40 / 155
第2章
第2話 女の国 前半④
しおりを挟む
夜になってしまった。
アキセは、指輪探しに途方に暮れていた。
「おいおい・・・どこにいったんだ・・・」
指輪と契約しているため、居場所を感じ取れるが、なぜか見つからない。あちこちに移動しているようだ。しかもなぜかこの国の女は、誘惑が効かない。女を利用して探すこともできない。仕方なく女装する羽目になった。
探している内に人気のない裏路地で歩いていた。疲れ切った時に鈴の音が鳴った。
「鈴?」
上からキラッと何かが輝いたものが落ち、チャリーンと音がした。下を向けば、目的の指輪だった。
「おお~」
すぐさま指輪を拾い、指にはめる。
「会いたかったぜぇ~指輪ちゃん~」
嬉しさのあまりに一回転する。
ふと顔を上げると角からフードをかぶった者が現れた。体型からしておそらく女。フードをかぶっているため、顔は見えない。ただその女から『呪い』がじんわり溢れていた。
あの女は魔女だということに。
魔女はアキセに気付いたのか、迫ってくる。
「こいつ」
アキセは、召喚した銃を構える。
一夜明けた。
男は一人だけとり逃したらしい。おそらくジャンヌと会った男だろう。男の捜索は、他の部隊に任せることになった。
ジャンヌとアガタは、女王の護衛に専念してほしいと言われたので、講演会の裏で待機していた。
この国の野外劇場で講演会を開くことになっている。
舞台を中心に囲むように客席が3階立てになっている。客席の中央には屋根がない。円形劇場だった。どの階でも住民たちが立ち見で見ていた。それなりに住民たちも支持を得ているのだろう。
クレア女王は舞台の上では国の政策や結果報告と講演している。その周りに鎧を着た騎士がクレア女王を囲むように警備している。
内容を訊くよりもジャンヌは考え込んでいた。
「ジャンヌ。昨日のこと気になるのか」
アガタが話しかけてきた。
「まあ少し。男たちがどうやって逃げたのも気になりましたけど」
「突然壁が空いたから逃げたって話でしょ」
ただの人間が石壁を空けられる力はない。魔術を使わない限り、脱出などできない。その証拠に脱走した男は一人を除いて確保ができた。もう一人協力者がいる。
「それもありますけど・・・」
「ジャンヌから逃げた男の方か」
「単に救済がほしいのかと思いましたけど。この国は宗教にそこまで信仰していないし。他に助けに来るとしたら・・・」
「確かに気になるけどね」
アガタは視線を変えた途端にやっと笑う。
「その話はここまで。ちょっとここを頼むよ」
アガタはジャンヌの肩にぽんと触り、歩いていく。
「え?急に!」
「すぐに戻る」
振りかえもせず、手を振って去っていった。
アガタが見た視線を確認したら、女性しかいない観客しかなかった。
「遅いな。アガタさん」
あれから30分くらいは時間が立っていたが、アガタは戻る気配はなかった。講演会はまだ終わらない。少しくたびれた時だった。
「お疲れ様です」
アガタだと思われたが、声をかけてきたのは、クレア女王の秘書をしているサッフォーだった。
「もう一人の方は?」
「見回りに行っています」
だと思いたい。本当にどこに行ったのやら。
「仕事熱心で助かります」
サッフォーは安心したような笑顔で返す。
「お聞きしたいことがありますが、よろしいですか」
「私でよければ」
「どのくらい務めているんですか」
「クレア様が就くよりずっと前から務めております。もう今年で10年目になると思います」
10年も務めていれば、何か知っているかもしれない。
「じゃあ、この噂訊いてます?魔女の頭の話?」
「確かにその噂を訊いたことがあります。この国は誘拐事件が多発しているのは、ご存知でしょうか」
「ええ」
アガタから聞いた。
「特にここ最近は首がなくて帰ってくる。それになぞってそのような噂ができたのでしょう」
この国に魔女の頭がないということだろうか。それとも。
その時だった。
唐突に轟音がした。
舞台の方だった。ジャンヌは急いで駆け付ける。クレア女王は舞台の隅で騎士に守られている。無事のようだ。
「くそ・・・」
とても聞いたことのある声で肩が重くなった。その正体が女装したアキセだったからだ。
アキセは周囲を確認する。
妙な沈黙がした。
「・・・ヤバ」
「犯人確保おおおおおおおおおおおおおおお!」
ジャンヌは、すかさずアキセを抑える。地面に体を押し付け、右腕を背中に回し、動きを封じる。
「イテテテて。待った待った!」
「おまえには死刑が待っている」
「何勝手に処罰を決めるんだ!」
必死に暴れるアキセをジャンヌは抑える中。
「ちょっと。ジャンヌ。何をやってるんだ」
いつの間にか帰ってきたアガタが呆れていた。
「アガタさん!こいつ犯人です!今すぐ逮捕しましょう!そして死刑にしてこの世の中を救いましょう!」
「何いってるんだ?そこのゲデものに一体何されたんだよ。もう少し周りを見なさい」
改めて周囲を見る。客席いた住民は唖然としている。
ちょっと居づらい。
「つーか!聖女なら仕事をしろ!さっきまで魔女から逃げてきたんだからな!」
「は?」
その瞬間だった。
後ろからまたもや轟音がした。振り返れば、フードをかぶり、黒い服を着た女だった。その女から『呪い』が溢れていた。
「魔女だ!」
観客たちは慌てふためく。
「なんで魔女を連れてくるのよ!」
「俺はただ逃げていただけだ!」
ジャンヌは舌打ちをする。アキセに一発殴り、気絶させる。逃がさないために。
「こんなところで」
ジャンヌはロザリオを取り出す。
派手な戦闘ができない。住民が巻き込まれる。
アガタも腰にある半径のリングに手をつける。
「とりあえず、魔女をこの舞台から離すよ」
「了解」
ジャンヌもロザリオに光の刃を作る。
魔女は黒いモヤを広げ、姿を隠す。
ジャンヌがロザリオを振ろうとした時だった。
魔女は別の方向に出た。逃げるわけではなく、クレア女王に向かっていた。
クレア女王をガードしていた騎士たちが前に出るが、魔女から出した黒いモヤに飲み込まれる。
魔女はクレア女王に向かって飛ぶが、クレア女王はもう一人の騎士が一緒に横へ跳ぶ。魔女は舞台の奥へと突っ込んだ。
「ジャンヌ!女王を!」
アガタは魔女の元へいく。
「ちょっと。大丈夫?」
ジャンヌは、クレア女王の元へ駆けつける。
「はい・・・」
クレア女王は返事をするが、視線は、助けてくれた騎士に向く。
「あなた?大丈夫ですか?」
騎士は体を起こす時、兜が落ちる。
「あなたは・・・」
兜の下は、男だった。
「ねえ、あれ見てよ」
「男よ」
「穢わらしい」
観客にいた女たちが、魔女が逃げたよりも男が出現した方に叫びが高まっていた。
アキセは、指輪探しに途方に暮れていた。
「おいおい・・・どこにいったんだ・・・」
指輪と契約しているため、居場所を感じ取れるが、なぜか見つからない。あちこちに移動しているようだ。しかもなぜかこの国の女は、誘惑が効かない。女を利用して探すこともできない。仕方なく女装する羽目になった。
探している内に人気のない裏路地で歩いていた。疲れ切った時に鈴の音が鳴った。
「鈴?」
上からキラッと何かが輝いたものが落ち、チャリーンと音がした。下を向けば、目的の指輪だった。
「おお~」
すぐさま指輪を拾い、指にはめる。
「会いたかったぜぇ~指輪ちゃん~」
嬉しさのあまりに一回転する。
ふと顔を上げると角からフードをかぶった者が現れた。体型からしておそらく女。フードをかぶっているため、顔は見えない。ただその女から『呪い』がじんわり溢れていた。
あの女は魔女だということに。
魔女はアキセに気付いたのか、迫ってくる。
「こいつ」
アキセは、召喚した銃を構える。
一夜明けた。
男は一人だけとり逃したらしい。おそらくジャンヌと会った男だろう。男の捜索は、他の部隊に任せることになった。
ジャンヌとアガタは、女王の護衛に専念してほしいと言われたので、講演会の裏で待機していた。
この国の野外劇場で講演会を開くことになっている。
舞台を中心に囲むように客席が3階立てになっている。客席の中央には屋根がない。円形劇場だった。どの階でも住民たちが立ち見で見ていた。それなりに住民たちも支持を得ているのだろう。
クレア女王は舞台の上では国の政策や結果報告と講演している。その周りに鎧を着た騎士がクレア女王を囲むように警備している。
内容を訊くよりもジャンヌは考え込んでいた。
「ジャンヌ。昨日のこと気になるのか」
アガタが話しかけてきた。
「まあ少し。男たちがどうやって逃げたのも気になりましたけど」
「突然壁が空いたから逃げたって話でしょ」
ただの人間が石壁を空けられる力はない。魔術を使わない限り、脱出などできない。その証拠に脱走した男は一人を除いて確保ができた。もう一人協力者がいる。
「それもありますけど・・・」
「ジャンヌから逃げた男の方か」
