629 / 642
寂屋の魔女⑧
しおりを挟む
「「うわ~ん!怖かったよ~」」
「無事でよかったっすよ」
泣き出すキティとスノードロップをチェシャが慰める。
「おじさん。大丈夫?」
「ケガしてない?」
心配そうな顔でチェシャに訊く。
「まだ体に痛みがありますが、平気ですよ」
チェシャと目が合う。
「「よかったー」」
泣くキティとスノードロップ。
「助けに来たんすね」
「まだやるべきことをしてないからでしょ」
強めに返す。
それにあのままだと後味が悪い。
「二人とも」
キティとスノードロップは頭を低くして近づく。
「「ごめんなさい」」と申し訳なさそうに言う。
「あとは?」
キティが背中から手を伸ばす。
「あれ?ない!」
キティが慌てる。
「指輪がな~い~」
そういえば、アキセがキティを助けていた。あの時に指輪を取り戻したんだろう。それにいつの間にか消えているし。
「指輪はあの男に奪われたんでしょ。まあ、謝ったので、許してくれますでしょ」
チェシャが言う。
「だったら、もう私たちにイタズラはしないように言いつけてくれない?」
「「えー」」とすぐにキティとスノードロップは反論する。
「えーじゃない」
「「だめなの・・・」」
キティとスノードロップがうるうるとした目で見つめる。
「う・・・」
その技はずるい。
ジャンヌは顔に手を当てる。
「せめて、あのクズにすべて当てて」
「「やったー」」
キティとスノードロップの尾が激しく振る。
イルが軽く笑う。
「何よ」
「いや。ジャンヌの以外なとこがあるんだなって」
「ん~チェシャ!あの技を教えたでしょ!」
「結構効果あるっすよ~生存するための一つです」
「たく・・・」
チェシャに一番の質問をする。
「チェシャ」
チェシャも察したようで、「キティとスノードロップ。先に帰りなさい」とキティとスノードロップにいう。
「「でも・・・」」
「帰りなさい」
「「はい」」
キティとスノードロップは消える。
「ちょっと待ってください」
チェシャが消えたと思ったら、すぐに戻ってきた。
「何したの」
「いや~遠くにあの男がいたので、さらに遠くに飛ばしました」
「そうなの・・・」
アキセをどこかに飛ばしたようだ。
「イルも同席する?」
「俺も気になっているからな」
イルも同席することになる。
「訊きたいことがありましょ」
「ええ。アリスのネコなのに、どうして嫌がっているの」
アリスのネコなのにキティとスノードロップは嫌がっていた。従者の関係のはずだか。
「聖女さんは、アリスの名を持つ魔女についてどこまで知ってます?」
「ろまんの魔女から様々なアリスを生み出すために願って散ったってくらいよ」
そのくらいしか知らない。
「ろまんの魔女アリスが消えてから、アリスの名を持つ魔女が生まれた。アリスが散ってからでも、あいきょうの魔女アリス・キャロルとして帰ってきた」
魔女は転生しても時に、以前の記憶と魂を完全に受け継ぐ『先祖返り』がある。
「魂から感じましたね。アリスが帰ってきたと。それから彼女を中心にアリスだけのサバトを定期的に開いた。サバトを開くたびに、生まれた子や会えない子もいた。お互いに話して、お菓子を食べてとても楽しんでいましたよ。そんな中。俺たち、アリスのネコが選ばれれば完全なアリスだと思う子が現れた。最初はそこまで騒ぐことはなかったが、徐々に増えて・・・アリスが話をしても、他のアリスたちが納得もできず、目の前でダイナを引っ張り合って引き裂いた。ダイナはあの子たちの母親なんですよ」
目の前で母親を失い、かなりショックだった。だからキティとスノードロップはアリスに怯えていたのか。
「アリスはダイナを抱き、泣きながら消えた。その日以来、サバトを開くこともなく、彼女たちがお互いに会うことは少なくなった」
「もしかして・・・」
「しゅらさんもいましたよ」
やはり、しゅらの魔女アリス・キテラもその時から生きていたということか。
「それからキティとスノードロップはほとんど猫の国でいるようになった。あの国なら猫以外入ることはないから、一番の安全場所なんですよ」
「そういうことか」
「どうして、あいきょうの魔女はそんな子たちまでサバトに参加させたのよ」
「そう思ってアリスに言ったんですけど、様々なアリスを生み出したのもあって、どんな子でもアリスは受け入れたんです」
「許容しすぎない」
「そうっすね」
チェシャが軽く笑って返す。
「でも。そんなことがあっても、あんたはアリスに会いに行っていたでしょ」
「アリスの願いを否定したくなかった」
チェシャは答える。
「だから、俺っちとヴィリケンズと二人で世界中にいるアリスを見て回ろうとしたんです。さすがにキティとスノードロップにはやめてって言われましたけどね」
あんな出来事があってキティとスノードロップは止めたくなるのは目に見えてるのに、それでもアリスに会いにいった。
