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7話 待ち人来る
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「ほーら、エミールちゃん見て。ウサギさんだよー」
「うさー?」
もうすぐ2歳になる弟にお手製のぬいぐるみをプレゼントした。出来映えは微妙だけど一生懸命作ったので遊んでくれると嬉しいな。エミールはぬいぐるみを興味深そうに眺めると、ゆっくりと手を伸ばして受け取ってくれた。
「あら、クレハお姉様に貰ったの? エミールちゃん良かったわねぇ」
後ろからお母様が覗き込んできた。エミールはぬいぐるみの耳を引っ張ったり齧ったりしている。受け取ったそばからポイって投げられなくて安心した。エミールは僅かだが言葉を喋るようになり、ひとり歩きもできるようになってきている。どちらもまだ拙いけれど、そこがまた可愛い。
「フィオナ姉様は今日もお出かけですか?」
「そうよ。今日はデリック伯爵のお屋敷にお呼ばれしてるの。2番目のお嬢様のお誕生日パーティーなんですって。フィオナちゃん大忙しねぇ」
姿が見えないと思っていたら……。つい先日もどこかの家のお茶会に出席していたのに、今度は誕生パーティー。体がいくつあっても足りなそうな姉様のスケジュールを想像して目眩がした。
「姉様は人気者ですから……」
フィオナ姉様はあちこちの茶会やパーティーに引っ張りだこだ。姉様がいるだけで周囲は花が咲いたみたいに華やかになるし、空気もキラキラして見えるのだ。同世代の令嬢達の憧れの的になっている姉様。妹の私は鼻が高い。
「でも、お誘い頂いたもの全てに参加する必要は無いのよねぇ。時には角の立たないように上手にお断りする事も大事なのよ。フィオナちゃんは楽しそうだけど、ああいう席は無意識に気を張ってしまうものだから、後から疲れが出ないといいけど……」
「私なんて前に1度出席しただけで当分は遠慮したいって思っちゃいました。美味しいお菓子が食べられるのは嬉しいんですけどね」
自分はああいう集まりは苦手だ。今はまだ子供だからいい。でもいずれは、お付き合いとして嫌でも関わっていかないといけないのでウンザリする。
「クレハちゃんは出なさ過ぎよ! お誘いが無いわけじゃないんだから、フィオナちゃんまでとは言わないけど、もう少し積極的になってみたら? お友達を作るきっかけにもなるわよ」
しまった……余計な事を言ってしまった。矛先がこっちに向かってきた。
「で、でもお母様。私はマナーとかあんまりなってないですし……ね?」
「そんなのは最低限できてればいいの! クレハちゃんはまだ小さいんだから、ちょっと失敗したくらいでネチネチ言う人なんていないわよ」
ジェムラート家の娘が貴族令嬢の集まる場で、みっともない醜態を晒すわけにはいかない……という感じで逃げようと思ったのだけど、お母様には通用しなかった。
「クレハちゃん……前に私と王宮のお茶会に行ったじゃない? 国王陛下にも上手にご挨拶できてたし、何も心配いらないわ」
お母様……あの時はいくらなんでも王妃様からのご招待をお断りする事なんてできるわけがなくて、挨拶だけでもちゃんとしようと必死に練習したからなんですよ。それもお決まりの口上を覚えただけ……本番ではちょっと噛んだし。
カミルにはちゃんとできたなんて見栄を張ったけど、実際は残念な結果だったのだ。忘れたい。そして挨拶が終わった後は、これ以上ボロを出さないようにと、隅っこで静かにお菓子を食べていたのだった。
そういえば王宮で頂いたお菓子はどれも絶品だったなぁ。ルーイ様が喜びそう。ルーイ様……あれからちっとも姿を見せてくれないけど、どうしてるかな。
「もう! クレハちゃんったら聞いてるの? 陛下なんてクレハちゃんの可愛いさにデレデレだったんだから!!」
その後もお母様のお小言は続いたが、私は例の甘党の神様のことを考えていて上の空だったのでよく覚えていなかった。
体力作りのランニングを終えた後は、ジェフェリーさんの仕事を手伝った。今日はサルビアの種を一緒に撒いた。花が咲くのは夏頃だそうで楽しみ。
あれからジェフェリーさんとはかなり打ち解ける事ができた。しかしタイミングを逃したせいか、何となく魔法について聞きづらくなってしまい、未だに言い出せずにいる。
「はぁーー……」
自室に戻るなり、大きな溜息を吐きながらベッドに倒れ込んだ。
ルーイ様なら魔法についても詳しいんだろうな……なんせ神様だし。最後に会った日からひと月経ったのだが、ルーイ様がこちらに来る事は無かった。
「ルーイ様……私のこと忘れちゃったのかな」
やっぱり、ひとりで頑張らないと駄目なんだ。ひとりで……強くならないと。
「私にも何かしら魔法が使えればいいのですが……」
「あれ、クレハ。お前魔法使えねーの?」
背後から軽い調子で声をかけられた……振り向かなくても誰か分かる。この声と口調は――
「ルーイ様!!」
「おはよう、クレハ」
「お、おはよう……ございます」
彼はひと月前と同じように、何の前触れも無くそこに現れた。前回と違うのは片手にリンゴの入った紙袋を抱えている事だ。真っ赤に色付いて艶々なそれはとても美味しそう。
「はい、これお土産!」
ルーイ様は私に紙袋を渡してきた。
「そのまま食べてもいいけど、アップルパイなんかにすると尚良いと思うよ! アップルパイとかね!!」
これはアップルパイにして欲しいという遠回しな要求だろう。後でオーバンさんにお願いしてみよう。
「ルーイ様、もう来てくださらないかと思いました」
「何で? 約束しただろ」
「だって……1ヶ月も経つのに……」
「たかが1ヶ月じゃん。俺も忙しかったんだよ。なんせ300年も眠ってたからな。世界の情勢とか、その他色々……現状把握するためにあちこち回ってたんだ」
そうだ、本来ならルーイ様はもうここに来る気は無かったのだ。それを私が無理に引き止めた。ちゃんと約束を守って来てくれたのに、責めるような言い方をしてしまった。
「ごめんなさい……」
謝罪をすると、ルーイ様は意地悪そうにニヤリと笑う。
「やだぁークレハちゃんたら、そんなに俺に会いたかったの? 照れるじゃん」
「はい……」
「は? えっ……ちょっと、そこは『そんなことないもんっ! 勘違いしないでよ』みたいな感じで否定してよ。お前素直過ぎだろ……調子狂うわー」
私は自分が思っていた以上に、この神様を頼っていたようだ。1ヶ月振りに聞く彼の声に瞳が潤んだ。
「……遅くなって悪かったな」
ルーイ様は右手で自身の頭を掻きながら、気まずそうに呟いた。
「うさー?」
もうすぐ2歳になる弟にお手製のぬいぐるみをプレゼントした。出来映えは微妙だけど一生懸命作ったので遊んでくれると嬉しいな。エミールはぬいぐるみを興味深そうに眺めると、ゆっくりと手を伸ばして受け取ってくれた。
「あら、クレハお姉様に貰ったの? エミールちゃん良かったわねぇ」
後ろからお母様が覗き込んできた。エミールはぬいぐるみの耳を引っ張ったり齧ったりしている。受け取ったそばからポイって投げられなくて安心した。エミールは僅かだが言葉を喋るようになり、ひとり歩きもできるようになってきている。どちらもまだ拙いけれど、そこがまた可愛い。
「フィオナ姉様は今日もお出かけですか?」
「そうよ。今日はデリック伯爵のお屋敷にお呼ばれしてるの。2番目のお嬢様のお誕生日パーティーなんですって。フィオナちゃん大忙しねぇ」
姿が見えないと思っていたら……。つい先日もどこかの家のお茶会に出席していたのに、今度は誕生パーティー。体がいくつあっても足りなそうな姉様のスケジュールを想像して目眩がした。
「姉様は人気者ですから……」
フィオナ姉様はあちこちの茶会やパーティーに引っ張りだこだ。姉様がいるだけで周囲は花が咲いたみたいに華やかになるし、空気もキラキラして見えるのだ。同世代の令嬢達の憧れの的になっている姉様。妹の私は鼻が高い。
「でも、お誘い頂いたもの全てに参加する必要は無いのよねぇ。時には角の立たないように上手にお断りする事も大事なのよ。フィオナちゃんは楽しそうだけど、ああいう席は無意識に気を張ってしまうものだから、後から疲れが出ないといいけど……」
「私なんて前に1度出席しただけで当分は遠慮したいって思っちゃいました。美味しいお菓子が食べられるのは嬉しいんですけどね」
自分はああいう集まりは苦手だ。今はまだ子供だからいい。でもいずれは、お付き合いとして嫌でも関わっていかないといけないのでウンザリする。
「クレハちゃんは出なさ過ぎよ! お誘いが無いわけじゃないんだから、フィオナちゃんまでとは言わないけど、もう少し積極的になってみたら? お友達を作るきっかけにもなるわよ」
しまった……余計な事を言ってしまった。矛先がこっちに向かってきた。
「で、でもお母様。私はマナーとかあんまりなってないですし……ね?」
「そんなのは最低限できてればいいの! クレハちゃんはまだ小さいんだから、ちょっと失敗したくらいでネチネチ言う人なんていないわよ」
ジェムラート家の娘が貴族令嬢の集まる場で、みっともない醜態を晒すわけにはいかない……という感じで逃げようと思ったのだけど、お母様には通用しなかった。
「クレハちゃん……前に私と王宮のお茶会に行ったじゃない? 国王陛下にも上手にご挨拶できてたし、何も心配いらないわ」
お母様……あの時はいくらなんでも王妃様からのご招待をお断りする事なんてできるわけがなくて、挨拶だけでもちゃんとしようと必死に練習したからなんですよ。それもお決まりの口上を覚えただけ……本番ではちょっと噛んだし。
カミルにはちゃんとできたなんて見栄を張ったけど、実際は残念な結果だったのだ。忘れたい。そして挨拶が終わった後は、これ以上ボロを出さないようにと、隅っこで静かにお菓子を食べていたのだった。
そういえば王宮で頂いたお菓子はどれも絶品だったなぁ。ルーイ様が喜びそう。ルーイ様……あれからちっとも姿を見せてくれないけど、どうしてるかな。
「もう! クレハちゃんったら聞いてるの? 陛下なんてクレハちゃんの可愛いさにデレデレだったんだから!!」
その後もお母様のお小言は続いたが、私は例の甘党の神様のことを考えていて上の空だったのでよく覚えていなかった。
体力作りのランニングを終えた後は、ジェフェリーさんの仕事を手伝った。今日はサルビアの種を一緒に撒いた。花が咲くのは夏頃だそうで楽しみ。
あれからジェフェリーさんとはかなり打ち解ける事ができた。しかしタイミングを逃したせいか、何となく魔法について聞きづらくなってしまい、未だに言い出せずにいる。
「はぁーー……」
自室に戻るなり、大きな溜息を吐きながらベッドに倒れ込んだ。
ルーイ様なら魔法についても詳しいんだろうな……なんせ神様だし。最後に会った日からひと月経ったのだが、ルーイ様がこちらに来る事は無かった。
「ルーイ様……私のこと忘れちゃったのかな」
やっぱり、ひとりで頑張らないと駄目なんだ。ひとりで……強くならないと。
「私にも何かしら魔法が使えればいいのですが……」
「あれ、クレハ。お前魔法使えねーの?」
背後から軽い調子で声をかけられた……振り向かなくても誰か分かる。この声と口調は――
「ルーイ様!!」
「おはよう、クレハ」
「お、おはよう……ございます」
彼はひと月前と同じように、何の前触れも無くそこに現れた。前回と違うのは片手にリンゴの入った紙袋を抱えている事だ。真っ赤に色付いて艶々なそれはとても美味しそう。
「はい、これお土産!」
ルーイ様は私に紙袋を渡してきた。
「そのまま食べてもいいけど、アップルパイなんかにすると尚良いと思うよ! アップルパイとかね!!」
これはアップルパイにして欲しいという遠回しな要求だろう。後でオーバンさんにお願いしてみよう。
「ルーイ様、もう来てくださらないかと思いました」
「何で? 約束しただろ」
「だって……1ヶ月も経つのに……」
「たかが1ヶ月じゃん。俺も忙しかったんだよ。なんせ300年も眠ってたからな。世界の情勢とか、その他色々……現状把握するためにあちこち回ってたんだ」
そうだ、本来ならルーイ様はもうここに来る気は無かったのだ。それを私が無理に引き止めた。ちゃんと約束を守って来てくれたのに、責めるような言い方をしてしまった。
「ごめんなさい……」
謝罪をすると、ルーイ様は意地悪そうにニヤリと笑う。
「やだぁークレハちゃんたら、そんなに俺に会いたかったの? 照れるじゃん」
「はい……」
「は? えっ……ちょっと、そこは『そんなことないもんっ! 勘違いしないでよ』みたいな感じで否定してよ。お前素直過ぎだろ……調子狂うわー」
私は自分が思っていた以上に、この神様を頼っていたようだ。1ヶ月振りに聞く彼の声に瞳が潤んだ。
「……遅くなって悪かったな」
ルーイ様は右手で自身の頭を掻きながら、気まずそうに呟いた。
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