「単に救済がほしいのかと思いましたけど。この国は宗教にそこまで信仰していないし。他に助けに来るとしたら・・・」
「確かに気になるけどね」
アガタは視線を変えた途端にやっと笑う。
「その話はここまで。ちょっとここを頼むよ」
アガタはジャンヌの肩にぽんと触り、歩いていく。
「え?急に!」
「すぐに戻る」
振りかえもせず、手を振って去っていった。
アガタが見た視線を確認したら、女性しかいない観客しかなかった。
「遅いな。アガタさん」
あれから30分くらいは時間が立っていたが、アガタは戻る気配はなかった。講演会はまだ終わらない。少しくたびれた時だった。
「お疲れ様です」
アガタだと思われたが、声をかけてきたのは、クレア女王の秘書をしているサッフォーだった。
「もう一人の方は?」
「見回りに行っています」
だと思いたい。本当にどこに行ったのやら。
「仕事熱心で助かります」
サッフォーは安心したような笑顔で返す。
「お聞きしたいことがありますが、よろしいですか」
「私でよければ」
「どのくらい務めているんですか」
「クレア様が就くよりずっと前から務めております。もう今年で10年目になると思います」
10年も務めていれば、何か知っているかもしれない。
「じゃあ、この噂訊いてます?魔女の頭の話?」
「確かにその噂を訊いたことがあります。この国は誘拐事件が多発しているのは、ご存知でしょうか」
「ええ」
アガタから聞いた。
「特にここ最近は首がなくて帰ってくる。それになぞってそのような噂ができたのでしょう」
この国に魔女の頭がないということだろうか。それとも。
その時だった。
唐突に轟音がした。
舞台の方だった。ジャンヌは急いで駆け付ける。クレア女王は舞台の隅で騎士に守られている。無事のようだ。
「くそ・・・」
とても聞いたことのある声で肩が重くなった。その正体が女装したアキセだったからだ。
アキセは周囲を確認する。
妙な沈黙がした。
「・・・ヤバ」
「犯人確保おおおおおおおおおおおおおおお!」
ジャンヌは、すかさずアキセを抑える。地面に体を押し付け、右腕を背中に回し、動きを封じる。
「イテテテて。待った待った!」
「おまえには死刑が待っている」
「何勝手に処罰を決めるんだ!」
必死に暴れるアキセをジャンヌは抑える中。
「ちょっと。ジャンヌ。何をやってるんだ」
いつの間にか帰ってきたアガタが呆れていた。
「アガタさん!こいつ犯人です!今すぐ逮捕しましょう!そして死刑にしてこの世の中を救いましょう!」
「何いってるんだ?そこのゲデものに一体何されたんだよ。もう少し周りを見なさい」
改めて周囲を見る。客席いた住民は唖然としている。
ちょっと居づらい。
「つーか!聖女なら仕事をしろ!さっきまで魔女から逃げてきたんだからな!」
「は?」
その瞬間だった。
後ろからまたもや轟音がした。振り返れば、フードをかぶり、黒い服を着た女だった。その女から『呪い』が溢れていた。
「魔女だ!」
観客たちは慌てふためく。
「なんで魔女を連れてくるのよ!」
「俺はただ逃げていただけだ!」
ジャンヌは舌打ちをする。アキセに一発殴り、気絶させる。逃がさないために。
「こんなところで」
ジャンヌはロザリオを取り出す。
派手な戦闘ができない。住民が巻き込まれる。
アガタも腰にある半径のリングに手をつける。
「とりあえず、魔女をこの舞台から離すよ」
「了解」
ジャンヌもロザリオに光の刃を作る。
魔女は黒いモヤを広げ、姿を隠す。
ジャンヌがロザリオを振ろうとした時だった。
魔女は別の方向に出た。逃げるわけではなく、クレア女王に向かっていた。
クレア女王をガードしていた騎士たちが前に出るが、魔女から出した黒いモヤに飲み込まれる。
魔女はクレア女王に向かって飛ぶが、クレア女王はもう一人の騎士が一緒に横へ跳ぶ。魔女は舞台の奥へと突っ込んだ。
「ジャンヌ!女王を!」
アガタは魔女の元へいく。
「ちょっと。大丈夫?」
ジャンヌは、クレア女王の元へ駆けつける。
「はい・・・」
クレア女王は返事をするが、視線は、助けてくれた騎士に向く。
「あなた?大丈夫ですか?」
騎士は体を起こす時、兜が落ちる。
「あなたは・・・」
兜の下は、男だった。
「ねえ、あれ見てよ」
「男よ」
「穢わらしい」
観客にいた女たちが、魔女が逃げたよりも男が出現した方に叫びが高まっていた。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる