魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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興行の魔女④

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 ファントマンは観客席に倒れた。完全に伸びている。
 思わず力を使ったので、ジャンヌはその場で腰つく。
「ち。まだ生きてやがる・・・」
 よく見れば、アキセとウィムがいた。
 仕留めそこなった。
「では。第二弾と参りましょう!」
 メアリは鞭を打ち、奥の幕からファントマンが5体も現れる。
 まだいるんかい!


 殺す気か。
 必死に逃げたアキセはいた。
 タイミングを見計らって一緒に転送し、弱きったジャンヌを遊ぼうという計画だったのに。
 大部『光』を奪ったのに、どれだけ体力が有り余っているんだ。
 けど、さすがに巨大な魔獣を投げ飛ばしたから、体力はかなり減っている。その隙を狙えば。
 ファントマンたちがジャンヌに迫っている。
 そろそろ頃合いか。
 あとは転送しようとしたところで、腕を掴まれる。
「もしかして逃げる気?」と笑顔のウィムが言う。
 体中に冷や汗をかく。


 ファントマンが迫ってくる。
 さすがにこの数を相手するのは。
「うわああああああああああああああ!」
 情けない声と共にアキセが目の前に落ちてきた。
「ウィム!てめえ!」
 アキセは観客席に向かって怒鳴る。
「毎回のことなんだから、学習しなさいよ!」
「いやだって。こんなチャンスないから!」
「あ“あ”!」
 目の前にまでファントマンが来た。
 だか、ファントマンに黒い星が体を貫通する。さらに黒い星が分解し、観客席にいる魔女にも襲い掛かる。
 叫び声が響く。
 ものすごく見たことがある星。
 ヤバい。
「なんで、私があんな問題児を助けなきゃいけないのよ」
「まあまあ」
 幕から入ってきた二人。
「アガタさん・・・」
一人は黄色の聖女アガタ。そしてもう一人は。
「ヒルデさんも・・・」
 今聖女の中で最強と言われる黒の聖女ブリュンヒルデだった。
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