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同窓会 編
来月には色々解き放たれてるよな
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ちなみに今は深夜近くだ。
「一杯ぐらいなら」
飲酒運転にならないように気をつけている彼を見ると、普段ふざけているようでしっかりしてるよな、と見直す。
副社長だし、飲酒運転になったらシャレにならないしね。
「優美は好きなだけ飲めよ」
「ん、でも遅い時間だし、私も一杯ぐらい」
明日むくんじゃうし。
毎日顔を合わせている二人でも、パンパンになった顔は見られたくない。
「正樹、ゴム持って来た?」
「持って来たよ」
その流れでゴムの話をし出すので、思いきりツッコミを入れたくなった。
ムードを損なうかもしれないのでグッと堪えたけれど、二人は私の視線だけで何が言いたいのかすぐ察したようだった。
「いや、でも、ゴムの持参大事だよ?」
「そうそう。サイズの合わないのして、避妊失敗したら一大事だし、数も大事だし」
「まぁ……、そりゃそうだね」
果たして二人みたいに、ガンガン消費するのが普通かは分からないけど。
私はソファに座り、慎也が見せてくれたメニューをめくる。
「ていうか、結婚前だし慎也はそろそろ生でやっても良さそうだけどね?」
正樹に言われ、私はドキッとして慎也を盗み見た。
ちょ……、何か、真剣な顔で考えてる。
いや、子作りに専念するために私も会社を辞める訳で、そうなるのは当然なんだけど……。
急に「生」とか言われると、ドキッとしてしまう。
「……す、するの……?」
真剣な表情をしている慎也に尋ねると、彼はハッとしてこちらを見る。
そしてやや照れた顔ですぐに視線を逸らした。
「いや、今はちゃんと避妊するよ。……ただ、来月には色々解き放たれてるよな……って思うと、ちょっと感慨深くなって」
「ん……、うん……」
ついつい、私も照れてしまった。
「僕は第一子が無事に生まれるまで、お預けだけどねー」
明るく言った正樹の言葉を聞き、私は二人産むのは必須だと思いだし、思わず溜め息をつく。
「……なんかもう、……頼みますよ? お父さんたち」
冗談めかしてそう言ったけれど、二人は「お父さん」という単語にピクッと顔を跳ね上げ、ニヤつきだす。
「優美ちゃん、〝お父さん、お母さん〟派?」
「え?」
「小さい頃は〝パパ、ママ〟でもいける……? いや、統一したほうがいいか……」
二人は楽しそうに家庭像を語りだし、ニヤつきが止まらない。
大の男二人のそんな姿を見せられ、私は思わず呆れて笑ってしまった。
「もぉ、気が早いっつーの」
「だって、俺と優美の子だぞ? 世界一可愛いに決まってる。やばい……」
ああ、語彙力が消失してる。
「僕だって自分の遺伝子残したいよ」
反対側から正樹が抱きついてきて、むっちゅう……とキスをしてきた。
「ん……」
ヌルリと舌が入り込んできたので、私は「ちょい待ち」と彼の肩を押す。
「分かったから、ちょっとメイクぐらい落とさせてよ。あと私、カシオレ薄めにしとく。それとウーロン茶も」
二人にオーダーを任せたあと、私はアメニティを頼りに洗面所に向かった。
部屋に飲み物が運ばれてきた頃には、三人ともシャワーを浴びて歯磨きもし、スッキリした状態で露天風呂に入っていた。
晴れた夜空を見上げながら青く光るお風呂に入り、飲み物を飲んでいるので、とてもリッチな気持ちになる。
「……ラブホ体験もいいもんだね」
ポツンと呟くと、正樹がどや顔をする。
「でしょー? 発案者の僕を褒めて」
「よしよし」
濡れた手で彼の頭を撫でると、首筋にチュッと強めに吸い付かれた。
「優美、俺も」
慎也が私の顎をつまみ、自分の方を向かせると唇をついばんでくる。
同窓会でもお酒を飲んでいたし、今も軽くアルコールが入って気持ちがフワフワしている。
「んふふ」
私は慎也に微笑みかけ、両腕を彼の首に回すと膝の上に横向きに乗る。
「あー、いいな」
すぐに正樹が羨ましがり、慎也の向かいに胡座をかいて座り、私を挟んできた。
「優美ちゃん、僕ともキスしてよ」
「ん」
チュッと正樹の唇にキスをして微笑むと、彼が「それだけ?」と小首を傾げて妖しく笑う。
「一杯ぐらいなら」
飲酒運転にならないように気をつけている彼を見ると、普段ふざけているようでしっかりしてるよな、と見直す。
副社長だし、飲酒運転になったらシャレにならないしね。
「優美は好きなだけ飲めよ」
「ん、でも遅い時間だし、私も一杯ぐらい」
明日むくんじゃうし。
毎日顔を合わせている二人でも、パンパンになった顔は見られたくない。
「正樹、ゴム持って来た?」
「持って来たよ」
その流れでゴムの話をし出すので、思いきりツッコミを入れたくなった。
ムードを損なうかもしれないのでグッと堪えたけれど、二人は私の視線だけで何が言いたいのかすぐ察したようだった。
「いや、でも、ゴムの持参大事だよ?」
「そうそう。サイズの合わないのして、避妊失敗したら一大事だし、数も大事だし」
「まぁ……、そりゃそうだね」
果たして二人みたいに、ガンガン消費するのが普通かは分からないけど。
私はソファに座り、慎也が見せてくれたメニューをめくる。
「ていうか、結婚前だし慎也はそろそろ生でやっても良さそうだけどね?」
正樹に言われ、私はドキッとして慎也を盗み見た。
ちょ……、何か、真剣な顔で考えてる。
いや、子作りに専念するために私も会社を辞める訳で、そうなるのは当然なんだけど……。
急に「生」とか言われると、ドキッとしてしまう。
「……す、するの……?」
真剣な表情をしている慎也に尋ねると、彼はハッとしてこちらを見る。
そしてやや照れた顔ですぐに視線を逸らした。
「いや、今はちゃんと避妊するよ。……ただ、来月には色々解き放たれてるよな……って思うと、ちょっと感慨深くなって」
「ん……、うん……」
ついつい、私も照れてしまった。
「僕は第一子が無事に生まれるまで、お預けだけどねー」
明るく言った正樹の言葉を聞き、私は二人産むのは必須だと思いだし、思わず溜め息をつく。
「……なんかもう、……頼みますよ? お父さんたち」
冗談めかしてそう言ったけれど、二人は「お父さん」という単語にピクッと顔を跳ね上げ、ニヤつきだす。
「優美ちゃん、〝お父さん、お母さん〟派?」
「え?」
「小さい頃は〝パパ、ママ〟でもいける……? いや、統一したほうがいいか……」
二人は楽しそうに家庭像を語りだし、ニヤつきが止まらない。
大の男二人のそんな姿を見せられ、私は思わず呆れて笑ってしまった。
「もぉ、気が早いっつーの」
「だって、俺と優美の子だぞ? 世界一可愛いに決まってる。やばい……」
ああ、語彙力が消失してる。
「僕だって自分の遺伝子残したいよ」
反対側から正樹が抱きついてきて、むっちゅう……とキスをしてきた。
「ん……」
ヌルリと舌が入り込んできたので、私は「ちょい待ち」と彼の肩を押す。
「分かったから、ちょっとメイクぐらい落とさせてよ。あと私、カシオレ薄めにしとく。それとウーロン茶も」
二人にオーダーを任せたあと、私はアメニティを頼りに洗面所に向かった。
部屋に飲み物が運ばれてきた頃には、三人ともシャワーを浴びて歯磨きもし、スッキリした状態で露天風呂に入っていた。
晴れた夜空を見上げながら青く光るお風呂に入り、飲み物を飲んでいるので、とてもリッチな気持ちになる。
「……ラブホ体験もいいもんだね」
ポツンと呟くと、正樹がどや顔をする。
「でしょー? 発案者の僕を褒めて」
「よしよし」
濡れた手で彼の頭を撫でると、首筋にチュッと強めに吸い付かれた。
「優美、俺も」
慎也が私の顎をつまみ、自分の方を向かせると唇をついばんでくる。
同窓会でもお酒を飲んでいたし、今も軽くアルコールが入って気持ちがフワフワしている。
「んふふ」
私は慎也に微笑みかけ、両腕を彼の首に回すと膝の上に横向きに乗る。
「あー、いいな」
すぐに正樹が羨ましがり、慎也の向かいに胡座をかいて座り、私を挟んできた。
「優美ちゃん、僕ともキスしてよ」
「ん」
チュッと正樹の唇にキスをして微笑むと、彼が「それだけ?」と小首を傾げて妖しく笑う。
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