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完結篇
第2話 気付くまでに⑥
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イタイ・・・イタイ・・・
頭。体。心。どこか痛いのかもわからない。
ねえ、何この気持ちなんなの。気持ち悪い。
どうすれば、収まるの。誰か教えてよ・・・教えてよ・・・
どこに行けばいいんだろう。そうだ。帰ろう。シスターサリーに。
どのくらい時間を立ったんだろう。
どう思ってくれるかな。
なんて言ってくれるかな。
やっと着いた教会が廃れている。
それに知らない男がいる。あちこちに空き瓶が散らばっている。子供もいない。どういうことだろうか。
でもそんなの関係ない。シスターサリーがいるなら。
必死に扉を叩く。
「シスター・・・」
「聖女様?」
え。なんで、聖女なんかじゃない。
ジャネットだよ。
「なんで来るんだよ」
あの一言で頭が真っ白になった。
赤かった。何もかも赤かった。
雨のおかげで赤く広がっている。
シスターや男が倒れている。
たぶん、その時の私は、切らなきゃ気が収まなかったんだ。どうしようもなく。
「これ君がやったのか」
振り返れば、男だと思ったが、よく見れば女の人だった。
「君と同じ聖女だよ。迎えに来た」
「むかえ・・・」
「聖女にとって安心なところだよ」
「今更何・・・なんで助けてくれなかったの・・・」
怒りが収まらない。
「・・・」
「なんで助けてくれなかった!どうしてルチア様を助けなかったんだ!」
怒鳴った。
攻撃しようとしたが、そのまま倒れてしまった。
もう体が動かない。
もういい。もう何もかも。
真っ黒になった。
目を覚めれば、白い部屋だった。
「やっと、起きたのね」
金の中にかすかに銀を混ざった髪。金色の目。頭に白いローブ。白いドレスに足を見せている。背中に6本の翼が背中から垂れ下がっている女がいた。
「私は、天光の聖女イヴよ。この地で収める聖女の一人よ」
この方が天光の聖女イヴ様。
ジル司祭から話しを聞いていた。聖女を治める古の聖女だと。けど、話したくなかった。
「申し訳ない。ルチアを救えることができなくて」
知ってて、助けに来なかったの。
「なんで!」
怒鳴った。
「本来なら、教会にいった聖女を保護にしないことになっているの」
「それならどうしてここに・・・」
「あなたをルチアから頼まれたの」
「え・・・」
「あの子を聖女にしてくださいって」
涙が流れた。
「本当はもっと教えたかった。あなたを聖女にちゃんと教えたかった。ただ自分が分からなくて迷っているだけです。だからお願いしますと」
「本当に・・・ルチアさんが・・・」
「ええ」
イヴ様は優しく返した。
「本当に助けられなくてごめんなさい」
イヴの中で優しく抱き、泣き続いた。
それからイヴ様から白の聖女ジャンヌ・ダルクの名をもらった。
本当に私は何も考えなくて、何も見えなかった。
教会にとって聖女は、象徴であり、救済であり、兵器でもある。
兵器をより高めるために、あらゆる開発を重ね、実験を繰り返す。
だからあの男は、ルチアさんを実験しようとした。私にも。
私はあの男を絶対に殺してやる。
頭。体。心。どこか痛いのかもわからない。
ねえ、何この気持ちなんなの。気持ち悪い。
どうすれば、収まるの。誰か教えてよ・・・教えてよ・・・
どこに行けばいいんだろう。そうだ。帰ろう。シスターサリーに。
どのくらい時間を立ったんだろう。
どう思ってくれるかな。
なんて言ってくれるかな。
やっと着いた教会が廃れている。
それに知らない男がいる。あちこちに空き瓶が散らばっている。子供もいない。どういうことだろうか。
でもそんなの関係ない。シスターサリーがいるなら。
必死に扉を叩く。
「シスター・・・」
「聖女様?」
え。なんで、聖女なんかじゃない。
ジャネットだよ。
「なんで来るんだよ」
あの一言で頭が真っ白になった。
赤かった。何もかも赤かった。
雨のおかげで赤く広がっている。
シスターや男が倒れている。
たぶん、その時の私は、切らなきゃ気が収まなかったんだ。どうしようもなく。
「これ君がやったのか」
振り返れば、男だと思ったが、よく見れば女の人だった。
「君と同じ聖女だよ。迎えに来た」
「むかえ・・・」
「聖女にとって安心なところだよ」
「今更何・・・なんで助けてくれなかったの・・・」
怒りが収まらない。
「・・・」
「なんで助けてくれなかった!どうしてルチア様を助けなかったんだ!」
怒鳴った。
攻撃しようとしたが、そのまま倒れてしまった。
もう体が動かない。
もういい。もう何もかも。
真っ黒になった。
目を覚めれば、白い部屋だった。
「やっと、起きたのね」
金の中にかすかに銀を混ざった髪。金色の目。頭に白いローブ。白いドレスに足を見せている。背中に6本の翼が背中から垂れ下がっている女がいた。
「私は、天光の聖女イヴよ。この地で収める聖女の一人よ」
この方が天光の聖女イヴ様。
ジル司祭から話しを聞いていた。聖女を治める古の聖女だと。けど、話したくなかった。
「申し訳ない。ルチアを救えることができなくて」
知ってて、助けに来なかったの。
「なんで!」
怒鳴った。
「本来なら、教会にいった聖女を保護にしないことになっているの」
「それならどうしてここに・・・」
「あなたをルチアから頼まれたの」
「え・・・」
「あの子を聖女にしてくださいって」
涙が流れた。
「本当はもっと教えたかった。あなたを聖女にちゃんと教えたかった。ただ自分が分からなくて迷っているだけです。だからお願いしますと」
「本当に・・・ルチアさんが・・・」
「ええ」
イヴ様は優しく返した。
「本当に助けられなくてごめんなさい」
イヴの中で優しく抱き、泣き続いた。
それからイヴ様から白の聖女ジャンヌ・ダルクの名をもらった。
本当に私は何も考えなくて、何も見えなかった。
教会にとって聖女は、象徴であり、救済であり、兵器でもある。
兵器をより高めるために、あらゆる開発を重ね、実験を繰り返す。
だからあの男は、ルチアさんを実験しようとした。私にも。
私はあの男を絶対に殺してやる。
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