魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

文字の大きさ
上 下
636 / 648

冬の風物詩①

しおりを挟む
 寒い日だった。
 いつものようにジャンヌとアキセはいた。
「久しぶりに二人でさ」
「失せろ!」
 ジャンヌは殴るが、アキセは避ける。
「最近、使いまわせないほどにキャラが増えてさ。二人の時間がなかったし」
「だったらそれでいい!」
 ロザリオで攻撃するも、ことごとく避けているから腹が立つ。
「照れ隠しは寄せよ」
「あんたの思考をぶっ壊す!」
 ロザリオを大きく振るい、白い炎の波を放つ。
「おっと!」
 アキセが避け、白い炎の波は森の中へと入っていく。
 ガオー
 遠吠えしたと思えば、2倍に大きく岩のように固い体をもつクマの魔獣(モンスター)のロックベアが飛び出した。
 しかも木を超えるほどのでかさだった。
「あんたのせいでロックベア来ちゃったじゃないの!」
「ジャンヌが攻撃したからだろ」
 ロックベアの口から黒い塊を飛ばす。
 避ける。
 黒い塊は奥へと行き、爆発が起きる。
「きゃあ!」と女の声がした。
 人がいたようだ。
「お。女の子がいる。助けなければ」
 アキセは一目散に向かう。
「てめえ!」
 ロックベアが迫ってくる。
 押し付けやがって。


 ジャンヌはロックペアを退治した。
 押し付け、ストレス発散するためにアキセが向かった先へと向かう。
「おまえ!よくも・・・」
 アキセを見つけたが、異様な光景だった。
 アキセが大根を持って、見つめていたからだった。
「大根・・・」
――なんでこんなところに大根が
 よく見れば、根が伸び、大根の先が二つに裂けている。
 どう考えても普通の大根ではない。
「ありがとうございます・・・」
 しかも可愛らしい女の声で話している。
 魔族(アビス)よりだろうが。だとしても大根も。
「ケガがなくて何より」とアキセが笑顔で言う。
 あれ。
「はい・・・」
「どうしてこんなところにいるんだい。女の子一人じゃ危ないとこだよ」
 女の子?
「私・・・どこにもいくとこなくて・・・」
「そうだったのか」
 アキセが大根を抱きなおす。
「ここだと危ないから、落ち着くまで俺のとこにいたらいいよ」
「え?でも・・・」
「こんなところに置いておくほど、無視できないよ」
「分かった・・・」
「君。名前は?俺。アキセ・リーガン」
「私。ヒメカ」
「そうか。可愛い名前だね」
 アキセは大根のヒメカを連れてそのまま去った。
 あれ。おかしい。
 一度も顔を向けられていないし。大根に一斉疑問を持っていない。普通に口説こうとしているし。
 まあ、いっか。



1週間後。
人になったユビワがやってきた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。

火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。 王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。 そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。 エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。 それがこの国の終わりの始まりだった。

悪役令嬢は処刑されました

菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。

聖女召喚

胸の轟
ファンタジー
召喚は不幸しか生まないので止めましょう。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

仰っている意味が分かりません

水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか? 常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。 ※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。

処理中です...