【R-18】SとMのおとし合い

臣桜

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第五話・ご褒美②

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 それにも関わらず宗一郎がずぽずぽと張り型を動かしながら、さやからはみ出てぷっくりと充血している真珠をつるつると撫で始めると雅の体が更に震え始めた。
「んひっ、ぅ、ぃやっ、そこっ、ぃやあぁあぁっっ」
 感じてしまう。
 お仕置きをされて宗一郎の前でいってしまえば、何を言われるか分からない。
 それでもこれがお仕置きだという事、夫に見られている事、自分の胎内に入っているのが夫のものではなく偽者の陰茎である事、様々な要素が入り混じって彼女を明らかに興奮させてしまった挙句、とどめを刺したのは肉体的快楽だ。
 気がつけば苦しそうに張り型を咥えていた雅の膣からは白い粘液が流れ出し、とろとろと会陰を伝って窄まった菊座を汚し、シーツに染みを作る。
「はは! みやは変態だね。美味そうに張り型を咥えてこんなによがって」
 宗一郎の酷い言葉がぐさぐさと雅の純粋な心を刺し、耐え難い痛みとなって彼女の涙に変換された。
 それでも――
「い……ぁ、く、る……、ぁ、あ、あああ、あ、ぁ、っっっ――」
 雅が両手を膝の裏から離し、ぎゅうっとシーツを掴む。広げられていた脚はぴんと伸びてつま先もぎゅっと締まり、後頭部をシーツに埋めながら雅が絶頂に達した。
 ぶるぶると震える細い肢体やつま先を見下ろし、宗一郎が張り型を雅の奥まで押し込むと、愛液を指先にすくい取って口の中に含み、雅の上に覆い被さって唇を併せる。
「ん……ぅ、う」
 柔らかいものが覆い被さって来たかと思えば、温かな舌が唇をこじ開けて来てとろりと唾液と一緒にしょっぱくてぬるぬるしたものを送り込んでくる。
 体の奥がまだ熱く痺れていて意識も何処かぼうっとしながら、雅は懸命になってそれを飲み込んだ。ぬるぬるしたものが喉に纏わりつくが、送り込まれる宗一郎の唾液と自分の唾液が混じってそれを押し流してゆく。
 暫く、くちゅくちゅといやらしいキスをしてから、宗一郎が舌先から透明な糸を引いて口を離し、滾った欲望が収まったのか真っ赤な顔をしてぼうっとしている雅の頬をぺちぺちと叩く。
「ほら、雅。そろそろ食事に行かないと冷めてしまう」
「……ふぁい……」
 細い腕を引っ張られて起き上がると、横になって耳の穴に入っていた涙が今度は頬を光らせた。
「泣くんじゃない」
「……」
 ここでまた文句を言える訳もなく、悲しそうに雅が目線を落とす。
「張り型は入れたまま食事に」
「!?」
 宗一郎の言葉にびっくりして我に返ると、子供をあやす様に頭を撫でられた。
「ちゃんと食事が出来て、歩いている間に張り型を落とさなかったら、褒美にバナナを食べさせてあげるから」
「バナナ? あの台湾から輸入してきた異国の果物?」
「そう。別に手に入れる事は難しくはないから。君は食べた事がないだろう?」
「はい」
「甘くて美味しいよ」
 頭を撫でられ、甘い物で誘惑されるなど、子ども扱いされている気がしないでもないが、それでも雅はそれを宗一郎の気遣いであり妻を思い遣る優しさだと思って涙を拭い、少し微笑んでみせる。
「約束やえ」
 もぞもぞと体を動かしてベッドの縁から脚を下ろし、宗一郎に手を引かれて立ち上がると、張り型が入ったままの股間が苦しくてしゃがみ込みそうになってしまう。
「ばなな」
 小さく呟くと宗一郎が笑う。
「君は食い意地が張ってるんだね」
「ちゃう」
 赤くなって言い返してからハッとなって宗一郎を見上げると、彼は少し考える素振りをしてから「今のは冗談の範疇だからよしとするよ。食事に遅れてしまう」と、着物の袂に入れている懐中時計で時間を確認してから部屋のドアを開け、雅をエスコートしながら赤い絨毯を踏んで一階の晩餐室へ向かった。
