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第2章
第7話 墨鯉の魔女②
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「ん~」
アキセは魔術に必要な杖専門の店で悩んでいた。
指揮棒型。爪飾り型。銃型と溢れていた。
「じいさん。ここで一番性能が高いヤツってある?」
店長である年寄りの男に訊く。
「ならこれ」
店長が取り出したのは、記号が刻み、魔法石をはめてある銃だか、見たことのない形態だった。長いバレルだかところところ穴が空き、全体的に長方形な銃だった。
「へ~」
他には見たことのない銃だったため、思わず関心する。
「これは銃に術と魔法石を仕込んであるから、魔弾だけでも威力があるが、実弾を入れば、さらに倍増する。しかも一発で屋敷一つ破壊できるほどだ。人もまともに受ければ、爆発するおっそろしい~武器だ。欠点と言えば、実弾を撃った反動がかなりあるってことくらいだ。他にはない代物だ!」
店長が自慢げに言うが、それはほしい。
「へ~ちなみにいくら」
「金貨50枚」
「それは高くねえか」
「これが妥当だね」
「もうちっと安くしてくれないか」
「どのくらい」
「金貨1枚で」
「出で行け!」
店から追い出された。
――ち!くそじじめ
あの銃は他にはない。あとで盗んでやると決めた時だった。
体中に虫が走っているような不快感。妙な鳥肌に寒気。
リリムは、近くにいれば、リリスの血で互いに分かる。しかし、そんなものではない。
何かが共鳴した感覚だった。
「なんだ?今のは?」
リカルドが急に振り返った。
「何?急に?」
「いや、なんでもない」とリカルドは前に歩き出す。
やはり、怪しすぎるが、取引で町の外まで案内してくれるから、少しは目をつぶる。
素性を隠すため、顔までフードをかぶるジャンヌは、町の中を歩いていた。
「なんか、騒がしくなってない?」
警備隊と思われる人たちが慌てて走っている。
「そういえば、結界を何枚か破壊されたらしいからな」
「結界?」
「魔術師がくれば、知識や技術も集まっている。ノレッジの餌場になってるんだ」
ノレッジは、しょかんの魔女ラプラス・ライブラーの使い魔で人間の知識を奪う。
「ノレッジの進入を防ぐために結界を何重に張っているんだ」
「それって・・・」
「君が不本意に壊したんだろう」
川に流れている時、結界に触れたんだろう。
「結界修正と原因に探っているんだろう。これが君だって分かれば、殺しにかかるだろうよ。魔女宗教の管理の元だからな」
「これ以上面倒ごとに絡みたくないんだけど」
「そうはならない。もう着いた」
大きい門に繋がる橋だった。
「取り締まりが起こっていないようだ。今の内に出た方がいいだろう」
「そうね。今すぐに出たい」
「その前に質問いいか」
――そうだった取引していたんだった。
「本当にそれだけでいいの?」
「ああ」
質問一つで終われるなら安いものか。
「私が答えられるなら」
重要情報はさすがに流さないが。多少は教えてやる。
「おまえは・・・」
その時だった。
「あ!ジャンヌさ~ん!」
鳥肌が立つジャンヌ。
とても聞いたことのある声だった。
入門から魔女辞典を作っているというおかしなナタル・イーブラーが近づいていく。
しかも笑顔で手を振りながら走っていく。
目立つ。目立つ。
「久しぶりです~!」
ジャンヌは逆方向に全力で逃げる。
ジャンヌは諦め、ナタルに追いつかれた。
ナタルを引っ張り、一通りのない道に連行すし、壁に抑える。
「久しぶりですね!ジャンヌさん!」
呑気に言う。
「ちょっと!再会の喜びを後にしてくれる」
「そうですよね。ここ魔女宗教の領地ですしね」
「だったら、あんな人のいる前で大声を出さないでよ。面倒になるでしょうが」
一瞬、冷や汗をかきそうになった。
「いや~聖女様が任務とかで来ているモノかと・・・魔女ですか!」
ナタルの目がキラキラ輝く。
「魔女ですね!一緒に行っていいですか!」
「違う!」
「ダメですか!」
「ダメ!てかそもそもなんでここにいるわけ?」
ナタルに訊く。
「実は、ここにウィーン辞典があるんですよ」
「ウィーン辞典って魔女文字(ウィーンもじ)を全部収めたっていう本のこと」
「はい、そうなんですよ。魔女文字(ウィーンもじ)は、じていの魔女マリカラ・ウィーンが作ったと言われています。彼女のおかげで、すべての魔女名に使われているんですよ・・・」
ナタルの解説がとても長かったので、もう聞いていない。
「すべて5冊あると言われ、ここに1冊。後2冊はどこかの魔女宗教、学術の町にあると言われ、あと一つは不明で、最後の本は誰かが個人で持っているとも言われているんですよ。
でもよく考えたら、あのしょかんの魔女ラプラス・ライブラーがなぜ奪っていないのかも不思議なところなんですけどね」
口が止まらない。
「はいはい。今あなたの解説を聞く気ないから」
「ジャンヌさんも一緒にウィーン辞典見にいきませんか?」
何を言っているんだ。
「あのね!今の状況分からないの。私は今すぐこの町から出たいの!」
ジャンヌは怒鳴り上げる。
「いつまで話が続くんだ」
別の声をした思えば、リガルトが不機嫌そうな顔で見ていた。探しに来てくれたようだ
「リカルド・・・」
「知り合いなのか」
「まあ・・・」
別の意味で知り合いにしたくない。
「あれ?アキセさんと一緒じゃないんですね」
「アキセ?」
リカルドが首をかしげる。
「あ~ジャンヌさんと交尾したい方です」
壁に殴る。
「あんた。そんな目で見ていたのか・・・」
「そんなことないですよ。じゃあ、行きましょう」
急に話をそらし、ジャンヌを無理やり引っ張る。
「ちょっと!」
リカルドは溜息を吐く。
アキセは魔術に必要な杖専門の店で悩んでいた。
指揮棒型。爪飾り型。銃型と溢れていた。
「じいさん。ここで一番性能が高いヤツってある?」
店長である年寄りの男に訊く。
「ならこれ」
店長が取り出したのは、記号が刻み、魔法石をはめてある銃だか、見たことのない形態だった。長いバレルだかところところ穴が空き、全体的に長方形な銃だった。
「へ~」
他には見たことのない銃だったため、思わず関心する。
「これは銃に術と魔法石を仕込んであるから、魔弾だけでも威力があるが、実弾を入れば、さらに倍増する。しかも一発で屋敷一つ破壊できるほどだ。人もまともに受ければ、爆発するおっそろしい~武器だ。欠点と言えば、実弾を撃った反動がかなりあるってことくらいだ。他にはない代物だ!」
店長が自慢げに言うが、それはほしい。
「へ~ちなみにいくら」
「金貨50枚」
「それは高くねえか」
「これが妥当だね」
「もうちっと安くしてくれないか」
「どのくらい」
「金貨1枚で」
「出で行け!」
店から追い出された。
――ち!くそじじめ
あの銃は他にはない。あとで盗んでやると決めた時だった。
体中に虫が走っているような不快感。妙な鳥肌に寒気。
リリムは、近くにいれば、リリスの血で互いに分かる。しかし、そんなものではない。
何かが共鳴した感覚だった。
「なんだ?今のは?」
リカルドが急に振り返った。
「何?急に?」
「いや、なんでもない」とリカルドは前に歩き出す。
やはり、怪しすぎるが、取引で町の外まで案内してくれるから、少しは目をつぶる。
素性を隠すため、顔までフードをかぶるジャンヌは、町の中を歩いていた。
「なんか、騒がしくなってない?」
警備隊と思われる人たちが慌てて走っている。
「そういえば、結界を何枚か破壊されたらしいからな」
