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ハプバー~同居開始 編
シャワー浴びたら?
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「岬くんが真剣に私と付き合いたいって言ってくれたなら、出会いがハプバーでもまじめに考えた。でも実際はどう? 信じてマンションまで着いてきたのに、途中からお兄さんが入ってきたじゃない。受け入れてしまったのは私だけど、聞いてなかった。普通なら同居してるってあらかじめ言うとか、お兄さんに連絡しておくとか手段はあったと思う」
回避できたかもしれない手段を伝えると、慎也は溜め息をついて私を抱いていた手を離した。
「一旦、冷静になってから話をしようか。よし、飯食おう! 我が家に泊まったなら、美味い朝食をご馳走しないと」
慎也はパン、と柏手のように手を打って、それまでの空気を一新する。
それから伸びをしてベッドから下りた。
「飯用意するから、優美はシャワー浴びたら?」
「……うん。分かった」
言う通りだと思い、私は正樹が差し出したバスローブにありがたく腕を通す。
バスローブは高身長の彼らの脛ぐらいあるので、私が着るとくるぶし近くまで丈がある。
(特注なんだろうな)
フカフカで肌触りのいいバスローブの感触を味わいつつ、私はベルトを軽く結んでゆっくり起きた。
「階段、気を付けてね」
正樹はグレーのスウェットズボンを穿き、慎也も黒いスウェットズボンに無地の白Tを着ている。
二人の様子を見ていると、彼らの日常に自分が入り込んでしまった気がして、非情に居心地が悪い。
私は手すりに掴まり、慎重に階段を下りる。
そうでもしないと、股関節が痛くて堪らない。
スクワットを千回したんじゃ……と思うほどだ。
脚をガクガクさせながら階段を下りきると、正樹が「つらそうだね」と言って私を姫抱っこしてきた。
「わっ! だ、大丈夫っ、ですっ!」
「いいから、いいから」
「私っ、筋肉太りして重たいので!」
「あはは! 実に女の子らしい考えだね。大丈夫! 僕、ベンチプレス百キロはいけるから」
「マジですか!? 私、頑張っても五十五くらいで……」
それ系の話が入ると、一気に興味津々になってしまう。
「ちょっと失礼……」
私は正樹の僧帽筋と三角筋をまさぐり、最長筋から広背筋を確認する。
「いいお肉……」
「あっはは! 優美ちゃん面白い! ねぇ、慎也。この子僕にちょうだいよ」
「独り占めダメ絶対」
後ろにいる慎也は、ブスッと膨れている。
「ここがバスルームだけど……。優美ちゃんの好きそうな香りあるかな」
洗面所で私を下ろした正樹は、隠し収納を開いてズラリと並べられているブランド物のボディケア用品を眺める。
「すご……」
「優美ちゃん、マリン系の香りって好き?」
「あ、はい」
「フルーツの香りは?」
「それは凄く好きです。美味しそうで。……でもあまり甘すぎるのは苦手かな……」
「OK、OK」
軽く返事をして、正樹は透明なプラスチックボトルを私に手渡してきた。
それは私も知っている、有名フレグランスブランドのボディソープだ。
「で……、シャンプー類はどうしよっかな」
言いながら、正樹は沢山並んでいるヘアケア用品を眺めて迷っている。
「まるでサロンみたいですね」
「こういうの好きなんだ。慎也からも優美ちゃんは美意識高めって聞いてたけど?」
「好き、は好きですけど……、親友が詳しいんです。私は彼女に『合いそう』って言われたのを使っているだけです。デパコス沼に嵌まったら凄い金額が飛んでいきますし」
「あはは! 堅実だね」
正樹は「シャンプーとコンディショナーはこれを使ってね」と私の手に持たせる。
そして私のバスローブのベルトを引っ張って前を開いた。
「一緒に入ろうか?」
「? ……遠慮します」
「正樹?」
洗面所の入り口に立っている慎也が、イライラとした様子で兄を注意する。
回避できたかもしれない手段を伝えると、慎也は溜め息をついて私を抱いていた手を離した。
「一旦、冷静になってから話をしようか。よし、飯食おう! 我が家に泊まったなら、美味い朝食をご馳走しないと」
慎也はパン、と柏手のように手を打って、それまでの空気を一新する。
それから伸びをしてベッドから下りた。
「飯用意するから、優美はシャワー浴びたら?」
「……うん。分かった」
言う通りだと思い、私は正樹が差し出したバスローブにありがたく腕を通す。
バスローブは高身長の彼らの脛ぐらいあるので、私が着るとくるぶし近くまで丈がある。
(特注なんだろうな)
フカフカで肌触りのいいバスローブの感触を味わいつつ、私はベルトを軽く結んでゆっくり起きた。
「階段、気を付けてね」
正樹はグレーのスウェットズボンを穿き、慎也も黒いスウェットズボンに無地の白Tを着ている。
二人の様子を見ていると、彼らの日常に自分が入り込んでしまった気がして、非情に居心地が悪い。
私は手すりに掴まり、慎重に階段を下りる。
そうでもしないと、股関節が痛くて堪らない。
スクワットを千回したんじゃ……と思うほどだ。
脚をガクガクさせながら階段を下りきると、正樹が「つらそうだね」と言って私を姫抱っこしてきた。
「わっ! だ、大丈夫っ、ですっ!」
「いいから、いいから」
「私っ、筋肉太りして重たいので!」
「あはは! 実に女の子らしい考えだね。大丈夫! 僕、ベンチプレス百キロはいけるから」
「マジですか!? 私、頑張っても五十五くらいで……」
それ系の話が入ると、一気に興味津々になってしまう。
「ちょっと失礼……」
私は正樹の僧帽筋と三角筋をまさぐり、最長筋から広背筋を確認する。
「いいお肉……」
「あっはは! 優美ちゃん面白い! ねぇ、慎也。この子僕にちょうだいよ」
「独り占めダメ絶対」
後ろにいる慎也は、ブスッと膨れている。
「ここがバスルームだけど……。優美ちゃんの好きそうな香りあるかな」
洗面所で私を下ろした正樹は、隠し収納を開いてズラリと並べられているブランド物のボディケア用品を眺める。
「すご……」
「優美ちゃん、マリン系の香りって好き?」
「あ、はい」
「フルーツの香りは?」
「それは凄く好きです。美味しそうで。……でもあまり甘すぎるのは苦手かな……」
「OK、OK」
軽く返事をして、正樹は透明なプラスチックボトルを私に手渡してきた。
それは私も知っている、有名フレグランスブランドのボディソープだ。
「で……、シャンプー類はどうしよっかな」
言いながら、正樹は沢山並んでいるヘアケア用品を眺めて迷っている。
「まるでサロンみたいですね」
「こういうの好きなんだ。慎也からも優美ちゃんは美意識高めって聞いてたけど?」
「好き、は好きですけど……、親友が詳しいんです。私は彼女に『合いそう』って言われたのを使っているだけです。デパコス沼に嵌まったら凄い金額が飛んでいきますし」
「あはは! 堅実だね」
正樹は「シャンプーとコンディショナーはこれを使ってね」と私の手に持たせる。
そして私のバスローブのベルトを引っ張って前を開いた。
「一緒に入ろうか?」
「? ……遠慮します」
「正樹?」
洗面所の入り口に立っている慎也が、イライラとした様子で兄を注意する。
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