376 / 539
ハワイ 編
おいで、俺たちの花嫁さん
しおりを挟む
「僕は何でも美味しく頂くよ~」
明るく言った正樹は私の肩を組み、ご機嫌な顔で目を覗き込んでくる。
「とっておきで、毎日これしか食べないモノは決まってるけどね?」
「う……」
ちょっとマジモードで言われると、照れてしまう。
「……俺も正樹と同じモノが好きかなぁ」
反対側の手を握った慎也が、わざとらしく言って笑う。
く……くそ……。
匂わせの段階で私はすっかり照れてしまい、部屋までの道のりを真っ赤になりながら歩いたのだった。
**
部屋に戻ったあと、三人での初夜となる。
まずお風呂に入らないとだけど、例の広いテラスにあるジャグジーは景観を楽しみながら用なので、とりあえず髪と体を洗うのは普通のバスルームだ。
そこは三人で入るほど広くないので、一人ずつ順番にという事になった。
二人からは「三人での初夜一日目は心の余裕がないから、お風呂上がりにすぐ」とリクエストがあった。
恥ずかしいけど、要求がストレートで分かりやすくて宜しい。
私はとある準備があるので、理由を付けて二人に先にお風呂に入ってもらった。
少し緊張しながら髪も体も綺麗にし、上がってから全身念入りにケアをする。
それからバスタオルの間に挟んでいたモノを取り出し、ピラリとかざす。
「……よし」
小さく頷いてから、私はソレを身につけた。
バスルームを出てベッドルームに向かう途中、室内はすでに間接照明のみになっていてムードのある雰囲気になっていた。
ベッドルームからは二人の話し声、笑い声が聞こえる。
今まで何回も三人でしてるのに、初夜という言葉がつくだけで、こんなにも緊張してしまう。
「あ……、あの」
ドアの陰に隠れて声を掛けると、すでに下着一枚姿の二人が微笑んで私を見た。
「どうしたの? こっちおいでよ」
「う……、うん。笑わないでね?」
念を押したあと、私は恥ずかしくて目を合わせられないので、床を見たまま寝室に入った。
ハワイ旅行の前に、文香にランジェリーショップに連れていかれた。
『せっかくの初夜だから、とっておきの純白ランジェリーでも仕込んでいけば?』と言われたのだ。
何だかんだ二人に嫉妬する文香だけれど、彼らの事は私の夫になる人と認めていた。
だからこそ、肝心な時には頼もしい親友として「三人での新婚初夜なら、しっかり決めてこい」と背中を押してくれた。
そして今、私はヒラヒラの白いベビードールを身につけていた。
いや、ベビードールっちゅうか……、セクシーウエディングランジェリー?
よく分からないけれど、文香が厳選して『これ!』と決めてくれた。
白い花の刺繍があしらわれたブラレットがあり、その下はマイクロミニスカート丈の、フワッとした二段のチュールがある。
同じデザインの白いレースのパンティに、太腿にはガーターリング、そして白いガーターストッキング。
頭にはこれ用のウエディングヴェールを被っていた。
三度目の花嫁姿で、今までの二回以上に勿論すっっっごい! 恥ずかしい!
「あ……、あの……」
「ヤル気満々じゃん!」って突っ込まれたらどうしよう……。
私は恥ずかしさのあまりそこから動けず、俯くと短すぎるヒラヒラを必死に引っ張った。
すると二人がベッドから下りて、私のもとに歩み寄ってきた。
「う……」
おずおずと顔を上げると、嬉しそうに微笑んだ正樹が私の手をとり、甲にキスをしてきた。
そして反対の手の甲に、慎也がキスをする。
「おいで、俺たちの花嫁さん」
笑われるかと思っていたのに素直に受け入れられ、逃走したくなるほど恥ずかしい。
むしろ、まだ笑ってくれた方がマシなような……。
顔を真っ赤にしている私をベッドに座らせ、二人は顔を見合わせる。
「ヴェールアップって感慨深いよな」
「慎也、どうぞ?」
「サンキュ」
微笑んだ慎也は、ヴェールに手を掛けてフワッと上げる。
そして私の顔を見て、愛しそうに相好を崩す。
「可愛いな……。世界一美人だ」
褒め言葉に何も言えず俯こうとした時、慎也に軽く顎を掴まれ上を向かされる。
あ、と思った時には彼と目が合い、キスをされていた。
フワッと唇が重なり、ちゅむ、とついばまれる。
明るく言った正樹は私の肩を組み、ご機嫌な顔で目を覗き込んでくる。
「とっておきで、毎日これしか食べないモノは決まってるけどね?」
「う……」
ちょっとマジモードで言われると、照れてしまう。
「……俺も正樹と同じモノが好きかなぁ」
反対側の手を握った慎也が、わざとらしく言って笑う。
く……くそ……。
匂わせの段階で私はすっかり照れてしまい、部屋までの道のりを真っ赤になりながら歩いたのだった。
**
部屋に戻ったあと、三人での初夜となる。
まずお風呂に入らないとだけど、例の広いテラスにあるジャグジーは景観を楽しみながら用なので、とりあえず髪と体を洗うのは普通のバスルームだ。
そこは三人で入るほど広くないので、一人ずつ順番にという事になった。
二人からは「三人での初夜一日目は心の余裕がないから、お風呂上がりにすぐ」とリクエストがあった。
恥ずかしいけど、要求がストレートで分かりやすくて宜しい。
私はとある準備があるので、理由を付けて二人に先にお風呂に入ってもらった。
少し緊張しながら髪も体も綺麗にし、上がってから全身念入りにケアをする。
それからバスタオルの間に挟んでいたモノを取り出し、ピラリとかざす。
「……よし」
小さく頷いてから、私はソレを身につけた。
バスルームを出てベッドルームに向かう途中、室内はすでに間接照明のみになっていてムードのある雰囲気になっていた。
ベッドルームからは二人の話し声、笑い声が聞こえる。
今まで何回も三人でしてるのに、初夜という言葉がつくだけで、こんなにも緊張してしまう。
「あ……、あの」
ドアの陰に隠れて声を掛けると、すでに下着一枚姿の二人が微笑んで私を見た。
「どうしたの? こっちおいでよ」
「う……、うん。笑わないでね?」
念を押したあと、私は恥ずかしくて目を合わせられないので、床を見たまま寝室に入った。
ハワイ旅行の前に、文香にランジェリーショップに連れていかれた。
『せっかくの初夜だから、とっておきの純白ランジェリーでも仕込んでいけば?』と言われたのだ。
何だかんだ二人に嫉妬する文香だけれど、彼らの事は私の夫になる人と認めていた。
だからこそ、肝心な時には頼もしい親友として「三人での新婚初夜なら、しっかり決めてこい」と背中を押してくれた。
そして今、私はヒラヒラの白いベビードールを身につけていた。
いや、ベビードールっちゅうか……、セクシーウエディングランジェリー?
よく分からないけれど、文香が厳選して『これ!』と決めてくれた。
白い花の刺繍があしらわれたブラレットがあり、その下はマイクロミニスカート丈の、フワッとした二段のチュールがある。
同じデザインの白いレースのパンティに、太腿にはガーターリング、そして白いガーターストッキング。
頭にはこれ用のウエディングヴェールを被っていた。
三度目の花嫁姿で、今までの二回以上に勿論すっっっごい! 恥ずかしい!
「あ……、あの……」
「ヤル気満々じゃん!」って突っ込まれたらどうしよう……。
私は恥ずかしさのあまりそこから動けず、俯くと短すぎるヒラヒラを必死に引っ張った。
すると二人がベッドから下りて、私のもとに歩み寄ってきた。
「う……」
おずおずと顔を上げると、嬉しそうに微笑んだ正樹が私の手をとり、甲にキスをしてきた。
そして反対の手の甲に、慎也がキスをする。
「おいで、俺たちの花嫁さん」
笑われるかと思っていたのに素直に受け入れられ、逃走したくなるほど恥ずかしい。
むしろ、まだ笑ってくれた方がマシなような……。
顔を真っ赤にしている私をベッドに座らせ、二人は顔を見合わせる。
「ヴェールアップって感慨深いよな」
「慎也、どうぞ?」
「サンキュ」
微笑んだ慎也は、ヴェールに手を掛けてフワッと上げる。
そして私の顔を見て、愛しそうに相好を崩す。
「可愛いな……。世界一美人だ」
褒め言葉に何も言えず俯こうとした時、慎也に軽く顎を掴まれ上を向かされる。
あ、と思った時には彼と目が合い、キスをされていた。
フワッと唇が重なり、ちゅむ、とついばまれる。
0
お気に入りに追加
1,819
あなたにおすすめの小説
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R-18・短編】部長と私の秘め事
臣桜
恋愛
彼氏にフラれた上村朱里は、酔い潰れていた所を上司の速見尊に拾われ、家まで送られる。タクシーの中で元彼との気が進まないセックスの話などをしていると、部長が自分としてみるか?と言い……。
かなり前に企画で書いたものです。急いで一日ぐらいで書いたので、本当はもっと続きそうなのですがぶつ切りされています。いつか続きを連載版で書きたいですが……、いつになるやら。
ムーンライトノベルズ様にも転載しています。
表紙はニジジャーニーで生成しました
社長の奴隷
星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)
サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。
風
恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。
飼主さんが大好きです。
グロ表現、
性的表現もあります。
行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。
基本的に苦痛系のみですが
飼主さんとペットの関係は甘々です。
マゾ目線Only。
フィクションです。
※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる