図書館の管理人

白崎詩葉

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4ページ 日本童話⑤

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『竹取物語』
 日本最古の物語。
 翁が竹の中にいた小さな女の子をかぐやと名付ける。一緒に暮らすも、貴族となり、月に帰ってしまうという。

 日本で知らない者がいない。
だからSランク並みに強い。

 かぐやは、地面から伸びた竹を軸に踊るように体を巧みに動かす。
 隙を与えないように金太郎がオノを振ってくる。

 さすがに二人まとめて回収するのは難しいか。
 チャールズと早く合流したい。

 その時、竹を掴むかぐやが体を回転しながら、蹴り飛ばされる。
 態勢を立て直すも顔を上げれば、金太郎が斧を上げる。
 脇が空いている。
 そこに大ハサミを振るうも、右手が軽くなった。
 大ハサミと共に右手が離れた。
 なぜ、離れたのは、背後から伸びた竹の槍を刺したからだった。
 大ハサミが離れていく。
 目の前に金太郎のオノが迫ってくる。
 必死に背後に飛び、オノは地面に刺す。

「外すな」

 金太郎の横にかぐやが言う。

「すんません」

 金太郎はオノを地面から引き抜き、肩にかつぐ。

 右手がなくても、左手がある。
 視界が取れば、大ハサミが取り戻せる。
 右手が切られても、あの時の現象が起きない。土を食べれば、回復できる。
 
 それに武器は他にある。

「なんで、頭を狙わなかったんだ?こいつ。いつもの管理人と変わりませんぜ」

「いや。違う」

 かぐやはにらみつける。

「足を狙え」

 かぐやが言った途端に背後に飛ぶ。
 離れなければ、伸びた竹で刺さっていた。

 金太郎が迫る。
 振り回すオノを必死にかわす。
 身代わりになるように周囲にある竹が切っていく。

 でもこれを待っていた。
 先が鋭い竹を掴み、金太郎の右目を刺す。

「う!」

 周りを見て、大ハサミが見えた。
 すぐに手元に召喚する。左手で大ハサミを大きく振り、金太郎の頭を切る。

 金太郎は絵巻へと変わる。
 すかさず印鑑を飛ばし、金太郎を図書館へと送る。

「ふ~ん」

 かぐやは、金太郎を回収したにもかかわらず、余裕のある顔で見つめる。

「私の竹を使うなんてね」

 すぐに距離を詰め、大ハサミで突くも、竹が交差して防がれる。

「あなたたちは何のために私たちを回収しているのよ」

「人間を守るために決まっているだけよ!」

 目の前に竹が伸びる。
 大ハサミで受け止めるも、顔にかぐやの蹴りが入り、飛ばされる。

「はあ?何言ってるの?」

 ドスの入った声。

「管理人のくせに知らないのね。教えてあげるから、聞きなさい。私たちは」
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