上 下
130 / 539
利佳 編

今の流れのどこでスイッチ入ったんだろう ☆

しおりを挟む
 友達というにはちょっと年上だけれど、どんな時でもしっかりした年上の視点で意見を言ってくれるので、とても救われていた。

「和人さんの事はどう思ってる?」

「はぁ?」

 まさか和人くんの事を言われると思わず、私はさすがに不機嫌になって慎也を睨みつける。

 友達疑うの、やめてよね。

「ご、ごめん」

 自分が聞きすぎたと気付いたのか、慎也は焦って謝ってくる。

「バッカだなー、慎也。気持ちは分かるけどさ、しつこくしたら駄目でしょ」

 正樹が優越感に浸り、私の肩を組んで慎也を馬鹿にする。

 あーもう、この兄弟ときたら……。

 呆れて溜め息をついた時、正樹がむっちゅう……と私にキスをしてきた。

「…………ん?」

 目を瞬かせた私の前で、正樹はにんまりと笑う。

「利佳の事で妬いてくれたんだよね?」

「……う……っ、それは……」

「ねぇ? 妬いてくれたよね?」

 正樹は嬉しそうに笑い、さらにチュッチュッと私にキスをしてきた。

 …………慎也の視線が痛い。

「ね、寝るんだよね? 私から話し始めて悪かったけど」

 そう言って私はもう一度横になり、モソモソと羽根布団を被る。
 しばし沈黙があったかと思うと、正樹も布団の中に潜り込み、私を抱き締めてくる。

「う……うぅ……」

 横を向くと、パジャマにしているハーフパンツの股間を揉まれた。

「ちょおっ!」

 ビクンッとのけぞった私の目の前に、慎也の顔が迫る。

「…………ん、――――ん」

 キスをされ、何度も唇を啄まれた私の乳首を、Tシャツ越しに正樹がカリカリと引っ掻いてくる。

「ん……っ、んぅー……っ」

 あれぇ……。
 今の流れのどこでスイッチ入ったんだろう……。

 焦っている私の心とは裏腹に、体は焦れったい刺激を受けて徐々に発情しつつあった。

 正樹が私の脚に自分の脚を絡め、お尻に硬くなったアソコを押しつけてくる。

「ねぇ、僕と利佳の結婚生活とか、セックスしてたって話を聞いて、どう思った?」

 今まで軽い調子で会話をしていた雰囲気からは一転して、正樹が低く甘い声で囁いてくる。

「っ~~~~、どう、って……」

 Tシャツ越しに乳首を摘ままれ、クリクリとこよられて私は腰を揺らす。

「ムカつかなかった? 『私だけのなのに』って」

 しつこく言われ、逆に正樹に対して腹が立った。

「いてっ!」

 何も関係ない慎也の胸板をボスッと叩き、私は起き上がると正樹の腰の上に馬乗りになる。

「どうしてそういう事を言うの!? せっかく我慢してるのに!」

 あーっ! 腹立つ!

 嫉妬してないなんて言ったら絶対嘘になるのに。
 せっかく大人らしく、嫉妬しないように気持ちを落ち着かせてるのに。

 正樹ときたらわざと私の嫉妬心を刺激してくる。
 それで私が取り乱すのを期待してるから、余計にタチが悪い。

「バカ!」

 ボスン! と正樹の胸板を叩いても、彼はニヤニヤしてる。

 ほんっとうに性格悪いなぁ!

「つらい想いをしてるのに、いつも通りいい子で我慢してるんだろうなぁ……って思ってたよ」

 そんでもって余裕たっぷりなのも憎たらしい!

 ニヤニヤ笑いながら、正樹は両手で私のお尻を撫でている。

「……いい子じゃ駄目なの? 私はできる限り、無理をしない範囲で理想の人でありたいって思ってるけど」

 隣で慎也もまた起き上がり、胡座をかいて私たちのやり取りを見ている。

「優美ちゃんが嫉妬するのほんっとうにレアなんだからさ、そういう時ぐらい『ムカつく!』って僕らにぶつけてよ」

「…………」

 私は唇を引き結び、そのままひん曲げる。

「……人の努力を無駄にさせないで」

「本当はどうしたかった?」

 今度は優しく微笑んだ正樹に尋ねられ、私は息を吸い、止めて、ゆっくり吐く。

「……犯してやりたい」

「「えっ!?」」

 うめくように低く言った私の言葉に、慎也と正樹が同時に声を上げた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】もう一度セックスに溺れて

ちゅー
恋愛
-------------------------------------- 「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」 過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。 -------------------------------------- 結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

【R-18・短編】部長と私の秘め事

臣桜
恋愛
彼氏にフラれた上村朱里は、酔い潰れていた所を上司の速見尊に拾われ、家まで送られる。タクシーの中で元彼との気が進まないセックスの話などをしていると、部長が自分としてみるか?と言い……。 かなり前に企画で書いたものです。急いで一日ぐらいで書いたので、本当はもっと続きそうなのですがぶつ切りされています。いつか続きを連載版で書きたいですが……、いつになるやら。 ムーンライトノベルズ様にも転載しています。 表紙はニジジャーニーで生成しました

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

サディストの飼主さんに飼われてるマゾの日記。

恋愛
サディストの飼主さんに飼われてるマゾヒストのペット日記。 飼主さんが大好きです。 グロ表現、 性的表現もあります。 行為は「鬼畜系」なので苦手な人は見ないでください。 基本的に苦痛系のみですが 飼主さんとペットの関係は甘々です。 マゾ目線Only。 フィクションです。 ※ノンフィクションの方にアップしてたけど、混乱させそうなので別にしました。

ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~

taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。 お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥ えっちめシーンの話には♥マークを付けています。 ミックスド★バスの第5弾です。

処理中です...