魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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冬の風物詩④

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「できた!」とヒメカはクッキーを作っていた。
「アキセ君。遅いな」
 アキセが指輪に手を伸ばして何かをしていた。急に女の子が現れ、大きいハンマーに叩かれた。女の子は泣きながら出で行った。
 必死にアキセを起こし、やっと目を覚ました。
「ちょっと待っててね」と言って、アキセも出で行った。
 あの女の子とはどういった関係だろうか。
 結婚前で他の女の子と関係を作ったとしても、ヒメカが一番なのは分かっている。必ず帰ってくる。だから、お菓子でも作って気長に待つことにした。
 扉が開ける音がした。
 帰ってきた。
「おかえり・・・」


 いやだ。巻き込みたくない。もう帰りたい。解放して。
 ジャンヌはアキセに腕を引っ張られながら、心の中で嘆いていた。
「まずは結婚式の準備しないとな。手伝ってよ」
 いやあああああああああ。
 おかしい。いつもおかしいが、いつも以上におかしい。
 名前を呼びたくないほどのクズさで、ストーカーで、デリカシーなし、女の敵を作るアキセが大根のヒメカに結婚するまでに好意を抱いている。
 アキセを選ぶヒメカのセンスも感覚がずれているような。
異変が起こったのは、ヒメカと会ってからだ。
 まさか大根のヒメカに惑わされているのか。
 惑わすリリムを惑わす大根もどういうことよ。
 だとしたら、浄化すれば正気に戻る。
――いや、どっちにしても標的が私に変わるだけ。
 癒してくれとか言って私をまだ巻き込ませるつもりだ。
 どっちにしても『なんでも指示できる腕輪』があるかぎり逃げ場がない。
 どうにかして、腕輪を壊さなければ。
「着いたぞ」
 着いちゃった。
 森の中にある家に着く。
 こんなところに住んでいるのか。
「ん?」
 アキセが止まった。
 扉が開いているが、開いたまま。よく見れば、窓が一部割れている。
「やっぱり~」
 男の声。
 家から出で来たのは、帽子をかぶったカカシだった。
「この間~にげた大根だっぺえな~」
 かなりしゃべりが訛っている。
 手にウサギの耳に掴まれているようにヒメカを持っている。
「きゃあ!アキセくぅうううううううん!」
「ヒメええええええええええええええええ!」
 アキセが目に映らないほどに飛び出す。
 カカシが視線を向く。
「ひょっこいしょ!」
 カカシが地面を蹴り上げると土の塊が銃弾のように迫ってくる。
 飛び出したアキセは勢いを止めながら、指飾りで一線切り、光る壁が上下に広げる。
 土の塊は光の壁にぶつかるが、カカシが光の壁に跳び蹴りする。光の壁が割れ、そのままアキセを倒していく。
「おじゃま~しました~」とカカシがアキセの顔を踏む。
「ふぎゃあ!」
「アキセくうううううううううううううううううううううううん」
「しつれ~いします~」
 カカシは軽く帽子を軽く上げ、ヒメカを連れて消える。
 よかった。見つからなくて。
 咄嗟に木陰に隠れていた。
 これ以上付き合いたくなかったので、ヒメカを犠牲にする。アキセが倒れていく間にこっそり逃げるが、左肩を掴まれる。
 ゆっくり振り返る。
「一緒に助けようね」と顔に泥ついたアキセは笑顔でいう。
 もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
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