642 / 648
冬の風物詩⑦
しおりを挟む
ヒメカがリンゴの爆弾に巻き込まれた。
「ヒメええええええええええええええええええ」
アキセが一番に叫ぶ。
「きゃあああああああああああああああ」
煙からヒメカが飛び出す。
不思議と焦げていない。
「ヒメえええええええええええええ」
「アキセくぅううううううううううううううううううん」
アキセはヒメカを胸の中へと優しく受け止める。
アキセとヒメカが見つめ合う。
もう二人だけの世界に入っている。
「え?何あれ?」
「あまり愛情注ぎすぎると食べられなくなるわよ」
ピルクも汗が見える。
さすがに魔女3人も戦闘をやめて、アキセとヒメカの現状に引いている。
そうだ。戦闘が止まっている内に逃げるか。
「あら。何をしているのかしら?」
別の女の声。アニアでも、シイナでも、ピルクでもない。
「また聖女も参加しているのね」
最強の魔女。よきの魔女リリス・ライラ・ウィッチャーだった。
まさか、リリスまで来るとは。
「「リリス様!」」
「今回は何をするのかしら」
リリスが目を細めて見つめる。
「う!」
アニアと初めて会った時もリリスのディナーを用意していた時だった。
「ん~」
リリスの視線がアキセに変える。
リリスが来てもアキセとヒメカが見つめ合ったままだった。
「別にこのままでもいいけど」
リリスが指を鳴らす。
あれ。なんでここにいるんだ。
ジャンヌ。アニアにピルクに知らない魔女。イヌにカカシ。それにリリスまでいる。目の前にはなぜか大根を持っている。
「アキセ君・・・」
大根が頬を赤らめている。
思い出した。
この大根の名前はヒメカだった。
名前を思い出したことで、今までのことを脳裏に振り返る。
ヒメカと過ごしていたことを。料理をして。デートをして。一緒に寝て。そしてセックスをしていたことを。大根に。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
アキセの叫びが響く。
どさくさにジャンヌは消え、アキセは全力で逃げていった。
「もう。アキセ君たら、私を見て逃げるなんて。ぷんぷん」
テーブルに座っているヒメカは言う。
「ありがとうございます。リリス様」
ヒメカはリリスと同席してもらうことで食材にならずに済んだ。
鍋パーティーが始まり、すき焼き、みぞれ鍋、寄せ鍋と次々と食べていた。それでもリリスの腹に底がない。
「いいのよ。そんなに彼気に入ったの」
「はい!」
「なら、花嫁修業をした方がいいわよ。いい奥さんになるには必須よ」
「そうですね!アキセ君を幸せにするなら必要ですね!」
「リリス様!お待たせしました」
アニアが大きい鍋を持ってきた。
それは、大根煮込みだった。
「もういっぱい用意してますので、体温まりますよ!」
「あら楽しみ」
アニア、シイナ、ピルク、アーノルド、ソオズも同席に鍋パーティーが始まる。
それにしてもガルムがここまで大根に惹かれるとは。
――さすが。私の影響は受けているだけある。
リリスは煮込んだ大根を食べる。
「アキセ君。花嫁修業にいってきて参ります。ヒメカより」
アキセに手紙が届く。
「はあ・・・」
アキセはしばらく大根をたべられなかったことと子供ができないことを祈っていた。
「ヒメええええええええええええええええええ」
アキセが一番に叫ぶ。
「きゃあああああああああああああああ」
煙からヒメカが飛び出す。
不思議と焦げていない。
「ヒメえええええええええええええ」
「アキセくぅううううううううううううううううううん」
アキセはヒメカを胸の中へと優しく受け止める。
アキセとヒメカが見つめ合う。
もう二人だけの世界に入っている。
「え?何あれ?」
「あまり愛情注ぎすぎると食べられなくなるわよ」
ピルクも汗が見える。
さすがに魔女3人も戦闘をやめて、アキセとヒメカの現状に引いている。
そうだ。戦闘が止まっている内に逃げるか。
「あら。何をしているのかしら?」
別の女の声。アニアでも、シイナでも、ピルクでもない。
「また聖女も参加しているのね」
最強の魔女。よきの魔女リリス・ライラ・ウィッチャーだった。
まさか、リリスまで来るとは。
「「リリス様!」」
「今回は何をするのかしら」
リリスが目を細めて見つめる。
「う!」
アニアと初めて会った時もリリスのディナーを用意していた時だった。
「ん~」
リリスの視線がアキセに変える。
リリスが来てもアキセとヒメカが見つめ合ったままだった。
「別にこのままでもいいけど」
リリスが指を鳴らす。
あれ。なんでここにいるんだ。
ジャンヌ。アニアにピルクに知らない魔女。イヌにカカシ。それにリリスまでいる。目の前にはなぜか大根を持っている。
「アキセ君・・・」
大根が頬を赤らめている。
思い出した。
この大根の名前はヒメカだった。
名前を思い出したことで、今までのことを脳裏に振り返る。
ヒメカと過ごしていたことを。料理をして。デートをして。一緒に寝て。そしてセックスをしていたことを。大根に。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
アキセの叫びが響く。
どさくさにジャンヌは消え、アキセは全力で逃げていった。
「もう。アキセ君たら、私を見て逃げるなんて。ぷんぷん」
テーブルに座っているヒメカは言う。
「ありがとうございます。リリス様」
ヒメカはリリスと同席してもらうことで食材にならずに済んだ。
鍋パーティーが始まり、すき焼き、みぞれ鍋、寄せ鍋と次々と食べていた。それでもリリスの腹に底がない。
「いいのよ。そんなに彼気に入ったの」
「はい!」
「なら、花嫁修業をした方がいいわよ。いい奥さんになるには必須よ」
「そうですね!アキセ君を幸せにするなら必要ですね!」
「リリス様!お待たせしました」
アニアが大きい鍋を持ってきた。
それは、大根煮込みだった。
「もういっぱい用意してますので、体温まりますよ!」
「あら楽しみ」
アニア、シイナ、ピルク、アーノルド、ソオズも同席に鍋パーティーが始まる。
それにしてもガルムがここまで大根に惹かれるとは。
――さすが。私の影響は受けているだけある。
リリスは煮込んだ大根を食べる。
「アキセ君。花嫁修業にいってきて参ります。ヒメカより」
アキセに手紙が届く。
「はあ・・・」
アキセはしばらく大根をたべられなかったことと子供ができないことを祈っていた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる