626 / 654
寂屋の魔女⑤
しおりを挟む
「お二人さん。ご無事で」
チェシャが近づく。
「キティ。スノードロップ」
逃げようとした子猫たちがびくつく。
「イタズラするのもそこまですよ」
チェシャが圧をかけて言う。
「イタズラで済むレベルじゃないんだけど」
「死にかけたんだか」
ジャンヌとイルは言う。
「それにあの技。チャミーさんから教わったものでしょう。言われてなかったですかい。素人相手にむやみに使ってはいけないと。あの技は完全に取得しないと相手死にますって」
どういうことよ。
「分かってるよ!」
「でも、チェシャおじさんに傷をつけたんだよ!」
「絶対に許さない!」
「この傷は違いますって」
そういうことか。
チェシャの顔の傷は、イーグスの件でつけられた。
その傷の恨みを晴らすために、その関係者を殺害しようとしたのか。
「俺っちのために行動したことは素晴らしいことですが、頼みましたかい?」
「「う・・・」」
このまま説教に入りそうだったので、話を切り替える。
「で。どういう関係よ」
「俺っちと同じアリスの猫ですよ。黒いのがキティで、白いのがスノードロップ」
「「紹介しないでよ!」」
キティとスノードロップは言う。
「まあ、今回のことは申し訳ないですよ」とチェシャが謝罪を言うが、「「謝らないでよ!」」とキティとスノードロップが否定する。
「謝るならあんたより、そこの二人でしょ」
キティとスノードロップににらみつける。
「キティ。スノードロップ」
「「ヤダ!」」
「お二人さん」
チェシャが困り果てた時だった。
空中から根が伸びる。
咄嗟に避ける。
「「おじさん!」」
キティとスノードロップの首に根が絡まれ、空間の穴の中へと引きずる。
チェシャも消えかかる穴の中へと入る。
「消えた・・・」
残ったのはジャンヌとイルだった。
魔術を使った様子がない。襲ってきたのは魔女だろう。魔女が聖女を狙わず、キティとスノードロップを狙った。チェシャも追いかけた。
もしかしたら、襲ってきた相手はアリスの名を持つ魔女かもしれない。けど、様子が違う。
「散々な目にあったが・・・どうする。ジャンヌ」
チェシャが近づく。
「キティ。スノードロップ」
逃げようとした子猫たちがびくつく。
「イタズラするのもそこまですよ」
チェシャが圧をかけて言う。
「イタズラで済むレベルじゃないんだけど」
「死にかけたんだか」
ジャンヌとイルは言う。
「それにあの技。チャミーさんから教わったものでしょう。言われてなかったですかい。素人相手にむやみに使ってはいけないと。あの技は完全に取得しないと相手死にますって」
どういうことよ。
「分かってるよ!」
「でも、チェシャおじさんに傷をつけたんだよ!」
「絶対に許さない!」
「この傷は違いますって」
そういうことか。
チェシャの顔の傷は、イーグスの件でつけられた。
その傷の恨みを晴らすために、その関係者を殺害しようとしたのか。
「俺っちのために行動したことは素晴らしいことですが、頼みましたかい?」
「「う・・・」」
このまま説教に入りそうだったので、話を切り替える。
「で。どういう関係よ」
「俺っちと同じアリスの猫ですよ。黒いのがキティで、白いのがスノードロップ」
「「紹介しないでよ!」」
キティとスノードロップは言う。
「まあ、今回のことは申し訳ないですよ」とチェシャが謝罪を言うが、「「謝らないでよ!」」とキティとスノードロップが否定する。
「謝るならあんたより、そこの二人でしょ」
キティとスノードロップににらみつける。
「キティ。スノードロップ」
「「ヤダ!」」
「お二人さん」
チェシャが困り果てた時だった。
空中から根が伸びる。
咄嗟に避ける。
「「おじさん!」」
キティとスノードロップの首に根が絡まれ、空間の穴の中へと引きずる。
チェシャも消えかかる穴の中へと入る。
「消えた・・・」
残ったのはジャンヌとイルだった。
魔術を使った様子がない。襲ってきたのは魔女だろう。魔女が聖女を狙わず、キティとスノードロップを狙った。チェシャも追いかけた。
もしかしたら、襲ってきた相手はアリスの名を持つ魔女かもしれない。けど、様子が違う。
「散々な目にあったが・・・どうする。ジャンヌ」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる