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第五話・ご褒美①
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「ぅぅううううぅうーっっ、あぁああぁんっっ、あぁあああぁぁあぁんっ」
宗一郎の部屋で目を覚ました雅は、部屋の隅で声を上げて泣いていた。その格好はまだメイド服のままで、下着もつけさせて貰っていない。
雅が大声で泣いていても宗一郎は知らぬ顔で机に向かって本を読んでいる。
ひどい。
宗一郎のあほ。
雅がベッドの上で気がついて自分の身の上に起こった事を理解し、部屋の中をうろうろしながら泣き始め、部屋の隅に座り込んで大泣きをしてから十分。
宗一郎が机の上に置いてあった懐中時計を確認し、十分が過ぎた事を確認してからパチンと懐中時計の蓋を閉めて立ち上がった。
「十分経ったよ。二十歳にもなったのならもういい加減泣き止むんだ」
「うぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「俺の言う事を聞かなかった君が悪い。命令だ、あと一分以内に泣き止んで。それでないとまた別のお仕置きをするよ」
お仕置きと聞いて涙で一杯になっていた雅の目に怯えの色が混じり、びくっと肩を跳ねさせて宗一郎を見上げる。
それでも急には泣きやめず、引き攣れる喉を懸命になって宥め、両手でごしごしと大きな目をこすって涙を拭っても嗚咽は漏れてしまい、ズルズルと鼻水が出る。
「あと四十五秒」
宗一郎が懐中時計を見ながら机の方に戻り、その背中を雅が見詰めて彼の冷たさに落胆する。が、「あと四十秒」と言いながら机の方から戻って来た宗一郎が目の前にしゃがみ、彼女に差し出したのは京花紙だった。
有り難くそれを受け取り、鼻水をかんでしまうとスッキリした。あとはしゃくり上げるのを押さえつけるだけだ。
宗一郎は自分の事を好きにならない、憎んでいると言っているが、それなのに自分を妻に迎え入れて酷い事をしたかと思えばこういうさり気ない所で優しくしてくれるのが分からない。 (どうせならほんまに女中みたいな扱いでもしてくれはったら踏ん切りがつくんに)
口の中で呟いてまた涙が溢れてきたので乱暴に目をこすると、目の前の宗一郎が雅の細い手首を掴んだ。
また何か彼の気に障る事をしてしまったのだろうかと戦慄すると、不機嫌そうに琥珀色の目を細めさせて宗一郎が言う。
「女性がそんな風に顔を乱暴に扱ってはいけない」
雅の目元から彼女の手を外すと、宗一郎が片膝を床に着いて京花紙で優しく雅の目元を拭った。
優しくしないで。
そう思うと切なくなってまた大きな目に涙が溢れてきてしまう。
顔を合わせる前から文通で気持ちが募り、祝言の前に彼を見てますます好きになった。一生添い遂げて彼を幸せにしてあげたいと思い、彼の言う事なら何でもきこうと思った。その結果、実は憎んでいると言われて混乱し、酷い事をされて泣けばまた優しくしてくれる。
混乱するなという方が無理だ。
「ああ、ほら。泣くんじゃない。あと十五秒」
ふぅ、と宗一郎が溜息をついて壁際の雅に身を寄せ、その目に柔らかく口付けて涙をちゅっと吸い取る。そのまま唇が目蓋に触れ、大きな手が顔にかかった髪を優しく除けながら顔を撫でて、その後を唇がくまなく触れてゆく。
優しい手と唇に雅がうっとりとしていると、「時間」と呟いて宗一郎が左手に持っていた懐中時計をパチンと閉じた。
「……なんで優しくしてくれはるの?」
「優しくなんかしてない。妻をあやすのも夫の務めだ」
「……私の事、好き?」
「大嫌いだよ」
しゅんとして俯くと「泣き止んだね」と言って宗一郎が雅の手首を掴んで立ち上がる。
「おいで、昼食にしよう」
「この格好のま」
そこまで言いかけて雅が慌てて両手で口を押さえた。
「全く君は懲りないね。分かった、お仕置きしようか」
ちらっと雅が上目遣いで宗一郎を見上げれば、涼やかな視線が待ち構えている。その視線に雅の背筋に冷たいものが走った。
「あの……、あの」
「ベッドに座って」
そう言われてまた逆らって人の前で折檻されても困るので、雅がおずおずと大きなフランスベッドの端に腰掛けると、その間に宗一郎は箪笥の引き出しの中から何やら細長い小箱を取り出してきた。
「……それは何?」
きしっと小さくベッドが軋む音がして宗一郎が雅の隣に座ると、その箱の蓋を開く。
「君の為に特注で作らせた物だよ」
「ひっ」
箱の中には異形が入っていた。
「俺のものと全く同じ大きさと形で作らせた物だ。少々型を作る際に手間が要ったがね」
それは陰茎の形をした透明な張り型だった。
「さあ、これを手に取るんだ」
言葉を失って張り型を見詰め、宗一郎にちらっと視線を走らせると容赦のない目がじっとこちらを見詰めている。仕方なくおずおずと小箱の中の硝子の張り型に触れると、ひやりと冷たかった。そっと持ち上げると結構重たい。
途方に暮れて張り型を手にして宗一郎を見詰めると、彼が薄っすらと笑う。
「口に入れて自分で温めてご覧」
「えっ?」
びっくりしてまじまじと宗一郎を覗き込むと、呆れたという表情で見詰め返される。
「これが何の形なのかは分かっているね? なら結局は何処に突っ込まれるかも予想される訳だ。それなら君に出来る事は一つ。自分の口で温めて唾でたっぷり濡らして、下の口に入れても辛くないようにしておく。分かったかい?」
「……」
嫌だとも言えずに困っていると、宗一郎の手が伸びて硝子の張り型を口に突っ込まれた。
「んーっ!」
つめたい。
こわい。
ひやりとした張り型が口腔を一杯にし、怯えた黒い目が宗一郎を見ると夫は満足そうな顔をしている。
「この感覚を覚えておくんだ。俺のものをしゃぶる時に下手糞だったら困るからね」
「んぐぅ」
ぬぽぬぽと張り型が雅の口を往復し、冷たい張り型が温まってゆくのと同時に喉の奥に唾が溢れてき、雅は懸命になってそれを飲み込む。
「もっと喉の奥で吸い込むんだ。君のおまんこはこんなにゆるゆるなのかい?」
そう言われて恥ずかしいのもあるが、昨晩処女を奪われたばかりだというのに緩いなどと言われては傷付く。綺麗な顔を歪め、必死になって吸い込むと宗一郎が張り型を引いた時にぐぽぉっと思い切り大きな音がしてしまった。
「――っ!」
自分の口から下品な音がして雅が羞恥で真っ赤になり、いやいやと首を振るが宗一郎は雅をベッドに押し倒して肩を押さえつけ、更に口淫を強要する。それに逆らう事も出来ず、雅の大きな目にはまたもみるみる大粒の涙が溜まってきた。
「泣くんじゃない。俺の妻として俺を喜ばせたいのなら、貞淑で淫乱な妻になるんだ」
「……っ」
ぐぷぐぷと口からいやらしい音を立てながら、雅が宗一郎を見詰めたまま綺麗な顔をぐしゃりと歪めてぼろぼろと涙を流す。
「いいかい? 雅。これは夫を悦ばせる為の練習だと思って」
「……ふぉんむ?」
「本当だ。君だって昨晩俺に舐められて感じていただろう? 男だって同じだ」
「……」
そう言われて確かに、と納得するがそれでも恥ずかしいものは恥ずかしい。人前で、しかも思いを寄せている夫の前ではしたない音を立ててしまった事の方が彼女にとっては重要だ。
「受け入れやすい様に少し濡らしておいてあげよう。みや、脚を開いて」
「……」
口を犯されたまま黙っていると、宗一郎の手がメイド服のスカートから伸びた雅の太腿を叩く。
「また逆らうの?」
その冷たい眼差しと声に雅の背筋が震え、おずおずと脚を広げると苛立った声がする。
「昨日の夜みたいに蛙みたいに脚を開いてご覧。一度やった事はすぐに覚えるんだ」
また、蛙って言った。
ひどい。
くすん、と鼻を鳴らして自分の手で膝の裏を抱え、ぐっと脚を広げるとその白い内腿を宗一郎の手が撫でた。その指先が優しいのでまた泣きそうになってしまう。
「君は本当に色が白いね。大切に育てられたのが分かる様な気がするよ」
態度は冷たいのに言葉は優しい。
太腿を撫でていた指先がつ……と移動して秘唇に届き、確かめる様に下から上へ撫で上げると指先にとろりとした蜜が乗る。
「俺の精を受けた後、まだ濡らしていたんだね。それとも今こうされていて泣いている振りをして、本当は感じている?」
酷い言葉が雅の心を掻き乱す。
「んんぅーっ、うぅーっ」
文句を言いたくても口を張り型が支配していて言葉が紡げない。口を犯す硝子の張り型は大分温まって唾液で濡れているが、その人工的な硬さだけはどうにもならない。
「まだ何か文句があるの?」
いきなり宗一郎の指が二本ずぶりと侵入して来て、額の裏側にじんとした痺れがして眩暈がする。このまま血液が顔に集まりすぎて頭が破裂してしまうのではないかと思えてきた。
「んんふぅ」
「それにしてもさっきは随分と感じていたね。見られていたのがそんなに良かった? それとも叩かれたのが?」
ぬくぬくと指が挿し入れされ、肉壁をこすってゆく。
酷い言葉を言われて傷付いているのに、体は素直に反応して熱くなってしまう。そんな自分が嫌で堪らず、雅は心の痛みと快楽と二重の意味で涙を流していた。
「……んふ」
「……君、今『アホ』って言ったかい?」
スッと琥珀色の目が細められると、ずぽっと雅の口から硝子の張り型が抜かれ、それを迷いのない手つきで宗一郎は小さな孔をこじ開けて埋めていった。
「いやっ! いやぁああぁぁああぁぁあぁあぁっっっ!」
まだ大して濡れていない場所に硬い物が押し込まれて雅が悲鳴を上げる。自分の口の中にあって生温かくはなっていたものの、人体ではない物を入れられて体が震えた。
「全く呆れたね。使用人の前で折檻されて、犯されて、それでもまだ俺に反抗する意思があるんだ」
冷たい声が耳に届いて、張り型がずっぽずっぽと乱暴に抜き差しされる。感じたくないのに感じてしまい、両手で膝の裏を抱えたまま雅が涙を流して体を震わせた。
「この張り型を木製じゃなくてわざわざ硝子にした意味が分かるかい? 君の胎内が見たくてね。ああ、本当に綺麗なピンクだ」
透明な張り型越しに、見え方が屈折しつつも張り型を入れられ恥部を天井に向けた雅の中が丸見えになる。慎ましやかだった花びらは精一杯になるまで広げられ、その奥の肉襞は今まで使われていなかったのを物語る様に未開の色をしている。
「うううっ……、ひっ、うえぇっ」
眉根を寄せて顔を歪ませ、小さな鼻の穴をひくひくと広げて雅が泣きじゃくり、目からも鼻からも透明で生理的な液体が出ている。
宗一郎の部屋で目を覚ました雅は、部屋の隅で声を上げて泣いていた。その格好はまだメイド服のままで、下着もつけさせて貰っていない。
雅が大声で泣いていても宗一郎は知らぬ顔で机に向かって本を読んでいる。
ひどい。
宗一郎のあほ。
雅がベッドの上で気がついて自分の身の上に起こった事を理解し、部屋の中をうろうろしながら泣き始め、部屋の隅に座り込んで大泣きをしてから十分。
宗一郎が机の上に置いてあった懐中時計を確認し、十分が過ぎた事を確認してからパチンと懐中時計の蓋を閉めて立ち上がった。
「十分経ったよ。二十歳にもなったのならもういい加減泣き止むんだ」
「うぃぃぃぃぃぃぃぃ」
「俺の言う事を聞かなかった君が悪い。命令だ、あと一分以内に泣き止んで。それでないとまた別のお仕置きをするよ」
お仕置きと聞いて涙で一杯になっていた雅の目に怯えの色が混じり、びくっと肩を跳ねさせて宗一郎を見上げる。
それでも急には泣きやめず、引き攣れる喉を懸命になって宥め、両手でごしごしと大きな目をこすって涙を拭っても嗚咽は漏れてしまい、ズルズルと鼻水が出る。
「あと四十五秒」
宗一郎が懐中時計を見ながら机の方に戻り、その背中を雅が見詰めて彼の冷たさに落胆する。が、「あと四十秒」と言いながら机の方から戻って来た宗一郎が目の前にしゃがみ、彼女に差し出したのは京花紙だった。
有り難くそれを受け取り、鼻水をかんでしまうとスッキリした。あとはしゃくり上げるのを押さえつけるだけだ。
宗一郎は自分の事を好きにならない、憎んでいると言っているが、それなのに自分を妻に迎え入れて酷い事をしたかと思えばこういうさり気ない所で優しくしてくれるのが分からない。 (どうせならほんまに女中みたいな扱いでもしてくれはったら踏ん切りがつくんに)
口の中で呟いてまた涙が溢れてきたので乱暴に目をこすると、目の前の宗一郎が雅の細い手首を掴んだ。
また何か彼の気に障る事をしてしまったのだろうかと戦慄すると、不機嫌そうに琥珀色の目を細めさせて宗一郎が言う。
「女性がそんな風に顔を乱暴に扱ってはいけない」
雅の目元から彼女の手を外すと、宗一郎が片膝を床に着いて京花紙で優しく雅の目元を拭った。
優しくしないで。
そう思うと切なくなってまた大きな目に涙が溢れてきてしまう。
顔を合わせる前から文通で気持ちが募り、祝言の前に彼を見てますます好きになった。一生添い遂げて彼を幸せにしてあげたいと思い、彼の言う事なら何でもきこうと思った。その結果、実は憎んでいると言われて混乱し、酷い事をされて泣けばまた優しくしてくれる。
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「ああ、ほら。泣くんじゃない。あと十五秒」
ふぅ、と宗一郎が溜息をついて壁際の雅に身を寄せ、その目に柔らかく口付けて涙をちゅっと吸い取る。そのまま唇が目蓋に触れ、大きな手が顔にかかった髪を優しく除けながら顔を撫でて、その後を唇がくまなく触れてゆく。
優しい手と唇に雅がうっとりとしていると、「時間」と呟いて宗一郎が左手に持っていた懐中時計をパチンと閉じた。
「……なんで優しくしてくれはるの?」
「優しくなんかしてない。妻をあやすのも夫の務めだ」
「……私の事、好き?」
「大嫌いだよ」
しゅんとして俯くと「泣き止んだね」と言って宗一郎が雅の手首を掴んで立ち上がる。
「おいで、昼食にしよう」
「この格好のま」
そこまで言いかけて雅が慌てて両手で口を押さえた。
「全く君は懲りないね。分かった、お仕置きしようか」
ちらっと雅が上目遣いで宗一郎を見上げれば、涼やかな視線が待ち構えている。その視線に雅の背筋に冷たいものが走った。
「あの……、あの」
「ベッドに座って」
そう言われてまた逆らって人の前で折檻されても困るので、雅がおずおずと大きなフランスベッドの端に腰掛けると、その間に宗一郎は箪笥の引き出しの中から何やら細長い小箱を取り出してきた。
「……それは何?」
きしっと小さくベッドが軋む音がして宗一郎が雅の隣に座ると、その箱の蓋を開く。
「君の為に特注で作らせた物だよ」
「ひっ」
箱の中には異形が入っていた。
「俺のものと全く同じ大きさと形で作らせた物だ。少々型を作る際に手間が要ったがね」
それは陰茎の形をした透明な張り型だった。
「さあ、これを手に取るんだ」
言葉を失って張り型を見詰め、宗一郎にちらっと視線を走らせると容赦のない目がじっとこちらを見詰めている。仕方なくおずおずと小箱の中の硝子の張り型に触れると、ひやりと冷たかった。そっと持ち上げると結構重たい。
途方に暮れて張り型を手にして宗一郎を見詰めると、彼が薄っすらと笑う。
「口に入れて自分で温めてご覧」
「えっ?」
びっくりしてまじまじと宗一郎を覗き込むと、呆れたという表情で見詰め返される。
「これが何の形なのかは分かっているね? なら結局は何処に突っ込まれるかも予想される訳だ。それなら君に出来る事は一つ。自分の口で温めて唾でたっぷり濡らして、下の口に入れても辛くないようにしておく。分かったかい?」
「……」
嫌だとも言えずに困っていると、宗一郎の手が伸びて硝子の張り型を口に突っ込まれた。
「んーっ!」
つめたい。
こわい。
ひやりとした張り型が口腔を一杯にし、怯えた黒い目が宗一郎を見ると夫は満足そうな顔をしている。
「この感覚を覚えておくんだ。俺のものをしゃぶる時に下手糞だったら困るからね」
「んぐぅ」
ぬぽぬぽと張り型が雅の口を往復し、冷たい張り型が温まってゆくのと同時に喉の奥に唾が溢れてき、雅は懸命になってそれを飲み込む。
「もっと喉の奥で吸い込むんだ。君のおまんこはこんなにゆるゆるなのかい?」
そう言われて恥ずかしいのもあるが、昨晩処女を奪われたばかりだというのに緩いなどと言われては傷付く。綺麗な顔を歪め、必死になって吸い込むと宗一郎が張り型を引いた時にぐぽぉっと思い切り大きな音がしてしまった。
「――っ!」