「結界?」
「魔術師がくれば、知識や技術も集まっている。ノレッジの餌場になってるんだ」
ノレッジは、しょかんの魔女ラプラス・ライブラーの使い魔で人間の知識を奪う。
「ノレッジの進入を防ぐために結界を何重に張っているんだ」
「それって・・・」
「君が不本意に壊したんだろう」
川に流れている時、結界に触れたんだろう。
「結界修正と原因に探っているんだろう。これが君だって分かれば、殺しにかかるだろうよ。魔女宗教の管理の元だからな」
「これ以上面倒ごとに絡みたくないんだけど」
「そうはならない。もう着いた」
大きい門に繋がる橋だった。
「取り締まりが起こっていないようだ。今の内に出た方がいいだろう」
「そうね。今すぐに出たい」
「その前に質問いいか」
――そうだった取引していたんだった。
「本当にそれだけでいいの?」
「ああ」
質問一つで終われるなら安いものか。
「私が答えられるなら」
重要情報はさすがに流さないが。多少は教えてやる。
「おまえは・・・」
その時だった。
「あ!ジャンヌさ~ん!」
鳥肌が立つジャンヌ。
とても聞いたことのある声だった。
入門から魔女辞典を作っているというおかしなナタル・イーブラーが近づいていく。
しかも笑顔で手を振りながら走っていく。
目立つ。目立つ。
「久しぶりです~!」
ジャンヌは逆方向に全力で逃げる。
ジャンヌは諦め、ナタルに追いつかれた。
ナタルを引っ張り、一通りのない道に連行すし、壁に抑える。
「久しぶりですね!ジャンヌさん!」
呑気に言う。
「ちょっと!再会の喜びを後にしてくれる」
「そうですよね。ここ魔女宗教の領地ですしね」
「だったら、あんな人のいる前で大声を出さないでよ。面倒になるでしょうが」
一瞬、冷や汗をかきそうになった。
「いや~聖女様が任務とかで来ているモノかと・・・魔女ですか!」
ナタルの目がキラキラ輝く。
「魔女ですね!一緒に行っていいですか!」
「違う!」
「ダメですか!」
「ダメ!てかそもそもなんでここにいるわけ?」
ナタルに訊く。
「実は、ここにウィーン辞典があるんですよ」
「ウィーン辞典って魔女文字(ウィーンもじ)を全部収めたっていう本のこと」
「はい、そうなんですよ。魔女文字(ウィーンもじ)は、じていの魔女マリカラ・ウィーンが作ったと言われています。彼女のおかげで、すべての魔女名に使われているんですよ・・・」
ナタルの解説がとても長かったので、もう聞いていない。
「すべて5冊あると言われ、ここに1冊。後2冊はどこかの魔女宗教、学術の町にあると言われ、あと一つは不明で、最後の本は誰かが個人で持っているとも言われているんですよ。
でもよく考えたら、あのしょかんの魔女ラプラス・ライブラーがなぜ奪っていないのかも不思議なところなんですけどね」
口が止まらない。
「はいはい。今あなたの解説を聞く気ないから」
「ジャンヌさんも一緒にウィーン辞典見にいきませんか?」
何を言っているんだ。
「あのね!今の状況分からないの。私は今すぐこの町から出たいの!」
ジャンヌは怒鳴り上げる。
「いつまで話が続くんだ」
別の声をした思えば、リガルトが不機嫌そうな顔で見ていた。探しに来てくれたようだ
「リカルド・・・」
「知り合いなのか」
「まあ・・・」
別の意味で知り合いにしたくない。
「あれ?アキセさんと一緒じゃないんですね」
「アキセ?」
リカルドが首をかしげる。
「あ~ジャンヌさんと交尾したい方です」
壁に殴る。
「あんた。そんな目で見ていたのか・・・」
「そんなことないですよ。じゃあ、行きましょう」
急に話をそらし、ジャンヌを無理やり引っ張る。
「ちょっと!」
リカルドは溜息を吐く。
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