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ハワイ 編
ハワイ着
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二日目にマウイ島に移動して三日過ごし、ハワイ島に移って三日、残り四日はまたオアフ島に戻って観光……の、合計十日間の予定だ。
そのあとも会話をしながらコース仕立ての料理を楽しんだ。
結婚式の疲れもあり、寝床を整えたあとはスヤリと寝てしまった。
**
羽田からハワイまで、約七時間かかった。
東京を二十一時に出て、そのままだと早朝に着く感じだけど、時差の関係もあって現地時間では午前十時ほど。
朝食をとって液晶で映画を見ているうちに、飛行機はホノルル空港に着陸した。
ちょっと嬉しかった事がある。
空港内を歩いていると正樹が「こっちこっち」と言って、現地のお姉さんが待っている場所に行った。
するとそのお姉さんが、歓迎の言葉と共に首にプルメリアのレイをかけてくれた。
うわー! ハワイって感じがする!
勿論、全員分レイはあり、皆おもてなしにニコニコしていた。
……と言っても、あとから知った事だけど、これは事前に正樹が現地サービスにお願いしていたんだそうだ。
そうっすよね。ビジネスですよね……。
けれど当時はお金を払っているとは思っていなくて、「うわー、歓迎されちゃった」と笑顔になりながら車停めに向かったのだった。
十月のハワイは乾期で、最高気温が三十度にいかないぐらい、最低気温が二十度ちょっとだ。
出国した時は長袖だったけれど、こちらに着くと上に羽織っていたカーディガンを脱いで、半袖のスウェットワンピ姿になる。
「わー、暖かいね。もわっとする」
東京はそろそろ秋に向けて涼しくなりかけていたので、この夏を思い出させる気温が懐かしく感じる。
首にレイを下げた私たちは、スーツケースを押しながら車停めに向かう。
迎えに来てくれた車はリムジンだ。
「うわーぁ! 長い!」
犬で言えばダックスフンドを思わせる車を見て、私はケラケラ笑う。
両家の家族を合わせると、十四人だ。
三組に分かれて五人ずつ乗れば良かったんだろうけど、せっかくの新郎新婦なんだからと、私たち三人でリムジンに乗り、残りは家族ごとになった。
「うわぁ! アガるー!」
リムジンに乗ると、横に長い面すべてが白い革張りのシートだ。
向かいはネオンで飾られていて、車内の雰囲気がグッと上がる。
リムジンが発進し、横向きに座っているため、ツルー……と体が滑りそうになって思わず笑う。
最初の一泊は、六本木にも同じ名前のホテルがある、世界的に展開しているブランドホテルだ。
後半の四日間は、なんとあの夢の国のリゾート&スパのホテルに泊まるみたいで、ドキドキしている。
**
そびえ立つ巨大なホテルに入ると、クーラーが効いていて気持ちいい。
でっかいビルなら東京にもあるけど、周囲をヤシの木や南国独得の植物に囲まれてる上、海に面した散歩道もあるので佇まいが違う。
すぐ近くに海があるって、リゾート地っていう感じがするなぁ。
出入り口の所には大きくせり出た屋根の下、屋外だけどソファがあり、そこで寛いでいる人たちがいた。
天井の高いロビーは、白とウッド調で統一され、開放感がある。
私たちがキョロキョロしていると、正樹がスタッフに英語で話しかけ、フロンドで手続きを行ってくれた。
「本当に立派なところに連れてきてもらっちゃって……」
お母さんが周りを見回しながら言う。
「ビジネスクラスどうだった?」
家族に尋ねると、全員が無言でサムズアップした。
久賀城家の皆さんは慣れていそうだけど、流石に結婚式から飛行機、海外となると、やや疲れているように見えた。
やがて部屋まで案内される事になり、正樹が皆に言う。
「ランチ時間になったら連絡するので、それまでゆっくり休むなり散策するなり、自由時間にしましょう」
皆それに賛成し、大人しくホテルスタッフについていった。
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そのあとも会話をしながらコース仕立ての料理を楽しんだ。
結婚式の疲れもあり、寝床を整えたあとはスヤリと寝てしまった。
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羽田からハワイまで、約七時間かかった。
東京を二十一時に出て、そのままだと早朝に着く感じだけど、時差の関係もあって現地時間では午前十時ほど。
朝食をとって液晶で映画を見ているうちに、飛行機はホノルル空港に着陸した。
ちょっと嬉しかった事がある。
空港内を歩いていると正樹が「こっちこっち」と言って、現地のお姉さんが待っている場所に行った。
するとそのお姉さんが、歓迎の言葉と共に首にプルメリアのレイをかけてくれた。
うわー! ハワイって感じがする!
勿論、全員分レイはあり、皆おもてなしにニコニコしていた。
……と言っても、あとから知った事だけど、これは事前に正樹が現地サービスにお願いしていたんだそうだ。
そうっすよね。ビジネスですよね……。
けれど当時はお金を払っているとは思っていなくて、「うわー、歓迎されちゃった」と笑顔になりながら車停めに向かったのだった。
十月のハワイは乾期で、最高気温が三十度にいかないぐらい、最低気温が二十度ちょっとだ。
出国した時は長袖だったけれど、こちらに着くと上に羽織っていたカーディガンを脱いで、半袖のスウェットワンピ姿になる。
「わー、暖かいね。もわっとする」
東京はそろそろ秋に向けて涼しくなりかけていたので、この夏を思い出させる気温が懐かしく感じる。
首にレイを下げた私たちは、スーツケースを押しながら車停めに向かう。
迎えに来てくれた車はリムジンだ。
「うわーぁ! 長い!」
犬で言えばダックスフンドを思わせる車を見て、私はケラケラ笑う。
両家の家族を合わせると、十四人だ。
三組に分かれて五人ずつ乗れば良かったんだろうけど、せっかくの新郎新婦なんだからと、私たち三人でリムジンに乗り、残りは家族ごとになった。
「うわぁ! アガるー!」
リムジンに乗ると、横に長い面すべてが白い革張りのシートだ。
向かいはネオンで飾られていて、車内の雰囲気がグッと上がる。
リムジンが発進し、横向きに座っているため、ツルー……と体が滑りそうになって思わず笑う。
最初の一泊は、六本木にも同じ名前のホテルがある、世界的に展開しているブランドホテルだ。
後半の四日間は、なんとあの夢の国のリゾート&スパのホテルに泊まるみたいで、ドキドキしている。
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そびえ立つ巨大なホテルに入ると、クーラーが効いていて気持ちいい。
でっかいビルなら東京にもあるけど、周囲をヤシの木や南国独得の植物に囲まれてる上、海に面した散歩道もあるので佇まいが違う。
すぐ近くに海があるって、リゾート地っていう感じがするなぁ。
出入り口の所には大きくせり出た屋根の下、屋外だけどソファがあり、そこで寛いでいる人たちがいた。
天井の高いロビーは、白とウッド調で統一され、開放感がある。
私たちがキョロキョロしていると、正樹がスタッフに英語で話しかけ、フロンドで手続きを行ってくれた。
「本当に立派なところに連れてきてもらっちゃって……」
お母さんが周りを見回しながら言う。
「ビジネスクラスどうだった?」
家族に尋ねると、全員が無言でサムズアップした。
久賀城家の皆さんは慣れていそうだけど、流石に結婚式から飛行機、海外となると、やや疲れているように見えた。
やがて部屋まで案内される事になり、正樹が皆に言う。
「ランチ時間になったら連絡するので、それまでゆっくり休むなり散策するなり、自由時間にしましょう」
皆それに賛成し、大人しくホテルスタッフについていった。
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