自分の口から下品な音がして雅が羞恥で真っ赤になり、いやいやと首を振るが宗一郎は雅をベッドに押し倒して肩を押さえつけ、更に口淫を強要する。それに逆らう事も出来ず、雅の大きな目にはまたもみるみる大粒の涙が溜まってきた。
「泣くんじゃない。俺の妻として俺を喜ばせたいのなら、貞淑で淫乱な妻になるんだ」
「……っ」
ぐぷぐぷと口からいやらしい音を立てながら、雅が宗一郎を見詰めたまま綺麗な顔をぐしゃりと歪めてぼろぼろと涙を流す。
「いいかい? 雅。これは夫を悦ばせる為の練習だと思って」
「……ふぉんむ?」
「本当だ。君だって昨晩俺に舐められて感じていただろう? 男だって同じだ」
「……」
そう言われて確かに、と納得するがそれでも恥ずかしいものは恥ずかしい。人前で、しかも思いを寄せている夫の前ではしたない音を立ててしまった事の方が彼女にとっては重要だ。
「受け入れやすい様に少し濡らしておいてあげよう。みや、脚を開いて」
「……」
口を犯されたまま黙っていると、宗一郎の手がメイド服のスカートから伸びた雅の太腿を叩く。
「また逆らうの?」
その冷たい眼差しと声に雅の背筋が震え、おずおずと脚を広げると苛立った声がする。
「昨日の夜みたいに蛙みたいに脚を開いてご覧。一度やった事はすぐに覚えるんだ」
また、蛙って言った。
ひどい。
くすん、と鼻を鳴らして自分の手で膝の裏を抱え、ぐっと脚を広げるとその白い内腿を宗一郎の手が撫でた。その指先が優しいのでまた泣きそうになってしまう。
「君は本当に色が白いね。大切に育てられたのが分かる様な気がするよ」
態度は冷たいのに言葉は優しい。
太腿を撫でていた指先がつ……と移動して秘唇に届き、確かめる様に下から上へ撫で上げると指先にとろりとした蜜が乗る。
「俺の精を受けた後、まだ濡らしていたんだね。それとも今こうされていて泣いている振りをして、本当は感じている?」
酷い言葉が雅の心を掻き乱す。
「んんぅーっ、うぅーっ」
文句を言いたくても口を張り型が支配していて言葉が紡げない。口を犯す硝子の張り型は大分温まって唾液で濡れているが、その人工的な硬さだけはどうにもならない。
「まだ何か文句があるの?」
いきなり宗一郎の指が二本ずぶりと侵入して来て、額の裏側にじんとした痺れがして眩暈がする。このまま血液が顔に集まりすぎて頭が破裂してしまうのではないかと思えてきた。
「んんふぅ」
「それにしてもさっきは随分と感じていたね。見られていたのがそんなに良かった? それとも叩かれたのが?」
ぬくぬくと指が挿し入れされ、肉壁をこすってゆく。
酷い言葉を言われて傷付いているのに、体は素直に反応して熱くなってしまう。そんな自分が嫌で堪らず、雅は心の痛みと快楽と二重の意味で涙を流していた。
「……んふ」
「……君、今『アホ』って言ったかい?」
スッと琥珀色の目が細められると、ずぽっと雅の口から硝子の張り型が抜かれ、それを迷いのない手つきで宗一郎は小さな孔をこじ開けて埋めていった。
「いやっ! いやぁああぁぁああぁぁあぁあぁっっっ!」
まだ大して濡れていない場所に硬い物が押し込まれて雅が悲鳴を上げる。自分の口の中にあって生温かくはなっていたものの、人体ではない物を入れられて体が震えた。
「全く呆れたね。使用人の前で折檻されて、犯されて、それでもまだ俺に反抗する意思があるんだ」
冷たい声が耳に届いて、張り型がずっぽずっぽと乱暴に抜き差しされる。感じたくないのに感じてしまい、両手で膝の裏を抱えたまま雅が涙を流して体を震わせた。
「この張り型を木製じゃなくてわざわざ硝子にした意味が分かるかい? 君の胎内が見たくてね。ああ、本当に綺麗なピンクだ」
透明な張り型越しに、見え方が屈折しつつも張り型を入れられ恥部を天井に向けた雅の中が丸見えになる。慎ましやかだった花びらは精一杯になるまで広げられ、その奥の肉襞は今まで使われていなかったのを物語る様に未開の色をしている。
「うううっ……、ひっ、うえぇっ」
眉根を寄せて顔を歪ませ、小さな鼻の穴をひくひくと広げて雅が泣きじゃくり、目からも鼻からも透明で生理的な液体が出ている。
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