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本編
第43話
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美奈穂はこの一か月の間、出来るだけ外出するよう心がけた。
『食事ももちろん大切だけど、運動を取り入れることもおススメするわ。いきなり、ランニングとか筋トレとか、激しい運動はしなくていいの。例えば……最初は毎日十分、家の近くをお散歩する、なんてどう? 気分転換も兼ねて、ね?』
食堂で食事指導を受けた際にもらったアドバイスは、食事以外のこともたくさんあった。
それを出来るだけメモしたり、わからない部分は改めて千草たちに聞いたりして、少しずつ自分の生活に取り入れている。
千草は、気分転換になるからと運動をすすめてくれた。けれど美奈穂は、長年の社畜生活で基礎体力が底辺状態な自分の現状を知ってしまい、これじゃマズいと頑張っているのだ。
とは言っても、散歩を続ける目的が体力づくりなのは半分嘘。
もう半分、いや、七割近くは別の理由で、光志に会えない寂しさを強制的に紛らわすためだったりする。
光志に会えない間、美奈穂の生活は少しずつ変化していった。
その中で最たるものと言えば、新しい仕事先が決まったことかもしれない。
彼女は、良晴たちが働いているイタリアンレストランに勤め始め、二人の推薦もあって、ホール担当として日々頑張っている。
良晴は最初、美奈穂を厨房にと推薦してくれたみたいだけど、人手が足りているからとホール担当として雇われたらしい。
でも、団体の予約が入った時には、ヘルプで材料の下準備をしてくれと店長に言われ、まさかのお願いに戸惑い、みんなの期待が嬉しいと感じた。
『美奈穂ちゃん、交代よ。十分休憩してきて』
『わ、わかりました』
一緒に働く先輩スタッフや店長はみんな優しくて、大好きな料理にも携われる。
何から何まで、前の職場とは天と地ほどの差がある環境は、美奈穂にとって驚きの連続だった。
他にも、曜日はまちまちだけど週休二日。若い女の子なんだからと夜六時には上がらせてもらえる環境のおかげで、美奈穂は数年ぶりに自分の時間を持てるようになった。
今までニュースと天気予報を流し見する程度だったテレビを見る時間も増えて、美智子から教えてもらったドラマのDVDをレンタルしたりと、心に余裕がうまれている気がする。
ブロシャが主題歌を担当しているからと見始めた推理もののドラマには、遅ればせながらすっかりハマってしまった。
他にこの一か月に起きた大きな出来事と言えば、光志たちと新居を探しに行ったことかもしれない。
レストランの仕事を始めてすぐの頃に、ようやく光志のスケジュールが空いて、いくつかの新居候補を見てまわったのだ。
最初に志郎から連絡を貰い、その二日後の日曜日に、彼が運転する車で、光志やマネージャーの倉本と一緒にあちこち走り回った。
『倉本さん、別に俺一人だけでも大丈夫ですよ? 心配せずとも、きちんと藤沢さんを自宅まで届けますから。もちろん、自宅住所を漏らす気はありませんし』
『その点を心配してついてきたわけじゃないんです。何と言いますか……光志君は自分の事に関して大雑把な面がありまして。美奈穂さんと住む新居を見るわけですから、大丈夫だとは思ってるんですが……僕も立ち会った方がいいかと』
(っ! そ、そうか。これから見に行くのは、光志さんと一緒に住む家、なんだよね……)
前の席から聞こえてくる苦笑い混じりな会話に、後部座席に座った美奈穂は一人顔を赤くする。
前から説明は受けていて、漠然と理解していたものの、人生初の同棲について他人の口から話題にあげられると途端に恥ずかしいと思ってしまう。
急に熱くなった頬をパタパタと仰ぎながら、美奈穂は声を出さずに目線を左肩へ向ける。
『…………』
目に映るのは、自分より小さい彼女の肩にもたれて眠る光志の寝顔。
寝不足だとボヤく光志に、移動中だけでもと美奈穂が言い聞かせ、休んでもらったのだ。
どうやら新曲の作詞が難航している様で、連日睡眠時間を削って悩んでいるいるらしい。
『あれ? 私が仕事してる間は……お部屋で作詞してました、よね?』
彼から話を聞いた直後、眉間に皺を寄せる恋人の姿に、美奈穂はバイト中のことを思い出し、首を傾げた。
あの時光志は、一人になる時間があれば部屋に籠っていた気がする。
『してたけど、納得いく歌詞が出来ない』
『だから言ってるじゃないですか。たまにはラブソングでもいいと』
『美奈穂への想いぶちまけた曲を、他の野郎が女に歌うなんて絶対に嫌だ!』
睡眠不足と合わせて作詞に行き詰まった光志は、車に乗り込んできた時から少しピリピリしていて、美奈穂は困惑しながらもその微妙な変化を隣で感じ取っていた。
詳しい話を聞くと、光志は美奈穂と出会って以来、思いつく歌詞のほとんどがラブソング寄りになっているみたいだ。
その歌詞を世に出すことだけは絶対に嫌だと、毎日自分と闘っている。
そう説明するマネージャーの言葉に、大真面目な顔で断固拒否を言い放つ光志。
二人のやりとりにどう反応していいかわからない美奈穂は、熱くなった顔を手で覆い隠すくらいしか出来ず、ずっとオロオロしてばかりだった。
一日かけていくつか物件を巡った結果、志郎が一押ししていたマンションへ引っ越そうという流れになった。
そこは、バイト中話題にもあがった千草たちも住んでいる場所だ。
その日、事前に連絡を受けて待っていてくれた兼治たちの家にもお邪魔させてもらって、実際住んでみての感想を聞いたり、大体は同じ間取りだという家の中も見せてもらった。
政府が番用に提供しているマンションだけあって、同棲を始めるにしろ、結婚して住むにしろ最適だと、みんなから太鼓判を押されたことが、一番の決め手かもしれない。
『セキュリティーに立地条件、そして間取りも、マネージャー的観点から見ても大丈夫かと。家賃の額も、光志君のお給料で十分払えますし』
しがない元社畜OLの美奈穂からすれば、目玉が飛び出る程、マンションの家賃は高かった。でも、それをコンスタントに払えるくらい、光志は十分すぎるお給料をもらっているらしい。
『美奈穂を養うくらいどうってこと無いくらいには稼いでるから、まかせとけ』
『っ! で、でもせっかく亜沙美さんたちに紹介してもらったお仕事なので、出来る限り続けたいです』
『別に今すぐやめろとは言ってねえよ。大変そうだと思った時には辞めていい。そう思うだけでも、心に余裕は出来るもんだ』
帰りの車内で、自信満々な態度で光志が口にしてくれた言葉。
それは、過酷な環境で仕事を経験した美奈穂には、何よりも嬉しい言葉だった。
前とは違い、今の仕事は大好きだし、やりがいも感じている。
光志に伝えたように、出来る限り続けていきたいと、彼女自身も思っている仕事だ。
そんな状況でも、“俺に甘えてくれて大丈夫だ”と、彼は正面から言ってくれた。
そのたった一言が、美奈穂の心を熱く締め付け、感動のあまり感情を昂らせていく。
『なっ!? お、おい美奈穂、何泣いてんだよ!』
『ご、ごめんなさい。その……すごく、嬉しくて』
後部座席に一緒に座っている光志が慌てふためく様子を見て、ようやく美奈穂は自分が泣いていることを知った。
慌てて涙を止めようとするけれど、焦ると余計涙は溢れてくるし、胸の奥で感じる甘い痛みはなかなか消えない。
『今まで誰一人女になびかなかったストイックロッカーが、サラっとプロポーズまがいなこと言って何泣かせてるんだか。天然って怖いですねー』
『僕は好きですよ? 美奈穂さんと出会ってからの光志君は、以前より色々と柔らかくなりましたから』
前方から聞こえる男たちの野次に、返す言葉が見つからない。
泣き続ける美奈穂は、慌てふためく光志の腕に抱かれ、久しぶりにどこかホッとする穏やかな熱を感じた。
静かに目を閉じると、トクントクンと少しリズムが違う心臓の音が二つ聞こえる。
それは次第に重なって、やがて一つの音になった。
