【本編完結】【R-18】逃れられない淫らな三角関係~美形兄弟に溺愛されています~

臣桜

文字の大きさ
上 下
352 / 539
ハワイ 編

今だけは、俺だけのもん

しおりを挟む
「……できるといいな」

 私の隣に横たわった彼は、肘枕をして何度も私のお腹を撫でる。

「うん。できるといいね。……あんまり気にしすぎても駄目なんだろうけど、家族が増えたらいいなって思う」

 私は微笑んで彼の胸板に額をつける。

「……何か、まだ『夢みたいだな』って感じる。結婚した事も、ハワイに来てこうやって優美を抱いたのも」

「私も。……旅行してるのも相まって現実味がないよね。国内の温泉旅行なら、ゆっくり噛み締められたのかな?」

「どうだろ。でも記念なら、やっぱり海外のほうが印象に残るよな。優美のご家族も喜んでくれたし、俺はハワイに来て良かったと思ってる」

「うん、私もそう思う」

 微笑み合ってまたキスをして、私は正樹の事を考えた。

 今、何してるかな。
 隣の部屋にいるけど、声聞こえてないかな……とか、今さらか。

 思わず溜め息をついたからか、慎也はすぐに察したようだった。

「二日後には正樹が幸せの絶頂にいるだろうから、あんま気にすんな」

「ん……」

 頷いた私の頭を撫でた慎也が、顔を覗き込んでくる。

「俺はこのままでいたい。ずっと新婚初夜が続けばいいと思ってる。……今だけは、俺だけのもんだって思ってたい。……だから、俺の事を考えてほしい」

 想いを告げられ、私は彼の頭を抱き締め、額に口づける。

「うん……。ごめん」

 慎也は私の体を抱き寄せ、背中やお尻を撫でてくる。

「……もっかい、したい」

「ん? ……うん。明日立てるぐらいには手加減してほしいけど……」

 せっかくの新婚旅行なので、何回かするのは想定済みだ。
 慎也は私を抱き寄せたまま、耳元でボソッと呟いた。

「腹ん中、タプタプになるまで中出しする」

「もぉ!」

 シモい事を言われて彼の胸板を叩くと、慎也は笑い転げた。

 二人で笑い、収まった頃にまたキスをして、互いを愛撫していった。





 結局、朝の四時くらいまで抱かれてしまい、目が冴えてしまったのだか眠たいんだか分からない状態で、バルコニーで水を飲んだ。

 この時期のハワイの日の出は七時台らしく、外はまだ暗い。

 沢山達かされて、声もかすれて、歩く時もヨロヨロだったけど、とてもハイになっていた。

 疲れて眠たくて倒れる寸前だったけれど、私たちは潮風を浴びながら水を飲み、じっくり話し合ったあと、ようやくベッドに戻った。



**



(ねっむ…………)

 起きたのは、九時近くだった。

 朝食レストランは十時までやっているらしいので、シャワーを浴びて支度をしたあと、すっぴんで階下に向かった。

 朝食カードを見せると、スタッフが席まで案内してくれた。
 まず席に着くとホールスタッフがコーヒーか紅茶かを聞いてくれるので、二人でコーヒーと答える。

 コーヒーカップがテーブルに置かれたあと、私はトレーとプレートを持って食べ物を取りに行く。
 パンやサラダ、ハム、チーズに卵料理、ソーセージやハムなど、いつもの通りだ。

 ハワイっぽいなと思ったのは、フルーツがふんだんにある事や、パンケーキやワッフル、エッグベネディクト、アサイーボウルなどのアラカルトメニューが頼めるところだ。

「気になるなら好きな物を頼んでいいよ」

「ホント? ありがとう。せっかくだからパンケーキ頼んでみようかな」

 ご飯を食べるならしょっぱい系がいいけど、特別な旅行なので記念になる物を頼みたかった。

 席は幸運な事に窓際で、海を眺めながら食事ができる。
 と言っても、広々としたレストランは一面のガラス張りで、開放的なバルコニー席もあるので、ほぼすべての席から海が見えると言っていい。

 スタッフにパンケーキを頼むと、慎也もエッグベネディクトを頼んだ。
 他にも、せっかくだからという事でビュッフェの物も少しつまむ。

「……ん? あれ、正樹じゃない?」

 ゆっくり食べようとした時、私は奥の席で新聞を広げている正樹を見つけて慎也に言う。

「あ、ホントだ。呼ぼうか」

「私、呼んでくるね」

 慎也があっさり受け入れてくれたので、私は立って正樹のもとへ歩いていった。

「正樹」

「ん……、と。あー……」

 新聞を立てて読んでいた正樹は、私の姿を見て目を見開いたあと、苦笑いする。
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

身体の繋がりしかない関係

詩織
恋愛
会社の飲み会の帰り、たまたま同じ帰りが方向だった3つ年下の後輩。 その後勢いで身体の関係になった。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...