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本編
第20話
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朝っぱらから不躾な爆弾を放った兼治は、その場にいた美奈穂以外の女性陣からお灸をすえられた。
しかも、同性の良晴と哲夫には呆れられ、光志からは終始冷たい視線を向けられる。
「あ、あのっ! そこまでしなくても……」
「藤沢さん。美奈穂さんの耳を塞いでください」
(え? え? ええっ!?)
千草から許可を貰った女性陣は、ゲシゲシと兼治の脛を蹴って攻撃を続ける。
そんな先輩たちの姿に、美奈穂は慌てふためくばかり。
彼女の耳は、スタッフリーダーの声に頷いた光志によって、すぐさま音を切り離される。
男たちの連携作業は、無音の世界に迷い込んだ美奈穂を余計に狼狽えさせるだけ。
『……えっ。藤沢、お前……もしかしなくても、ヤっちゃった?』
兼治がさっき光志に向けて言った言葉を、自分以外全員が非難している。
恋愛、性の経験がゼロの美奈穂でも、これだけはわかった。
でも、初心な彼女の頭脳では“ヤる”の意味まではわからなかった。
それから、急いで部屋を出る支度をした美奈穂は、光志たちと一緒に調理場へ向かう。
参加者に見つからないように、一旦美奈穂と光志は死角に隠れ、賑やかさがおさまるのを待った。
そして参加者たちと入れ替わるように、閉鎖した食堂へ移動すれば、裏方メンバー達の朝食が始まった。
「美奈穂ちゃん。無理はしなくていいけれど、これから少しずつ食べられる量を増やしていきましょうね。仕込みがあるからって急がず、自分のペースで大丈夫だから」
和やかにそばにいる人達と談笑をしつつ食事をする。
そんな最中、耳元で囁く千草の声に、美奈穂の心臓は思わずドキリと脈を打つ。
まさかと思いつつ、ぎこちなく隣を向けば「全部お見通しなんだから」と言わんばかりの笑顔がそこにあった、
「やっぱり……わかります?」
「もちろん。これからは、自分を可愛く見せるために技術を磨いてね」
そう言って千草は、箸を持っていない左手人差し指で、自分の目元を突く。
彼女の仕草に、美奈穂は脱帽するしかなく、決して大きくない身体をさらに縮こませながら素直に頷いた。
どうやら優秀なお医者様には、会社員時代から磨いてきた隈隠しメイクは通用しないらしい。
朝食を食べた美奈穂は、美智子たちの前で宣言した通り、昼食の仕込みをするため調理場へ向かう。
先にご飯を食べ終えた先輩たちは、既に作業真っ最中だ。
固定メンバー以外は、昨日掃除部門で活躍していた人が多い。
昨日と違う顔ぶれに新鮮さを感じながら、美奈穂は手を綺麗に洗う。
すると、今日は迷惑をかけないぞと、自然に気合が入った。
(光志さん……今頃、何してるのかな)
昨日と同じように、食材の下ごしらえを頼まれた美奈穂は、野菜の皮むきに精を出す。
だけど彼女の視線は、気を抜くとつい廊下へ繋がるドアの方を向いてしまう。
心の片隅にしっかり根付き始めた光志への想いが、調理に集中したい気持ちを押しのけ、前に出てくるせいだ。
『だから、俺も調理場で作業するっての! 皿洗いでも何でもいいから』
『ダメなもんは、ダメ。ぜーったいに、ダ、メ!』
数十分前。美奈穂が残した朝食を、自分の胃袋へ掻き込んだ光志が、調理場の手伝いをすると強く主張していた。
だけど、彼の願いは志郎によって何度も、そして即却下される。
理由の大半は、昨日医務室から移動する最中、二人が言い合っていたものばかり。
裏方の事情を少し知ったと言っても、参加者に、ましてや芸能人に手伝いなどさせられない、とのことだ。
結局、食堂に居座ろうとする光志は、志郎を筆頭とした役人男性たちによって強制的に追い出されてしまった。
部屋で大人しく新曲の歌詞を考える。そう伝言を預かったと志郎から聞いた美奈穂は、安堵する反面、寂しさをおぼえた。
その想いに引きずられ、つい向けてしまう視線。もう何度目かわからないそれに自ら苦笑した美奈穂は、小さく頭を振って今度こそ意識を切り替えた。
短期バイト二日目は、初日の反動かと思うほど平和な時間が流れていった。
昨日同様、美奈穂は先輩たちの補佐役にまわり、調理場内をパタパタと走り回る。
その忙しなさに、何度額の汗をぬぐったかわからない。だけど、それを心地よく思うほどに、彼女の心には余裕が出始めたのかもしれない。
「美奈穂ちゃん、休憩しよう」
「えっと……それじゃあ、お言葉に甘えて」
「あーもう限界! 美奈穂ちゃん、お茶飲もう、お茶!」
「うえっ!? は、はいっ!」
午前、午後、そして夜。計三回調理場で走り回ったはずなのに、思ったより疲れを感じなかった。
理由はきっと、全体の休憩時間以外にも、先輩スタッフ達が交代で灼熱地獄から連れ出してくれたおかげだろう。
最初は言われるまま、素直に先輩の言葉を受け入れていた美奈穂も、あきらかに自分だけ休憩回数が多い事実に気づき、次第に首を傾げるようになった。
最後の方は、強制的に休まされていた気がする。
「ここでは、一番経験が浅いかもしれません。でも、この中では一番体力があります。だから、皆さんの代わりに仕込みをどんどんしますから、私に構わず皆さんこそ休んでくださいね」
スタッフの中では唯一の二十代。
休憩中、若さをアピールしようとグッと腕を曲げ、微々たる力こぶをみんなの前で作ってみた。
すると、笑顔の美奈穂を前にしたスタッフ達の視線が、一斉に生ぬるくなる。
それはどこか悟りを開いたような菩薩のごとき優しい視線。
必死に背伸びをする子供を見守るような視線が「もっと頼ってください!」とアピールする美奈穂を見つめる。
「そのポーズは、藤沢くんの前でやらない方がいいよ」
「……? どうしてですか?」
「そんな可愛いポーズしちゃったら……きっと美奈穂ちゃん、しばらく動けなくなるだろうから」
冷えた麦茶を飲みながら、一緒に休憩していた女性スタッフさんが、不意にそんなことを言った。
彼女の言葉を聞き、しばらくポカンと呆けた美奈穂は、無い力こぶを必死に作ろうと曲げた腕をゆっくり見つめる。
「笑われる、とかじゃなくてですか?」
「……藤沢くん、頑張って!」
「……?」
精一杯な強がりを見せたら、七十パーセントくらいの確率で笑われそうな気がする。
なんて、少しばかり冷静になって首を傾げる美奈穂。
その時、ふと調理場から誰かに見られている気がした。
違和感気づいて振り返ってみれば、一生懸命仕込みをしていた先輩たちが優しげな視線をこっちへ向けている。
その真意、そして部屋に引きこもっている光志へのエールの意味。その二つが持つ同じ意味合いを、無垢な彼女は知りもせず、首を傾げてばかりだった。
しかも、同性の良晴と哲夫には呆れられ、光志からは終始冷たい視線を向けられる。
「あ、あのっ! そこまでしなくても……」
「藤沢さん。美奈穂さんの耳を塞いでください」
(え? え? ええっ!?)
千草から許可を貰った女性陣は、ゲシゲシと兼治の脛を蹴って攻撃を続ける。
そんな先輩たちの姿に、美奈穂は慌てふためくばかり。
彼女の耳は、スタッフリーダーの声に頷いた光志によって、すぐさま音を切り離される。
男たちの連携作業は、無音の世界に迷い込んだ美奈穂を余計に狼狽えさせるだけ。
『……えっ。藤沢、お前……もしかしなくても、ヤっちゃった?』
兼治がさっき光志に向けて言った言葉を、自分以外全員が非難している。
恋愛、性の経験がゼロの美奈穂でも、これだけはわかった。
でも、初心な彼女の頭脳では“ヤる”の意味まではわからなかった。
それから、急いで部屋を出る支度をした美奈穂は、光志たちと一緒に調理場へ向かう。
参加者に見つからないように、一旦美奈穂と光志は死角に隠れ、賑やかさがおさまるのを待った。
そして参加者たちと入れ替わるように、閉鎖した食堂へ移動すれば、裏方メンバー達の朝食が始まった。
「美奈穂ちゃん。無理はしなくていいけれど、これから少しずつ食べられる量を増やしていきましょうね。仕込みがあるからって急がず、自分のペースで大丈夫だから」
和やかにそばにいる人達と談笑をしつつ食事をする。
そんな最中、耳元で囁く千草の声に、美奈穂の心臓は思わずドキリと脈を打つ。
まさかと思いつつ、ぎこちなく隣を向けば「全部お見通しなんだから」と言わんばかりの笑顔がそこにあった、
「やっぱり……わかります?」
「もちろん。これからは、自分を可愛く見せるために技術を磨いてね」
そう言って千草は、箸を持っていない左手人差し指で、自分の目元を突く。
彼女の仕草に、美奈穂は脱帽するしかなく、決して大きくない身体をさらに縮こませながら素直に頷いた。
どうやら優秀なお医者様には、会社員時代から磨いてきた隈隠しメイクは通用しないらしい。
朝食を食べた美奈穂は、美智子たちの前で宣言した通り、昼食の仕込みをするため調理場へ向かう。
先にご飯を食べ終えた先輩たちは、既に作業真っ最中だ。
固定メンバー以外は、昨日掃除部門で活躍していた人が多い。
昨日と違う顔ぶれに新鮮さを感じながら、美奈穂は手を綺麗に洗う。
すると、今日は迷惑をかけないぞと、自然に気合が入った。
(光志さん……今頃、何してるのかな)
昨日と同じように、食材の下ごしらえを頼まれた美奈穂は、野菜の皮むきに精を出す。
だけど彼女の視線は、気を抜くとつい廊下へ繋がるドアの方を向いてしまう。
心の片隅にしっかり根付き始めた光志への想いが、調理に集中したい気持ちを押しのけ、前に出てくるせいだ。
『だから、俺も調理場で作業するっての! 皿洗いでも何でもいいから』
『ダメなもんは、ダメ。ぜーったいに、ダ、メ!』
数十分前。美奈穂が残した朝食を、自分の胃袋へ掻き込んだ光志が、調理場の手伝いをすると強く主張していた。
だけど、彼の願いは志郎によって何度も、そして即却下される。
理由の大半は、昨日医務室から移動する最中、二人が言い合っていたものばかり。
裏方の事情を少し知ったと言っても、参加者に、ましてや芸能人に手伝いなどさせられない、とのことだ。
結局、食堂に居座ろうとする光志は、志郎を筆頭とした役人男性たちによって強制的に追い出されてしまった。
部屋で大人しく新曲の歌詞を考える。そう伝言を預かったと志郎から聞いた美奈穂は、安堵する反面、寂しさをおぼえた。
その想いに引きずられ、つい向けてしまう視線。もう何度目かわからないそれに自ら苦笑した美奈穂は、小さく頭を振って今度こそ意識を切り替えた。
短期バイト二日目は、初日の反動かと思うほど平和な時間が流れていった。
昨日同様、美奈穂は先輩たちの補佐役にまわり、調理場内をパタパタと走り回る。
その忙しなさに、何度額の汗をぬぐったかわからない。だけど、それを心地よく思うほどに、彼女の心には余裕が出始めたのかもしれない。
「美奈穂ちゃん、休憩しよう」
「えっと……それじゃあ、お言葉に甘えて」
「あーもう限界! 美奈穂ちゃん、お茶飲もう、お茶!」
「うえっ!? は、はいっ!」
午前、午後、そして夜。計三回調理場で走り回ったはずなのに、思ったより疲れを感じなかった。
理由はきっと、全体の休憩時間以外にも、先輩スタッフ達が交代で灼熱地獄から連れ出してくれたおかげだろう。
最初は言われるまま、素直に先輩の言葉を受け入れていた美奈穂も、あきらかに自分だけ休憩回数が多い事実に気づき、次第に首を傾げるようになった。
最後の方は、強制的に休まされていた気がする。
「ここでは、一番経験が浅いかもしれません。でも、この中では一番体力があります。だから、皆さんの代わりに仕込みをどんどんしますから、私に構わず皆さんこそ休んでくださいね」
スタッフの中では唯一の二十代。
休憩中、若さをアピールしようとグッと腕を曲げ、微々たる力こぶをみんなの前で作ってみた。
すると、笑顔の美奈穂を前にしたスタッフ達の視線が、一斉に生ぬるくなる。
それはどこか悟りを開いたような菩薩のごとき優しい視線。
必死に背伸びをする子供を見守るような視線が「もっと頼ってください!」とアピールする美奈穂を見つめる。
「そのポーズは、藤沢くんの前でやらない方がいいよ」
「……? どうしてですか?」
「そんな可愛いポーズしちゃったら……きっと美奈穂ちゃん、しばらく動けなくなるだろうから」
冷えた麦茶を飲みながら、一緒に休憩していた女性スタッフさんが、不意にそんなことを言った。
彼女の言葉を聞き、しばらくポカンと呆けた美奈穂は、無い力こぶを必死に作ろうと曲げた腕をゆっくり見つめる。
「笑われる、とかじゃなくてですか?」
「……藤沢くん、頑張って!」
「……?」
精一杯な強がりを見せたら、七十パーセントくらいの確率で笑われそうな気がする。
なんて、少しばかり冷静になって首を傾げる美奈穂。
その時、ふと調理場から誰かに見られている気がした。
違和感気づいて振り返ってみれば、一生懸命仕込みをしていた先輩たちが優しげな視線をこっちへ向けている。
その真意、そして部屋に引きこもっている光志へのエールの意味。その二つが持つ同じ意味合いを、無垢な彼女は知りもせず、首を傾げてばかりだった。
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