十日ぶりに会った番の腕に抱かれ、すっかり安心した美奈穂は気づくと眠ってしまい、家に着くまでの間、光志の腕の中で穏やかな寝息を立てていた。
『食事ももちろん大切だけど、運動を取り入れることもおススメするわ。いきなり、ランニングとか筋トレとか、激しい運動はしなくていいの。例えば……最初は毎日十分、家の近くをお散歩する、なんてどう? 気分転換も兼ねて、ね?』
食堂で食事指導を受けた際にもらったアドバイスは、食事以外のこともたくさんあった。
それを出来るだけメモしたり、わからない部分は改めて千草たちに聞いたりして、少しずつ自分の生活に取り入れている。
千草は、気分転換になるからと運動をすすめてくれた。けれど美奈穂は、長年の社畜生活で基礎体力が底辺状態な自分の現状を知ってしまい、これじゃマズいと頑張っているのだ。
とは言っても、散歩を続ける目的が体力づくりなのは半分嘘。
もう半分、いや、七割近くは別の理由で、光志に会えない寂しさを強制的に紛らわすためだったりする。
光志に会えない間、美奈穂の生活は少しずつ変化していった。
その中で最たるものと言えば、新しい仕事先が決まったことかもしれない。
彼女は、良晴たちが働いているイタリアンレストランに勤め始め、二人の推薦もあって、ホール担当として日々頑張っている。
良晴は最初、美奈穂を厨房にと推薦してくれたみたいだけど、人手が足りているからとホール担当として雇われたらしい。
でも、団体の予約が入った時には、ヘルプで材料の下準備をしてくれと店長に言われ、まさかのお願いに戸惑い、みんなの期待が嬉しいと感じた。
『美奈穂ちゃん、交代よ。十分休憩してきて』
『わ、わかりました』
一緒に働く先輩スタッフや店長はみんな優しくて、大好きな料理にも携われる。
何から何まで、前の職場とは天と地ほどの差がある環境は、美奈穂にとって驚きの連続だった。
他にも、曜日はまちまちだけど週休二日。若い女の子なんだからと夜六時には上がらせてもらえる環境のおかげで、美奈穂は数年ぶりに自分の時間を持てるようになった。
今までニュースと天気予報を流し見する程度だったテレビを見る時間も増えて、美智子から教えてもらったドラマのDVDをレンタルしたりと、心に余裕がうまれている気がする。
ブロシャが主題歌を担当しているからと見始めた推理もののドラマには、遅ればせながらすっかりハマってしまった。
他にこの一か月に起きた大きな出来事と言えば、光志たちと新居を探しに行ったことかもしれない。
レストランの仕事を始めてすぐの頃に、ようやく光志のスケジュールが空いて、いくつかの新居候補を見てまわったのだ。
最初に志郎から連絡を貰い、その二日後の日曜日に、彼が運転する車で、光志やマネージャーの倉本と一緒にあちこち走り回った。
『倉本さん、別に俺一人だけでも大丈夫ですよ? 心配せずとも、きちんと藤沢さんを自宅まで届けますから。もちろん、自宅住所を漏らす気はありませんし』
『その点を心配してついてきたわけじゃないんです。何と言いますか……光志君は自分の事に関して大雑把な面がありまして。美奈穂さんと住む新居を見るわけですから、大丈夫だとは思ってるんですが……僕も立ち会った方がいいかと』
(っ! そ、そうか。これから見に行くのは、光志さんと一緒に住む家、なんだよね……)
前の席から聞こえてくる苦笑い混じりな会話に、後部座席に座った美奈穂は一人顔を赤くする。
前から説明は受けていて、漠然と理解していたものの、人生初の同棲について他人の口から話題にあげられると途端に恥ずかしいと思ってしまう。
急に熱くなった頬をパタパタと仰ぎながら、美奈穂は声を出さずに目線を左肩へ向ける。
『…………』
目に映るのは、自分より小さい彼女の肩にもたれて眠る光志の寝顔。
寝不足だとボヤく光志に、移動中だけでもと美奈穂が言い聞かせ、休んでもらったのだ。
どうやら新曲の作詞が難航している様で、連日睡眠時間を削って悩んでいるいるらしい。
『あれ? 私が仕事してる間は……お部屋で作詞してました、よね?』
