633 / 648
興行の魔女③
しおりを挟む
もうイラつく。
この格好を着せられ、手足に鎖、檻の中。しかも魔女の見世物にされている。この場にいる魔女もろども殺さなければ気が治まらない。
だか、『光』がない。今はファントマンから逃げなければ。
ファントマンが拳で檻に壊していく。このままでは潰れる。手足に結晶を作り、鎖を壊す。折り曲がった鉄格子から飛び出し、必死に走る。ファントマンも追いかける。
『光』が少ない中、急所を狙うしかない。
目を狙うなら、毛皮をかぶっているから、かなりの光の刃を作らなければならない。
鼻だったら、傷をつければ、麻痺して混乱する。
それとも魔女に攻撃させ、巻き込ませる。
――そっちにするか。
その時、鼻が迫っていく。飛んで避け、鼻は地面に叩きつける。
だか、横から風の球に当たる。そのままファントマンの手に当たり、広場の壁に張り付いたようにぶつかる。
壁から離れ、倒れる。体全体に痛い。
くすくすと女の笑い声が聞こえる。
それだけで腹が立って仕方がない。
まさかとは思うが、あの風の攻撃は、ウィムの力だろうか。観客で見ると言っていたし。つまり、アキセと一緒にいる。つまりつまりつまりつまり。この観客席の中に二人がいるということ。
今すぐ探して殴り殺さなければ。
「さて。皆さ~ん!今回は参加型となっているので、お客様もご一緒に楽しみましょう!」とメアリは観客席に言う。
なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
観客席から黒い塊、火、槍など攻撃が迫ってくる。
魔女も参加するとは。
この場にいる魔女を相手するほどの『光』が残っていない。今は逃げなければ。ファントマンが上げた手を下ろしていく。
飛び出して走る。
早くどうにかしなければ。
あ。
観客席にアキセとウィムが座っていた。
いたあああああああああああああああああああああああああああああああ。
魔女の攻撃が一斉に迫る中、体から白い炎を観客に向かって波のように放つ。攻撃は一斉に浄化される。だか、ファントマンの拳が迫る。
ジャンヌがファントマンの拳に潰される。
「死んだ?」
ウィムが首をかしげる。
ジャンヌがついに潰れたかとアキセは息を呑む。
観客席にいる魔女も黙り込んでいる。
拳が動く。
「アキセえええええええええええええええええええええええええええええええ。ウィムうううううううううううううううううううううう」
とてつもないドスの入った声だった。
拳を持ち上げたジャンヌが姿を見せる。
「人身売買しといて、見物とは・・・いいど根性しているな。この・・・極悪ゲスクズ共があああああああああああ!」
ファントマンの拳を思いっきり持ち上げ、ファントマンは腰をつく。
これはかなり怒っている。
「皆殺す・・・この場にいる魔女もろども殺してやる・・・」
ファントマンがまた拳で迫ってくる。
「邪魔すんな!」
ジャンヌは飛び出し、ファントマンの顎を殴り上げる。
――え・・・
思わず口が空く。
ファントマンは後ろに倒れるも、ジャンヌは鼻を掴む。
「全員くたばれええええええええええええええええええええええ!」
ジャンヌがファントマンを投げ飛ばす。
――どこにそんなバカ力を。
その前に逃げなくては。
だか、動けない。その原因が体に風が巻かれているからだった。
ウィムのやろおおおおお。
ウィムがとっくに逃げ、目の前にはファントマンが迫っていた。
この格好を着せられ、手足に鎖、檻の中。しかも魔女の見世物にされている。この場にいる魔女もろども殺さなければ気が治まらない。
だか、『光』がない。今はファントマンから逃げなければ。
ファントマンが拳で檻に壊していく。このままでは潰れる。手足に結晶を作り、鎖を壊す。折り曲がった鉄格子から飛び出し、必死に走る。ファントマンも追いかける。
『光』が少ない中、急所を狙うしかない。
目を狙うなら、毛皮をかぶっているから、かなりの光の刃を作らなければならない。
鼻だったら、傷をつければ、麻痺して混乱する。
それとも魔女に攻撃させ、巻き込ませる。
――そっちにするか。
その時、鼻が迫っていく。飛んで避け、鼻は地面に叩きつける。
だか、横から風の球に当たる。そのままファントマンの手に当たり、広場の壁に張り付いたようにぶつかる。
壁から離れ、倒れる。体全体に痛い。
くすくすと女の笑い声が聞こえる。
それだけで腹が立って仕方がない。
まさかとは思うが、あの風の攻撃は、ウィムの力だろうか。観客で見ると言っていたし。つまり、アキセと一緒にいる。つまりつまりつまりつまり。この観客席の中に二人がいるということ。
今すぐ探して殴り殺さなければ。
「さて。皆さ~ん!今回は参加型となっているので、お客様もご一緒に楽しみましょう!」とメアリは観客席に言う。
なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。
観客席から黒い塊、火、槍など攻撃が迫ってくる。
魔女も参加するとは。
この場にいる魔女を相手するほどの『光』が残っていない。今は逃げなければ。ファントマンが上げた手を下ろしていく。
飛び出して走る。
早くどうにかしなければ。
あ。
観客席にアキセとウィムが座っていた。
いたあああああああああああああああああああああああああああああああ。
魔女の攻撃が一斉に迫る中、体から白い炎を観客に向かって波のように放つ。攻撃は一斉に浄化される。だか、ファントマンの拳が迫る。
ジャンヌがファントマンの拳に潰される。
「死んだ?」
ウィムが首をかしげる。
ジャンヌがついに潰れたかとアキセは息を呑む。
観客席にいる魔女も黙り込んでいる。
拳が動く。
「アキセえええええええええええええええええええええええええええええええ。ウィムうううううううううううううううううううううう」
とてつもないドスの入った声だった。
拳を持ち上げたジャンヌが姿を見せる。
「人身売買しといて、見物とは・・・いいど根性しているな。この・・・極悪ゲスクズ共があああああああああああ!」
ファントマンの拳を思いっきり持ち上げ、ファントマンは腰をつく。
これはかなり怒っている。
「皆殺す・・・この場にいる魔女もろども殺してやる・・・」
ファントマンがまた拳で迫ってくる。
「邪魔すんな!」
ジャンヌは飛び出し、ファントマンの顎を殴り上げる。
――え・・・
思わず口が空く。
ファントマンは後ろに倒れるも、ジャンヌは鼻を掴む。
「全員くたばれええええええええええええええええええええええ!」
ジャンヌがファントマンを投げ飛ばす。
――どこにそんなバカ力を。
その前に逃げなくては。
だか、動けない。その原因が体に風が巻かれているからだった。
ウィムのやろおおおおお。
ウィムがとっくに逃げ、目の前にはファントマンが迫っていた。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる