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冬の風物詩⑤

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 クソ。どうすれば解放できるんだ。
 コルンの発明品『なんでも指示できる腕輪』で逃げることもできないし、強制的にヒメカを探すことになった。
 アキセがコルンの発明品を使ったことですぐに見つかり、一緒に木陰に隠れる。
 そこには広いカーデンハウスだった。
 いくつものの食材や大きい鍋がテーブルの上に並んでいる。
 テーブルの前に誰かが立っていた。
「え~と。人肉でしょ。豚に、牛に。肉も野菜も揃った。やっぱり冬といえば、鍋だよね~」と見たことがあるちょうりの魔女アニア・パティールに、「だっぺ~な~」ともう一人は知らない少女がいた。
 茶色と緑の髪。緑の瞳。帽子をかぶった少女だった。
 アニアの仲間だから、彼女も魔女だろう。
 それにアーノルドにヒメカを襲ったカカシ。鳥籠の中にいるヒメカがテーブルの上にいた。
「シイナ。この大根どうしたの?」
 アニアが質問する。
「うちの~畑で生まれたんだけどぉ~逃げちぃまって~まさかぁここまで逃げてきたとわあ思わんかった」
かなりなまりが強い。
――え。何。ヒメカはあの魔女から生まれたってわけ。
「そうなの。よくわかったね」
「風の~噂でぇ、大根とデートしている男がいるって。それでピン!ときたんのよ」
 それ。ウィムだろ。絶対に。
「でも~植えた覚えもないんだかな」
「オイラでもないっすよ」
 カカシは言う。
「ソオズがぁ、ちゃんと見てない~のもあるからね~」
「さぼっていないってよ!」
「でも~生きた大根も検討しとこうかね。マニアいるんだよね。不思議と」
 なんか理解しない方が。
「もう準備した方がよろしいのでは」
 アーノルドが言う。
「それもそうね。ねえ。何で煮込みたい?」
 アニアが鳥籠の中にいるヒメカにいう。
「クス・・・せめておいしく作って・・・」とヒメカは泣きながら答える。
「それは保証する~」と即答に言うアニア。
「もう悩んじゃうな。大根ってなんでも合うから」
「定番でぇ~おでんといきましょうや~」
 ソオズが提案する。
「おでんか~」
「おでんの具材揃ってないしな」
「だったら~みぞれ鍋はどうだっぺ」
「あ!いいね!でも、大根一つに使うのももったいないな~」
 ヒメカをどのように料理するか話し合いが始まった。
――何。こんな寒い中、わざわざ外で食事をするってこと
 魔女の思いつきは予想ができない。
 横ではアキセがぐぬぬとこらえている。
「ジャンヌ!作戦!」
 絶対に面倒なことが起こる~とこれから分かり切ったことに体が重くなる。
「ジャンヌが魔女と相手をしている間に俺がヒメカを連れ出す」
「つまり、全部私が相手しろと」
「大丈夫。ヒメカを安全確保できたら、助けにくるから」
「そのまま置いていくつもりだろ!」
「しないって」
 信用できない。
「じゃあ、切りがないので、キレイに切っていろんな鍋に入れるということで!」
「「さんせ~い!!」」
「ヒメええええええええええええええええええええええええええええええ」とアキセが飛び出す。
 作戦もクソもねえ。
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