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173話 直感
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ルーイ先生はまだ諦めていないのか、じとりとした目で俺を見つめ続けていた。そんな態度を取っていても無駄である。決定は変わらない。
「先生、いつまでもそのような顔をなさらないで下さい。男前が台無しですよ」
「セディは狡いよ」
「どこがです? 真面目にお仕事をして下さったら、ちゃんとご褒美は差し上げますよ」
「そんな風にエサちらつかせられたら、お前の言いなりになるしかねーじゃん。俺を手玉に取ろうとは恐れ入ったよ……」
先生の声色が一段階低くなる。この僅かな変化を感じ取り、全身に緊張が走った。手玉に取るだなんて……そんなつもりは全く無かったのだけど。
開いていたお互いの距離を再度縮めるため、先生は長い足を踏み出した。俺たちは至近距離で向かい合う。
「やっぱり無理でした、なんて言っても聞かないからな。泣いてもやめてやらない。覚悟しとけ」
「誰が泣くか。望むところです」
朝っぱらから何をやっているんだろうか……。後々冷静になってこの時のやり取りを思い出し、顔から火が出そうなほどの羞恥に襲われることになるのだが。残念ながらこの時の俺は、先生と共に変なテンションになっていたため、思い及ばなかったのだった。
不毛な睨み合いをしていると、部屋の扉をノックする音が鳴り響く。更に間を置かずに若い女性の声も続いた。
「ルーイ先生、ミシェルです。朝食をお持ちしたのですけど……もうお目覚めですか?」
「ミシェル……」
声の主は俺の部下、ミシェル・バスラーだった。彼女の発した『朝食』という単語に慌てて時計を確認すると、俺が先生の部屋を訪れてからかなりの時間が経過していたことに気付く。
「ミシェルちゃん、おはよう。うん、もうとっくに起きてる。セディもいるよ」
「えっ、セドリックさんも? あぁ……なるほど、そういう……えっと、私出直した方が良いです? 30分くらいあればいいですか」
「妙な気を回さなくていいから、さっさと入ってこい」
要らぬ配慮を受けてしまい釈然としない感情を覚えてしまうが、今更この程度のことに噛み付く気にもならなかった。実際に少し前までミシェルの勘繰りを否定できないような状況であったのだから。彼女が来るのがあと数分早かったら危なかったな。いつぞやの店での失態を再現してしまう所だった。
ミシェルが来たことで先生とふたりきりではなくなり、情けないが安堵してしまう。口から大きなため息が溢れた。そんな俺に向かって先生が小さな声で呼びかける。
「セディ、約束……絶対守れよ」
「……もちろんです」
ご褒美への食い付きが尋常ではない。ちょっと、いやかなり引く。しかし、当然だが約束は守る。ご褒美はしっかり準備するつもりだ。ただ、先生の想像しているものとは趣向が違うやもしれませんけれど……
「ミシェルちゃんは食べないの?」
「私は他の侍女達と一緒に後で頂きますから、気になさらないで下さい」
「セディは……そういえば、朝はあんまり食べないんだったね」
「食べる時もありますけれど、お茶を一杯飲んで済ませてしまうことが多いですね」
「じゃあ、俺だけなの? ひとりで食べるのってなんか嫌だ。お茶だけでもいいから付き合ってよ」
ミシェルが持ってきた配膳ワゴンの上には、先生の朝食と一緒に紅茶の入ったポットも乗せられていた。ひとりは嫌だと先生がゴネるので、俺とミシェルも飲み物だけご一緒することにする。俺達がカップを手にすると、先生は満足したように用意された朝食を食べ始めた。
「ミシェル、ニコラ・イーストンについてだが、その後何か進展はあったか? 他にも気付いたことがあれば報告してくれ」
お茶を飲みながら調査の進み具合を確認する。俺と先生は朝食が済んだら、ジェフェリーさんへ聞き込みをする予定だ。ミシェルにはリズさんと協力して、引き続き侍女達から有益な情報を引き出して欲しい……が、あまりぐいぐいやり過ぎても警戒されてしまう。この塩梅が難しい。諜報はミシェルの得意分野だ。俺がとやかく言うよりは彼女の好きにさせておいた方が良いだろう。
「ええ。色々分かりましたよ。順番にお話ししますね」
ミシェルは例のバングルを取っ掛かりにし、ニコラ・イーストンのことを侍女達から聞き出したのだそうだ。若い女性ならではの話の広げ方は流石だと感心する。
「自分も同じようなアクセサリーが欲しくて~……みたいな感じで切り出してたんですけどね。その最中にニコラさんと親しくしてたって使用人と会話をすることに成功したんです。その人からかなり興味深いネタを提供して貰いました」
固唾を飲んで彼女の言葉を待つ。先生も食事をする手を一旦止め、ミシェルの話に聞き入っていた。
「ニコラさんのバングル……違う物に変わっていたらしいのです」
「違う? それは一体どういう意味なんだ」
ミシェルの言うことが要領を得ないため、順序立てて詳しく話すように促す。
「ニコラさんはもうずいぶん昔からバングルを身に付けるのを習慣付けていたそうです。でもそれはお洒落とかではなく、バングルが彼女の亡くなったお母様から頂いた大切な物だったからなんです」
「母親の形見か……」
「はい。でもそれが、ある時期を堺に別の物に変わっていたというのです。私が目撃した殿下とクレハ様のバングルと酷似していた物はそちらの方でした。ニコラさんが別のバングルを付けていたことは無かったので、その使用人も気になっていたそうです」
「何らかの理由で身に付けるのをやめた。もしくは出来なくなった……」
「今までがそうだったからって、形見なんて大事な物だろうし、無くさないようにしまっておこうって考えを変えただけかもしれないよ。クレハもそうだし」
クレハ様もアルティナ様の形見のブローチを身に付けるのはやめて、貴重品入れの中に保管しているのだそうだ。
「先生の仰ることも分かりますが、私にはあのバングル……何やら裏があるような気がしてならないのです。バングルが変わった時期も怪しくないですか?」
バングルが別の物に変わったのはフィオナ様が御乱心され、クレハ様が王宮での生活を始めた頃とほぼ同時期らしい。
長年続けていた習慣をやめるということは、それほどの理由や心境の変化があったということだろう。それがフィオナ様の件だと思いたくなってしまうけれど、バングルとどう結び付くのか……ふたつの間に関連性を見出すことができない。
「レナード君とルイス君も胸騒ぎがするとか言ってたもんねぇ。君たちは揃って勘が良さそうだから、そういう子達の忠告は無下にしない方がいいとは思うけど……どうだろう、セディ」
「ミシェル。バングルもいいが、お前がニコラ・イーストンに疑念を抱くきっかけになった彼女の不審な態度については何か分かったのか?」
クレハ様に危害を加えるどころか、彼女自身が床に伏しているような状態なのだ。我々が深読みし過ぎだったというオチも充分にあり得る。むしろそちらの方が良い。引き続き、ミシェルの報告に耳を傾けた。
「先生、いつまでもそのような顔をなさらないで下さい。男前が台無しですよ」
「セディは狡いよ」
「どこがです? 真面目にお仕事をして下さったら、ちゃんとご褒美は差し上げますよ」
「そんな風にエサちらつかせられたら、お前の言いなりになるしかねーじゃん。俺を手玉に取ろうとは恐れ入ったよ……」
先生の声色が一段階低くなる。この僅かな変化を感じ取り、全身に緊張が走った。手玉に取るだなんて……そんなつもりは全く無かったのだけど。
開いていたお互いの距離を再度縮めるため、先生は長い足を踏み出した。俺たちは至近距離で向かい合う。
「やっぱり無理でした、なんて言っても聞かないからな。泣いてもやめてやらない。覚悟しとけ」
「誰が泣くか。望むところです」
朝っぱらから何をやっているんだろうか……。後々冷静になってこの時のやり取りを思い出し、顔から火が出そうなほどの羞恥に襲われることになるのだが。残念ながらこの時の俺は、先生と共に変なテンションになっていたため、思い及ばなかったのだった。
不毛な睨み合いをしていると、部屋の扉をノックする音が鳴り響く。更に間を置かずに若い女性の声も続いた。
「ルーイ先生、ミシェルです。朝食をお持ちしたのですけど……もうお目覚めですか?」
「ミシェル……」
声の主は俺の部下、ミシェル・バスラーだった。彼女の発した『朝食』という単語に慌てて時計を確認すると、俺が先生の部屋を訪れてからかなりの時間が経過していたことに気付く。
「ミシェルちゃん、おはよう。うん、もうとっくに起きてる。セディもいるよ」
「えっ、セドリックさんも? あぁ……なるほど、そういう……えっと、私出直した方が良いです? 30分くらいあればいいですか」
「妙な気を回さなくていいから、さっさと入ってこい」
要らぬ配慮を受けてしまい釈然としない感情を覚えてしまうが、今更この程度のことに噛み付く気にもならなかった。実際に少し前までミシェルの勘繰りを否定できないような状況であったのだから。彼女が来るのがあと数分早かったら危なかったな。いつぞやの店での失態を再現してしまう所だった。
ミシェルが来たことで先生とふたりきりではなくなり、情けないが安堵してしまう。口から大きなため息が溢れた。そんな俺に向かって先生が小さな声で呼びかける。
「セディ、約束……絶対守れよ」
「……もちろんです」
ご褒美への食い付きが尋常ではない。ちょっと、いやかなり引く。しかし、当然だが約束は守る。ご褒美はしっかり準備するつもりだ。ただ、先生の想像しているものとは趣向が違うやもしれませんけれど……
「ミシェルちゃんは食べないの?」
「私は他の侍女達と一緒に後で頂きますから、気になさらないで下さい」
「セディは……そういえば、朝はあんまり食べないんだったね」
「食べる時もありますけれど、お茶を一杯飲んで済ませてしまうことが多いですね」
「じゃあ、俺だけなの? ひとりで食べるのってなんか嫌だ。お茶だけでもいいから付き合ってよ」
ミシェルが持ってきた配膳ワゴンの上には、先生の朝食と一緒に紅茶の入ったポットも乗せられていた。ひとりは嫌だと先生がゴネるので、俺とミシェルも飲み物だけご一緒することにする。俺達がカップを手にすると、先生は満足したように用意された朝食を食べ始めた。
「ミシェル、ニコラ・イーストンについてだが、その後何か進展はあったか? 他にも気付いたことがあれば報告してくれ」
お茶を飲みながら調査の進み具合を確認する。俺と先生は朝食が済んだら、ジェフェリーさんへ聞き込みをする予定だ。ミシェルにはリズさんと協力して、引き続き侍女達から有益な情報を引き出して欲しい……が、あまりぐいぐいやり過ぎても警戒されてしまう。この塩梅が難しい。諜報はミシェルの得意分野だ。俺がとやかく言うよりは彼女の好きにさせておいた方が良いだろう。
「ええ。色々分かりましたよ。順番にお話ししますね」
ミシェルは例のバングルを取っ掛かりにし、ニコラ・イーストンのことを侍女達から聞き出したのだそうだ。若い女性ならではの話の広げ方は流石だと感心する。
「自分も同じようなアクセサリーが欲しくて~……みたいな感じで切り出してたんですけどね。その最中にニコラさんと親しくしてたって使用人と会話をすることに成功したんです。その人からかなり興味深いネタを提供して貰いました」
固唾を飲んで彼女の言葉を待つ。先生も食事をする手を一旦止め、ミシェルの話に聞き入っていた。
「ニコラさんのバングル……違う物に変わっていたらしいのです」
「違う? それは一体どういう意味なんだ」
ミシェルの言うことが要領を得ないため、順序立てて詳しく話すように促す。
「ニコラさんはもうずいぶん昔からバングルを身に付けるのを習慣付けていたそうです。でもそれはお洒落とかではなく、バングルが彼女の亡くなったお母様から頂いた大切な物だったからなんです」
「母親の形見か……」
「はい。でもそれが、ある時期を堺に別の物に変わっていたというのです。私が目撃した殿下とクレハ様のバングルと酷似していた物はそちらの方でした。ニコラさんが別のバングルを付けていたことは無かったので、その使用人も気になっていたそうです」
「何らかの理由で身に付けるのをやめた。もしくは出来なくなった……」
「今までがそうだったからって、形見なんて大事な物だろうし、無くさないようにしまっておこうって考えを変えただけかもしれないよ。クレハもそうだし」
クレハ様もアルティナ様の形見のブローチを身に付けるのはやめて、貴重品入れの中に保管しているのだそうだ。
「先生の仰ることも分かりますが、私にはあのバングル……何やら裏があるような気がしてならないのです。バングルが変わった時期も怪しくないですか?」
バングルが別の物に変わったのはフィオナ様が御乱心され、クレハ様が王宮での生活を始めた頃とほぼ同時期らしい。
長年続けていた習慣をやめるということは、それほどの理由や心境の変化があったということだろう。それがフィオナ様の件だと思いたくなってしまうけれど、バングルとどう結び付くのか……ふたつの間に関連性を見出すことができない。
「レナード君とルイス君も胸騒ぎがするとか言ってたもんねぇ。君たちは揃って勘が良さそうだから、そういう子達の忠告は無下にしない方がいいとは思うけど……どうだろう、セディ」
「ミシェル。バングルもいいが、お前がニコラ・イーストンに疑念を抱くきっかけになった彼女の不審な態度については何か分かったのか?」
クレハ様に危害を加えるどころか、彼女自身が床に伏しているような状態なのだ。我々が深読みし過ぎだったというオチも充分にあり得る。むしろそちらの方が良い。引き続き、ミシェルの報告に耳を傾けた。
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