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五十嵐と再会 編

いきなりの〝岬くん〟 ☆

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 ……そういや、慎也と二人きりになるの久しぶりだな。

「……優美は自由だもんなぁ。いっつも遠いところを見て、キラキラしてて、眩しい。捕まえとかないとって思うのに、優美から自由を奪ったら、悪い事をしたように思えてしまう」

「そんな、美化しすぎだよ」

 私はポンポン、とお腹に回っている慎也の手を叩く。

「……ちゃんと、俺の恋人?」

 お。珍しく慎也が甘えモードになってる。

「んふふ、ちゃんと恋人だよ」

 少しの間、慎也は黙って私を抱き締めていた。

 ――と、私の顔を覗き込んでくる。

「……したい」

「んっ?」

「正樹、いないから。たまには二人で」

「えっ?」

 確かお説教されてたはずなんだけど、いつの間にか甘い雰囲気になってしまった。

「駄目か?」

 見つめられ、懇願する目つきに思わず弱ってしまった。

「……駄目、じゃないけど……」

「……よし」

 小さく頷いたあと、慎也は私の背中と膝の裏に手を回し、抱き上げてきた。

「わっ」

 とっさにしがみついた私を、慎也は悠々と運んで二階に上がっていく。

 そして私は、優しくベッドの上に横たえられた。

 彼はベッドの上に片膝をつき、私を見下ろしながらTシャツを脱ぐ。
 相変わらずバキバキに割れた腹筋や、厚い胸板を目にして、慣れているはずなのに急に恥ずかしくなってきた。

「な、何か二人だと照れるね」

「そうですね。折原さん」

「っ~~~~!!」

 いきなり〝岬くん〟モードを出され、私はうろたえて赤面した。

「ずっ、ずるい!」

「何がずるいんですか? 折原さん」

 こ……っ、この……っ!

 カーッと赤面して震えている私を、慎也は楽しそうに見ている。
 そして目の前でジーンズのボタンを外し、ファスナーを下げた。

「脱がないなら、脱がしますよ?」

「えっ?」

 後ろに手をついた私を見て、慎也はニヤッと笑ったあと、私のTシャツを捲り上げてきた。

「わっ」

 あっという間に脱がされてしまい、ブラホックもすぐにプツンと外される。

「はい、バンザイしてください」

「えっ、えぇっ!?」

 あまりの早業に混乱している私の腕から、慎也はスルンとブラジャーを抜いてしまった。

「相変わらず綺麗な胸ですね。見ただけで勃ちます」

「ちょ……、あの……。その〝岬くん〟になるのカンベンして……。恥ずかしい」

 弱り切って言うけれど、彼はニヤニヤ笑ったままだ。

「どうしてです? もともと俺は〝こう〟だったじゃないですか」

「だ……っ、だって……」

「だって?」

 私を押し倒し、彼は下着ごとスキニーを脱がしてくる。

「~~~~くっそ、……意地悪……」

 観念して脱力すると、慎也はクスクス笑って私にキスをしてきた。
 そのあと、首筋やデコルテにチュッチュッと唇を這わせ、音を立てて吸い上げる。

「肌、すべすべで気持ちいい」

 私の乳房を撫で、慎也が呟く。

「……慎也と正樹のために整えてるよ」

 彼の頭をサラリと撫でると、胸元にキスをしていた慎也が上目遣いにこちらを見てきた。
 その視線が色っぽい。

「優美って努力家なの知ってる。ダイエットや体型キープについてもそうだけど、性格もそう。健康と美貌をキープするために、日々手間暇の掛かる事を惜しまないのも知ってる」

 う……。正面切って褒められると恥ずかしい。

「優美は、皆が憧れる最高の女だ」

 目を細めて笑い、慎也は私の手の甲にキスをする。

「そして、ずっと前から俺の特別な女でもある」

 彼は片思い時代からの想いを込め、呟く。
 そして顔を傾け、優しいキスをしてくれた。

「ん……」

 柔らかい唇を合わせ、上唇に下唇に、と軽く吸われては甘噛みされる。

 キスをされると、心の奥があったかくなるから不思議だ。

 色々考えていたはずなのに、身も心もとろけてしまいそうなキスで、感情が落ち着いていく。

 口内を温かい舌で舐め回され、前歯の裏側を舌先で探られると、お腹の奥からゾクゾクと愉悦がこみ上げる。
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