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209話 不穏
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やっぱり落ち着かないな。せっかくお部屋まで用意して貰ったのに……
ベッドに横になって瞼を閉じてはみるものの、一向に眠気は訪れてくれない。疲れてるはずなんだけどな。これは前にも体験した、緊張と興奮のせいで体がリラックス状態になってくれないってやつだろう。こういう時はいくら眠ろうと頑張っても無理なんだよね。
私とジェフェリーさんは次にセドリックさんからの呼び出しがかかるまで、体を休めておくようにと言われている。眠れなくても大人しくしていないと。
寝転んだ体勢のまま首だけを動かした。なんとなく部屋の中を見渡してみる。ここは住み込みで働いている使用人たちにあてがわれる部屋のひとつだ。私は自宅からお屋敷に通っているので使ったことはなかった。けれどいつか、見習いを卒業したら……正式にクレハ様の専属としてお仕えすることが叶ったら、私もお屋敷に住み込みで働けないかとお願いしてみようと思っていたりする。
「……ニコラさんは住み込みだったっけ」
基本的に使用人の部屋は1階にある。そして殆どが相部屋だ。フィオナ様付きの侍女であるニコラさんにはそれが当てはまらず、彼女の部屋は2階の個室だった。王宮でもそうだったけど、使用人の中でも役職や立場によって明確に待遇の差が存在しているのだ。
ニコラさんは体調不良を理由にして何日も自室に篭っていたと聞いたけど……いくら個室だからってルーイ先生が指摘するまで誰もニコラさんがいなくなっているの気付かないなんて不自然ではないだろうか。体調が悪い人をひとりで放置するのもあり得ない。食事を運んだり身の回りの世話をするために、誰かしら部屋を訪れていたはずだ。ニコラさんの失踪には本人以外の第三者の存在を強く感じてしまう。ニコラさんについて考えだしたら止まらなくなりそうだった。もう眠るのは完全に諦めたからいいけど……。更に長考に沈みそうになっていた私を引き上げたのは、静かな室内に響き渡る空腹を訴える音だった。
「お腹空いたかも……」
そういえば朝から何も食べていない。意識するとますます空腹感が強くなってしまう。ちょっとだけなら厨房に行ってもいいかな。いや、むしろ今のうちに行くべきじゃないか。セドリックさんに命じられた『体を休ませろ』の中には腹ごしらえも含まれていると思う。
厨房はこの部屋からそう離れていない。パンをひとつふたつ貰ってくるくらいなら数分程度で十分だ。考えがまとまると、私は寝そべっていた体を起き上がらせた。
静かにゆっくりと扉を開けて外の様子を伺う。部屋の前の廊下には誰もいない。悪いことをしているわけではないのでこそこそする必要はないのだけど、お腹が空いて我慢ができなかったというのがちょっぴり恥ずかしかった。手早く用事を済ませて帰ろう。厨房に向かって小走りしようとしたその時だ。
「あ、ちょっとそこのキミ」
「!?」
背後から声をかけられた。周囲に人がいないのを確認した直後のことだったので驚いた。心臓がバクバクと早鐘を打つ。完全に油断していた。恐る恐る振り向くと、そこには軍服を着た若い男性が立っていたのだ。
「ごめんね。びっくりさせちゃったかな。キミ、ここのお屋敷で働いてる子だよね?」
声をかけてきたのはこの人で間違いないようだ。王宮警備隊の隊服……今の自分には見慣れたものになりつつある服装だ。紺色ということは『とまり木』の人ではない。セドリックさん達が着ている隊服は黒色だから、この男性は別の隊ということになる。唯一の例外がふたつの隊に属しているクライヴさんだが、彼のような場合は特殊で、通常所属できる隊はひとつ。隊服も同様だ。
「怪しいもんじゃないよ。ほらこの格好……軍人さんだよ。ここのお屋敷で事件があったから来たの」
問い掛けに答えない私を無視して男性は話を続ける。服装は確かに警備隊の物だ。それに、事件があったことも知っている。セドリックさんが要請した応援の方だろうか。もう一度男性の見た目をじっくりと眺めてみた。やはり服装におかしな所は無いと思う。でもなんだろう……この上手く言葉にできない気持ち悪い感じ。
「ねぇ、なんか言えよ。もしかして口がきけないわけ?」
返事が返ってこないことにイラついてきたのか、男性の口調が荒くなっていく。どこの隊だろう。王宮で会った警備隊の人たちはみんな優しくて、このような態度を取られたことがないから怖気付いてしまう。
「……警備隊の人ですか?」
「なんだよ、喋れるじゃん。そうだよ、二番隊」
二番隊……あの女性隊長さんのところだ。セドリックさんに付き添われて王宮に初めて訪れた時、リザベット橋の警護を行っていたのが二番隊だった。隊長さんの名前はベアトリス・クレールさん。
私が返事をしたことで気を良くしたのか、男性はニヤリと笑った。いつの間にこんなに近くに来ていたのだろう。目と鼻の先に男性の顔がある。離れたいのに恐怖で体がすくんで動けない。他の隊員はいないのかな。応援で来たのがたったひとりなんて事はないはず。どこかおかしい。
「それで聞きたいんだけど。女の子が閉じ込められてるってのはどこの部屋かな?」
「女の子って……」
「お偉いさんにケガさせて捕まってるんでしょ。かなり凶暴だとか……オレも見張りの手伝いしようと思って」
カレンのことだ。この人、カレンのいる場所を私から聞き出そうとしている。彼女は現在どこにいるのか……ミシェルさんが見張りをしているとは聞いたけど、私も場所までは教えて貰っていなかった。なので聞かれても答えられない。仮に知っていたとしても、この自称軍人に教えるのは憚られた。
人に物を尋ねているにも関わらず、自身は名前すら名乗っていない。そもそもカレンの居場所なんてセドリックさんに直接聞けばすむ話だろう。私のような子供にわざわざ聞く必要はない。おかしいと感じてはいたけど、やっぱりこの人――
「まただんまりなの? 知らないなら……」
「そこで何をしてる」
男性の言葉を遮るように、別の人間の声が重なった。驚きはしたけど先ほどのような恐怖は全く感じなかった。後から聞こえたその声は……私がよく知っている人のものだったから。
「見慣れない顔だな」
「えっと……オレは」
男性はしどろもどろしだした。応援で来た警備隊の人ならこんな反応をするはずがない。
「所属と名を名乗れ。まだ上長からの指示は出ていないはずだぞ」
レオン殿下直属の部隊兵……数多の軍人から選ばれた精鋭。彼は現在クレハ様の警護をしている。どうして……王宮にいるはずなのに。様々な疑問が一気に湧き上がってきたけれど、考える余裕は無かった。さっきまで怖くてたまらなかったのが嘘のように安堵感に包まれる。私は叫ぶように彼の名前を呼んだ。
「レナードさんっ……!!」
ベッドに横になって瞼を閉じてはみるものの、一向に眠気は訪れてくれない。疲れてるはずなんだけどな。これは前にも体験した、緊張と興奮のせいで体がリラックス状態になってくれないってやつだろう。こういう時はいくら眠ろうと頑張っても無理なんだよね。
私とジェフェリーさんは次にセドリックさんからの呼び出しがかかるまで、体を休めておくようにと言われている。眠れなくても大人しくしていないと。
寝転んだ体勢のまま首だけを動かした。なんとなく部屋の中を見渡してみる。ここは住み込みで働いている使用人たちにあてがわれる部屋のひとつだ。私は自宅からお屋敷に通っているので使ったことはなかった。けれどいつか、見習いを卒業したら……正式にクレハ様の専属としてお仕えすることが叶ったら、私もお屋敷に住み込みで働けないかとお願いしてみようと思っていたりする。
「……ニコラさんは住み込みだったっけ」
基本的に使用人の部屋は1階にある。そして殆どが相部屋だ。フィオナ様付きの侍女であるニコラさんにはそれが当てはまらず、彼女の部屋は2階の個室だった。王宮でもそうだったけど、使用人の中でも役職や立場によって明確に待遇の差が存在しているのだ。
ニコラさんは体調不良を理由にして何日も自室に篭っていたと聞いたけど……いくら個室だからってルーイ先生が指摘するまで誰もニコラさんがいなくなっているの気付かないなんて不自然ではないだろうか。体調が悪い人をひとりで放置するのもあり得ない。食事を運んだり身の回りの世話をするために、誰かしら部屋を訪れていたはずだ。ニコラさんの失踪には本人以外の第三者の存在を強く感じてしまう。ニコラさんについて考えだしたら止まらなくなりそうだった。もう眠るのは完全に諦めたからいいけど……。更に長考に沈みそうになっていた私を引き上げたのは、静かな室内に響き渡る空腹を訴える音だった。
「お腹空いたかも……」
そういえば朝から何も食べていない。意識するとますます空腹感が強くなってしまう。ちょっとだけなら厨房に行ってもいいかな。いや、むしろ今のうちに行くべきじゃないか。セドリックさんに命じられた『体を休ませろ』の中には腹ごしらえも含まれていると思う。
厨房はこの部屋からそう離れていない。パンをひとつふたつ貰ってくるくらいなら数分程度で十分だ。考えがまとまると、私は寝そべっていた体を起き上がらせた。
静かにゆっくりと扉を開けて外の様子を伺う。部屋の前の廊下には誰もいない。悪いことをしているわけではないのでこそこそする必要はないのだけど、お腹が空いて我慢ができなかったというのがちょっぴり恥ずかしかった。手早く用事を済ませて帰ろう。厨房に向かって小走りしようとしたその時だ。
「あ、ちょっとそこのキミ」
「!?」
背後から声をかけられた。周囲に人がいないのを確認した直後のことだったので驚いた。心臓がバクバクと早鐘を打つ。完全に油断していた。恐る恐る振り向くと、そこには軍服を着た若い男性が立っていたのだ。
「ごめんね。びっくりさせちゃったかな。キミ、ここのお屋敷で働いてる子だよね?」
声をかけてきたのはこの人で間違いないようだ。王宮警備隊の隊服……今の自分には見慣れたものになりつつある服装だ。紺色ということは『とまり木』の人ではない。セドリックさん達が着ている隊服は黒色だから、この男性は別の隊ということになる。唯一の例外がふたつの隊に属しているクライヴさんだが、彼のような場合は特殊で、通常所属できる隊はひとつ。隊服も同様だ。
「怪しいもんじゃないよ。ほらこの格好……軍人さんだよ。ここのお屋敷で事件があったから来たの」
問い掛けに答えない私を無視して男性は話を続ける。服装は確かに警備隊の物だ。それに、事件があったことも知っている。セドリックさんが要請した応援の方だろうか。もう一度男性の見た目をじっくりと眺めてみた。やはり服装におかしな所は無いと思う。でもなんだろう……この上手く言葉にできない気持ち悪い感じ。
「ねぇ、なんか言えよ。もしかして口がきけないわけ?」
返事が返ってこないことにイラついてきたのか、男性の口調が荒くなっていく。どこの隊だろう。王宮で会った警備隊の人たちはみんな優しくて、このような態度を取られたことがないから怖気付いてしまう。
「……警備隊の人ですか?」
「なんだよ、喋れるじゃん。そうだよ、二番隊」
二番隊……あの女性隊長さんのところだ。セドリックさんに付き添われて王宮に初めて訪れた時、リザベット橋の警護を行っていたのが二番隊だった。隊長さんの名前はベアトリス・クレールさん。
私が返事をしたことで気を良くしたのか、男性はニヤリと笑った。いつの間にこんなに近くに来ていたのだろう。目と鼻の先に男性の顔がある。離れたいのに恐怖で体がすくんで動けない。他の隊員はいないのかな。応援で来たのがたったひとりなんて事はないはず。どこかおかしい。
「それで聞きたいんだけど。女の子が閉じ込められてるってのはどこの部屋かな?」
「女の子って……」
「お偉いさんにケガさせて捕まってるんでしょ。かなり凶暴だとか……オレも見張りの手伝いしようと思って」
カレンのことだ。この人、カレンのいる場所を私から聞き出そうとしている。彼女は現在どこにいるのか……ミシェルさんが見張りをしているとは聞いたけど、私も場所までは教えて貰っていなかった。なので聞かれても答えられない。仮に知っていたとしても、この自称軍人に教えるのは憚られた。
人に物を尋ねているにも関わらず、自身は名前すら名乗っていない。そもそもカレンの居場所なんてセドリックさんに直接聞けばすむ話だろう。私のような子供にわざわざ聞く必要はない。おかしいと感じてはいたけど、やっぱりこの人――
「まただんまりなの? 知らないなら……」
「そこで何をしてる」
男性の言葉を遮るように、別の人間の声が重なった。驚きはしたけど先ほどのような恐怖は全く感じなかった。後から聞こえたその声は……私がよく知っている人のものだったから。
「見慣れない顔だな」
「えっと……オレは」
男性はしどろもどろしだした。応援で来た警備隊の人ならこんな反応をするはずがない。
「所属と名を名乗れ。まだ上長からの指示は出ていないはずだぞ」
レオン殿下直属の部隊兵……数多の軍人から選ばれた精鋭。彼は現在クレハ様の警護をしている。どうして……王宮にいるはずなのに。様々な疑問が一気に湧き上がってきたけれど、考える余裕は無かった。さっきまで怖くてたまらなかったのが嘘のように安堵感に包まれる。私は叫ぶように彼の名前を呼んだ。
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