 一番の関門になるかと思った階段は、膣を一生懸命締めながら幼児の様に一段一段下りたので、何とか事なきを得る。
 バナナの為に張り型を落とす事は出来ない。
 その前に、使用人や宗一郎の家族が見ている前で股間から張り型を落としたら何と言われるかという恐怖の方が大きかった。
 メイドの姿でいる事や下着をつけていない事への恥じらいは、張り型を入れている前提で既に頭の中にない。
 兎に角、張り型を落とさない事。
 それが雅の頭の中を支配していて、やっと晩餐室に辿り着いて宗一郎と向かい合わせの席に座った時には、安堵のあまり胸を撫で下ろして大きな溜息をついてしまった。
 だが意識していた宗司と京子の二人の姿が晩餐室にはなく、少し安堵しつつも雅は宗一郎に質問をする。
「お義父様とお義母様は?」
「ああ、お父様とお母様なら君のご両親やご親戚を接待しているよ。今頃、俺達に気を利かせて帝国ホテルに宿を取って、東京案内でもしているんじゃないかな」
「そうなん……」
 宗一郎が教えてくれた情報に何処かホッとしている自分がいた。
「所で君、洋式の食事の作法は大丈夫? 手紙ではほとんど和食みたいな事が書いてあったけれど」
「あ、はい。洋食はお家ではそないに作らへんのやけど、お外で食べる時はあるえ」
 正直雅としては和食が好きで、目新しい洋食への興味も勿論あったが、保守的な京都の人間という面が割とある。通常は使用人が料理を作っているが、花嫁修業として基本的な料理は勿論出来る。それでも当時は特別な知識や技術が必要な洋食は、流石に雅には出来なかった。
「それなら良かった。九条西家では大体が西洋料理だから。まぁ、たまには君が作る和食を食べるのもいいね」
 それから和食の様にお膳仕様の食事ではなく、洋式の順番に出て来る食事を取りながら、雅は膣から漏れる愛液が上等な布張りの椅子を汚してしまいそうで内心ひやひやしていた。
 食事中は宗一郎が会話を振り、雅がそれに答える。たまにその逆もあった。雅がメイド服を着ているということ以外は、至って普通の若い夫婦の食事風景である。
 その関係性を除けば。
 食事が終わって紅茶を飲むと、雅がそわそわし始める。
「どうしたの?」
 明らかにちらちらと給仕がやってくる方向を視線で気にする雅を見て宗一郎が声をかけるが、恥ずかしそうに口を噤んで何も言わない。
「……そんなにバナナ食べたい?」
 ふっと笑いながら試しに言ってみると、みるみる雅の耳が赤くなってゆく。
「部屋に持って来させるから楽しみにしておいで。さて、戻ろう」
 宗一郎が立ち上がると、ずっと座っていて張り型の存在をやや失念していた雅も立ち上がり、温かくて美味しい食事を食べられた上にこれから楽しみにしていたバナナが食べられるのに気が緩み、その瞬間にざっと顔から血の気が引いた。
 立った瞬間膣の奥からとろっと愛液が溢れ、それまで人肌に温まっていて一体感すらあった張り型が、急に熱くなった気がしてぎくっとしたのだ。おまけに立ち上がった事で緊張の緩んだ膣から抜けそうな感覚になり、思わずぎゅっと股間に力が入る。
「雅、手を使ってはいけないよ。椅子に座っても駄目だ」
 それを長いテーブルを回り込んで彼女をエスコートしに近くにやって来た宗一郎が、口元は笑いながら耳元で意地悪に囁き、大きな手を差し出す。
「……はい」
 ぐっと膣に力を入れるとその腹圧で張り型が抜けてしまいそうな気がし、雅が泣きそうになって宗一郎の手を取り、ぐいぐいと引っ張った。
「ただ部屋に戻るだけなのに、どうしてそんなに急ぐの?」
「……っ」
「君は子爵家の娘だろう? おまけに君の名前は雅だ。いつでも優雅たれと親御さんに教わらなかったのかい?」
 そう言われてしまえばぐうの音も出なくなり、雅は額に冷や汗を浮かべつつ夫にエスコートされてしずしずと歩く。ただでさえ広い屋敷なのに、部屋までの道のりが更に長く感じた。
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