「最初はすべてのアリスを見て回ろうとしたんすけど・・・以前よりも思い込むようなアリスたちが増え、ヴィリケンズもそのアリスに殺された。さすがに身に沁みましたね。こんなにも声が届かないってことに。だから理性のある彼女たちしか会わないことにしました。それが余計に感じているかもしれませんが・・・」
チェシャが少し疲れ切ったように言う。
「これで話は全部ですぜい」
少し疑問がある。
「チェシャ。今でもあんたがいうアリスを探しているんじゃないの」
「それだけにしたら、キティとスノードロップを置いてきてしまいますよ」
そうか。それだけの目的にしたら、チェシャもアリスの元に逝かれるかもしれなかったのか。
「けど、あいげきさんのように面白い子もいますから、全くではないですよ。もしアリスが会えたら、話すネタには困りませんよ」
チェシャは、しゅらの魔女アリス・キテラの元に尋ねていた。
アリスは、中庭にあるガーデンハウスにいた。
「話したのね」
アリスはカップに口をつける。
「いや~今回のことは、こちらにもありましたし、話さないと治まらないかなと」
椅子の上にいるチェシャが言う。
「短気だからね。あの聖女は」
「それにしゅらさんのお友達でしょ」
チェシャはアリスを見て言う。
「とりあえずはね」
アリスは軽く笑って返す。
「前から思っていたけど、あなたはアリスを見たいって言う割に聖女に殺されることには何もないの。それとも・・・」
「聖女と魔女の戦いは止められない定めです。従者が入る隙間がない。その運命を受け入れているだけです。しゅらさんが思っていることではないですよ」
「ならいいけど」
目を閉じれば、思い出す。
「チェシャ。チェシャ」
スノードロップとキティが生まれた頃。
ダイナの腹に包まれている黒と白の子猫。ダイナは舌で二人をなめていた。
そんな彼女らをヴィリケンズ、アリスと一緒に見ていた。
「かわいいね。チェシャ」
アリスが笑って返した。
長く生きれば過去が恋しくなるけど、先に生きていたって、楽しいことが全くないわけではない。
「無事でよかったっすよ」
泣き出すキティとスノードロップをチェシャが慰める。
「おじさん。大丈夫?」
「ケガしてない?」
心配そうな顔でチェシャに訊く。
「まだ体に痛みがありますが、平気ですよ」
チェシャと目が合う。
「「よかったー」」
泣くキティとスノードロップ。
「助けに来たんすね」
「まだやるべきことをしてないからでしょ」
強めに返す。
それにあのままだと後味が悪い。
「二人とも」
キティとスノードロップは頭を低くして近づく。
「「ごめんなさい」」と申し訳なさそうに言う。
「あとは?」
キティが背中から手を伸ばす。
「あれ?ない!」
キティが慌てる。
「指輪がな~い~」
そういえば、アキセがキティを助けていた。あの時に指輪を取り戻したんだろう。それにいつの間にか消えているし。
「指輪はあの男に奪われたんでしょ。まあ、謝ったので、許してくれますでしょ」
チェシャが言う。
「だったら、もう私たちにイタズラはしないように言いつけてくれない?」
「「えー」」とすぐにキティとスノードロップは反論する。
「えーじゃない」
「「だめなの・・・」」
キティとスノードロップがうるうるとした目で見つめる。
「う・・・」
その技はずるい。
ジャンヌは顔に手を当てる。
「せめて、あのクズにすべて当てて」
「「やったー」」
キティとスノードロップの尾が激しく振る。
イルが軽く笑う。
「何よ」
「いや。ジャンヌの以外なとこがあるんだなって」
「ん~チェシャ!あの技を教えたでしょ!」
「結構効果あるっすよ~生存するための一つです」
「たく・・・」
チェシャに一番の質問をする。
「チェシャ」
チェシャも察したようで、「キティとスノードロップ。先に帰りなさい」とキティとスノードロップにいう。
「「でも・・・」」
「帰りなさい」
「「はい」」
キティとスノードロップは消える。
「ちょっと待ってください」
チェシャが消えたと思ったら、すぐに戻ってきた。
「何したの」
「いや~遠くにあの男がいたので、さらに遠くに飛ばしました」
「そうなの・・・」
アキセをどこかに飛ばしたようだ。
「イルも同席する?」
「俺も気になっているからな」
イルも同席することになる。
「訊きたいことがありましょ」
「ええ。アリスのネコなのに、どうして嫌がっているの」
アリスのネコなのにキティとスノードロップは嫌がっていた。従者の関係のはずだか。
「聖女さんは、アリスの名を持つ魔女についてどこまで知ってます?」
「ろまんの魔女から様々なアリスを生み出すために願って散ったってくらいよ」
そのくらいしか知らない。
「ろまんの魔女アリスが消えてから、アリスの名を持つ魔女が生まれた。アリスが散ってからでも、あいきょうの魔女アリス・キャロルとして帰ってきた」
魔女は転生しても時に、以前の記憶と魂を完全に受け継ぐ『先祖返り』がある。
「魂から感じましたね。アリスが帰ってきたと。それから彼女を中心にアリスだけのサバトを定期的に開いた。サバトを開くたびに、生まれた子や会えない子もいた。お互いに話して、お菓子を食べてとても楽しんでいましたよ。そんな中。俺たち、アリスのネコが選ばれれば完全なアリスだと思う子が現れた。最初はそこまで騒ぐことはなかったが、徐々に増えて・・・アリスが話をしても、他のアリスたちが納得もできず、目の前でダイナを引っ張り合って引き裂いた。ダイナはあの子たちの母親なんですよ」
目の前で母親を失い、かなりショックだった。だからキティとスノードロップはアリスに怯えていたのか。
「アリスはダイナを抱き、泣きながら消えた。その日以来、サバトを開くこともなく、彼女たちがお互いに会うことは少なくなった」
「もしかして・・・」
「しゅらさんもいましたよ」
やはり、しゅらの魔女アリス・キテラもその時から生きていたということか。
「それからキティとスノードロップはほとんど猫の国でいるようになった。あの国なら猫以外入ることはないから、一番の安全場所なんですよ」
「そういうことか」
「どうして、あいきょうの魔女はそんな子たちまでサバトに参加させたのよ」
「そう思ってアリスに言ったんですけど、様々なアリスを生み出したのもあって、どんな子でもアリスは受け入れたんです」
「許容しすぎない」
「そうっすね」
チェシャが軽く笑って返す。
「でも。そんなことがあっても、あんたはアリスに会いに行っていたでしょ」
「アリスの願いを否定したくなかった」
チェシャは答える。
「だから、俺っちとヴィリケンズと二人で世界中にいるアリスを見て回ろうとしたんです。さすがにキティとスノードロップにはやめてって言われましたけどね」
あんな出来事があってキティとスノードロップは止めたくなるのは目に見えてるのに、それでもアリスに会いにいった。
「最初はすべてのアリスを見て回ろうとしたんすけど・・・以前よりも思い込むようなアリスたちが増え、ヴィリケンズもそのアリスに殺された。さすがに身に沁みましたね。こんなにも声が届かないってことに。だから理性のある彼女たちしか会わないことにしました。それが余計に感じているかもしれませんが・・・」
チェシャが少し疲れ切ったように言う。
「これで話は全部ですぜい」
少し疑問がある。
「チェシャ。今でもあんたがいうアリスを探しているんじゃないの」
「それだけにしたら、キティとスノードロップを置いてきてしまいますよ」
そうか。それだけの目的にしたら、チェシャもアリスの元に逝かれるかもしれなかったのか。
「けど、あいげきさんのように面白い子もいますから、全くではないですよ。もしアリスが会えたら、話すネタには困りませんよ」
チェシャは、しゅらの魔女アリス・キテラの元に尋ねていた。
アリスは、中庭にあるガーデンハウスにいた。
「話したのね」
アリスはカップに口をつける。
「いや~今回のことは、こちらにもありましたし、話さないと治まらないかなと」
椅子の上にいるチェシャが言う。
「短気だからね。あの聖女は」
「それにしゅらさんのお友達でしょ」
チェシャはアリスを見て言う。
「とりあえずはね」
アリスは軽く笑って返す。
「前から思っていたけど、あなたはアリスを見たいって言う割に聖女に殺されることには何もないの。それとも・・・」
「聖女と魔女の戦いは止められない定めです。従者が入る隙間がない。その運命を受け入れているだけです。しゅらさんが思っていることではないですよ」
「ならいいけど」
目を閉じれば、思い出す。
「チェシャ。チェシャ」
スノードロップとキティが生まれた頃。
ダイナの腹に包まれている黒と白の子猫。ダイナは舌で二人をなめていた。
そんな彼女らをヴィリケンズ、アリスと一緒に見ていた。
「かわいいね。チェシャ」
アリスが笑って返した。
長く生きれば過去が恋しくなるけど、先に生きていたって、楽しいことが全くないわけではない。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
Heroic〜龍の力を宿す者〜
Ruto
ファンタジー
少年は絶望と言う名の闇の中で希望と言う名の光を見た
光に魅せられた少年は手を伸ばす
大切な人を守るため、己が信念を貫くため、彼は力を手に入れる
友と競い、敵と戦い、遠い目標を目指し歩く
果たしてその進む道は
王道か、覇道か、修羅道か
その身に宿した龍の力と圧倒的な才は、彼に何を成させるのか
ここに綴られるは、とある英雄の軌跡
<旧タイトル:冒険者に助けられた少年は、やがて英雄になる>
<この作品は「小説家になろう」にも掲載しています>
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
父が再婚してから酷い目に遭いましたが、最終的に皆罪人にして差し上げました
四季
恋愛
母親が亡くなり、父親に新しい妻が来てからというもの、私はいじめられ続けた。
だが、ただいじめられただけで終わる私ではない……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる