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ハワイ 編
今だけは、俺だけのもん
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「……できるといいな」
私の隣に横たわった彼は、肘枕をして何度も私のお腹を撫でる。
「うん。できるといいね。……あんまり気にしすぎても駄目なんだろうけど、家族が増えたらいいなって思う」
私は微笑んで彼の胸板に額をつける。
「……何か、まだ『夢みたいだな』って感じる。結婚した事も、ハワイに来てこうやって優美を抱いたのも」
「私も。……旅行してるのも相まって現実味がないよね。国内の温泉旅行なら、ゆっくり噛み締められたのかな?」
「どうだろ。でも記念なら、やっぱり海外のほうが印象に残るよな。優美のご家族も喜んでくれたし、俺はハワイに来て良かったと思ってる」
「うん、私もそう思う」
微笑み合ってまたキスをして、私は正樹の事を考えた。
今、何してるかな。
隣の部屋にいるけど、声聞こえてないかな……とか、今さらか。
思わず溜め息をついたからか、慎也はすぐに察したようだった。
「二日後には正樹が幸せの絶頂にいるだろうから、あんま気にすんな」
「ん……」
頷いた私の頭を撫でた慎也が、顔を覗き込んでくる。
「俺はこのままでいたい。ずっと新婚初夜が続けばいいと思ってる。……今だけは、俺だけのもんだって思ってたい。……だから、俺の事を考えてほしい」
想いを告げられ、私は彼の頭を抱き締め、額に口づける。
「うん……。ごめん」
慎也は私の体を抱き寄せ、背中やお尻を撫でてくる。
「……もっかい、したい」
「ん? ……うん。明日立てるぐらいには手加減してほしいけど……」
せっかくの新婚旅行なので、何回かするのは想定済みだ。
慎也は私を抱き寄せたまま、耳元でボソッと呟いた。
「腹ん中、タプタプになるまで中出しする」
「もぉ!」
シモい事を言われて彼の胸板を叩くと、慎也は笑い転げた。
二人で笑い、収まった頃にまたキスをして、互いを愛撫していった。
結局、朝の四時くらいまで抱かれてしまい、目が冴えてしまったのだか眠たいんだか分からない状態で、バルコニーで水を飲んだ。
この時期のハワイの日の出は七時台らしく、外はまだ暗い。
沢山達かされて、声もかすれて、歩く時もヨロヨロだったけど、とてもハイになっていた。
疲れて眠たくて倒れる寸前だったけれど、私たちは潮風を浴びながら水を飲み、じっくり話し合ったあと、ようやくベッドに戻った。
**
(ねっむ…………)
起きたのは、九時近くだった。
朝食レストランは十時までやっているらしいので、シャワーを浴びて支度をしたあと、すっぴんで階下に向かった。
朝食カードを見せると、スタッフが席まで案内してくれた。
まず席に着くとホールスタッフがコーヒーか紅茶かを聞いてくれるので、二人でコーヒーと答える。
コーヒーカップがテーブルに置かれたあと、私はトレーとプレートを持って食べ物を取りに行く。
パンやサラダ、ハム、チーズに卵料理、ソーセージやハムなど、いつもの通りだ。
ハワイっぽいなと思ったのは、フルーツがふんだんにある事や、パンケーキやワッフル、エッグベネディクト、アサイーボウルなどのアラカルトメニューが頼めるところだ。
「気になるなら好きな物を頼んでいいよ」
「ホント? ありがとう。せっかくだからパンケーキ頼んでみようかな」
ご飯を食べるならしょっぱい系がいいけど、特別な旅行なので記念になる物を頼みたかった。
席は幸運な事に窓際で、海を眺めながら食事ができる。
と言っても、広々としたレストランは一面のガラス張りで、開放的なバルコニー席もあるので、ほぼすべての席から海が見えると言っていい。
スタッフにパンケーキを頼むと、慎也もエッグベネディクトを頼んだ。
他にも、せっかくだからという事でビュッフェの物も少しつまむ。
「……ん? あれ、正樹じゃない?」
ゆっくり食べようとした時、私は奥の席で新聞を広げている正樹を見つけて慎也に言う。
「あ、ホントだ。呼ぼうか」
「私、呼んでくるね」
慎也があっさり受け入れてくれたので、私は立って正樹のもとへ歩いていった。
「正樹」
「ん……、と。あー……」
新聞を立てて読んでいた正樹は、私の姿を見て目を見開いたあと、苦笑いする。
私の隣に横たわった彼は、肘枕をして何度も私のお腹を撫でる。
「うん。できるといいね。……あんまり気にしすぎても駄目なんだろうけど、家族が増えたらいいなって思う」
私は微笑んで彼の胸板に額をつける。
「……何か、まだ『夢みたいだな』って感じる。結婚した事も、ハワイに来てこうやって優美を抱いたのも」
「私も。……旅行してるのも相まって現実味がないよね。国内の温泉旅行なら、ゆっくり噛み締められたのかな?」
「どうだろ。でも記念なら、やっぱり海外のほうが印象に残るよな。優美のご家族も喜んでくれたし、俺はハワイに来て良かったと思ってる」
「うん、私もそう思う」
微笑み合ってまたキスをして、私は正樹の事を考えた。
今、何してるかな。
隣の部屋にいるけど、声聞こえてないかな……とか、今さらか。
思わず溜め息をついたからか、慎也はすぐに察したようだった。
「二日後には正樹が幸せの絶頂にいるだろうから、あんま気にすんな」
「ん……」
頷いた私の頭を撫でた慎也が、顔を覗き込んでくる。
「俺はこのままでいたい。ずっと新婚初夜が続けばいいと思ってる。……今だけは、俺だけのもんだって思ってたい。……だから、俺の事を考えてほしい」
想いを告げられ、私は彼の頭を抱き締め、額に口づける。
「うん……。ごめん」
慎也は私の体を抱き寄せ、背中やお尻を撫でてくる。
「……もっかい、したい」
「ん? ……うん。明日立てるぐらいには手加減してほしいけど……」
せっかくの新婚旅行なので、何回かするのは想定済みだ。
慎也は私を抱き寄せたまま、耳元でボソッと呟いた。
「腹ん中、タプタプになるまで中出しする」
「もぉ!」
シモい事を言われて彼の胸板を叩くと、慎也は笑い転げた。
二人で笑い、収まった頃にまたキスをして、互いを愛撫していった。
結局、朝の四時くらいまで抱かれてしまい、目が冴えてしまったのだか眠たいんだか分からない状態で、バルコニーで水を飲んだ。
この時期のハワイの日の出は七時台らしく、外はまだ暗い。
沢山達かされて、声もかすれて、歩く時もヨロヨロだったけど、とてもハイになっていた。
疲れて眠たくて倒れる寸前だったけれど、私たちは潮風を浴びながら水を飲み、じっくり話し合ったあと、ようやくベッドに戻った。
**
(ねっむ…………)
起きたのは、九時近くだった。
朝食レストランは十時までやっているらしいので、シャワーを浴びて支度をしたあと、すっぴんで階下に向かった。
朝食カードを見せると、スタッフが席まで案内してくれた。
まず席に着くとホールスタッフがコーヒーか紅茶かを聞いてくれるので、二人でコーヒーと答える。
コーヒーカップがテーブルに置かれたあと、私はトレーとプレートを持って食べ物を取りに行く。
パンやサラダ、ハム、チーズに卵料理、ソーセージやハムなど、いつもの通りだ。
ハワイっぽいなと思ったのは、フルーツがふんだんにある事や、パンケーキやワッフル、エッグベネディクト、アサイーボウルなどのアラカルトメニューが頼めるところだ。
「気になるなら好きな物を頼んでいいよ」
「ホント? ありがとう。せっかくだからパンケーキ頼んでみようかな」
ご飯を食べるならしょっぱい系がいいけど、特別な旅行なので記念になる物を頼みたかった。
席は幸運な事に窓際で、海を眺めながら食事ができる。
と言っても、広々としたレストランは一面のガラス張りで、開放的なバルコニー席もあるので、ほぼすべての席から海が見えると言っていい。
スタッフにパンケーキを頼むと、慎也もエッグベネディクトを頼んだ。
他にも、せっかくだからという事でビュッフェの物も少しつまむ。
「……ん? あれ、正樹じゃない?」
ゆっくり食べようとした時、私は奥の席で新聞を広げている正樹を見つけて慎也に言う。
「あ、ホントだ。呼ぼうか」
「私、呼んでくるね」
慎也があっさり受け入れてくれたので、私は立って正樹のもとへ歩いていった。
「正樹」
「ん……、と。あー……」
新聞を立てて読んでいた正樹は、私の姿を見て目を見開いたあと、苦笑いする。
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