二人は快く頷いてくれた。
オアフ島で過ごす四日間は、最初の二日は普通に観光をして、三日目は文香たちを交えて観光、四日目はお昼の便で帰国だ。
皆でダイヤモンドヘッドに登り、ハワイの王様の宮殿にも行き、某企業のCMで有名な〝気になる木〟がある公園にも行った。
文香たちも交えて観光する日は、ストリートアートで有名なカカアコ・エリアにも行って記念撮影をしまくった。
勿論、せっかく水着を持って来たのでサーフィンにシュノーケリングなど、海のアクティビティも楽しんだ。
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