彼から話を聞いた直後、眉間に皺を寄せる恋人の姿に、美奈穂はバイト中のことを思い出し、首を傾げた。
あの時光志は、一人になる時間があれば部屋に籠っていた気がする。
『してたけど、納得いく歌詞が出来ない』
『だから言ってるじゃないですか。たまにはラブソングでもいいと』
『美奈穂への想いぶちまけた曲を、他の野郎が女に歌うなんて絶対に嫌だ!』
睡眠不足と合わせて作詞に行き詰まった光志は、車に乗り込んできた時から少しピリピリしていて、美奈穂は困惑しながらもその微妙な変化を隣で感じ取っていた。
詳しい話を聞くと、光志は美奈穂と出会って以来、思いつく歌詞のほとんどがラブソング寄りになっているみたいだ。
その歌詞を世に出すことだけは絶対に嫌だと、毎日自分と闘っている。
そう説明するマネージャーの言葉に、大真面目な顔で断固拒否を言い放つ光志。
二人のやりとりにどう反応していいかわからない美奈穂は、熱くなった顔を手で覆い隠すくらいしか出来ず、ずっとオロオロしてばかりだった。
一日かけていくつか物件を巡った結果、志郎が一押ししていたマンションへ引っ越そうという流れになった。
そこは、バイト中話題にもあがった千草たちも住んでいる場所だ。
その日、事前に連絡を受けて待っていてくれた兼治たちの家にもお邪魔させてもらって、実際住んでみての感想を聞いたり、大体は同じ間取りだという家の中も見せてもらった。
政府が番用に提供しているマンションだけあって、同棲を始めるにしろ、結婚して住むにしろ最適だと、みんなから太鼓判を押されたことが、一番の決め手かもしれない。
『セキュリティーに立地条件、そして間取りも、マネージャー的観点から見ても大丈夫かと。家賃の額も、光志君のお給料で十分払えますし』
しがない元社畜OLの美奈穂からすれば、目玉が飛び出る程、マンションの家賃は高かった。でも、それをコンスタントに払えるくらい、光志は十分すぎるお給料をもらっているらしい。
『美奈穂を養うくらいどうってこと無いくらいには稼いでるから、まかせとけ』
『っ! で、でもせっかく亜沙美さんたちに紹介してもらったお仕事なので、出来る限り続けたいです』
『別に今すぐやめろとは言ってねえよ。大変そうだと思った時には辞めていい。そう思うだけでも、心に余裕は出来るもんだ』
帰りの車内で、自信満々な態度で光志が口にしてくれた言葉。
それは、過酷な環境で仕事を経験した美奈穂には、何よりも嬉しい言葉だった。
前とは違い、今の仕事は大好きだし、やりがいも感じている。
光志に伝えたように、出来る限り続けていきたいと、彼女自身も思っている仕事だ。
そんな状況でも、“俺に甘えてくれて大丈夫だ”と、彼は正面から言ってくれた。
そのたった一言が、美奈穂の心を熱く締め付け、感動のあまり感情を昂らせていく。
『なっ!? お、おい美奈穂、何泣いてんだよ!』
『ご、ごめんなさい。その……すごく、嬉しくて』
後部座席に一緒に座っている光志が慌てふためく様子を見て、ようやく美奈穂は自分が泣いていることを知った。
慌てて涙を止めようとするけれど、焦ると余計涙は溢れてくるし、胸の奥で感じる甘い痛みはなかなか消えない。
『今まで誰一人女になびかなかったストイックロッカーが、サラっとプロポーズまがいなこと言って何泣かせてるんだか。天然って怖いですねー』
『僕は好きですよ? 美奈穂さんと出会ってからの光志君は、以前より色々と柔らかくなりましたから』
前方から聞こえる男たちの野次に、返す言葉が見つからない。
泣き続ける美奈穂は、慌てふためく光志の腕に抱かれ、久しぶりにどこかホッとする穏やかな熱を感じた。
静かに目を閉じると、トクントクンと少しリズムが違う心臓の音が二つ聞こえる。
それは次第に重なって、やがて一つの音になった。
十日ぶりに会った番の腕に抱かれ、すっかり安心した美奈穂は気づくと眠ってしまい、家に着くまでの間、光志の腕の中で穏やかな寝息を立てていた。
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