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物換の魔女⑥

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「ふ~死んだ」
 ジャンヌはすがすがしく言う。
 イラついた魔女を退治できたからかなりスッキリした。
 ヘルメスから離れたユビワを探せば、もう指輪に戻っていた。
 アキセに奪われる前に飛び掛かる。
 指輪が消える。周囲を見れば、アキセがすでに指輪をつけて、銃を構えていた。その方向先が2号だった。
 ジャンヌはすかさずアキセに蹴り上げる。アキセは空の彼方へと飛ばす。
「はあ・・・」
 指輪はアキセに渡ったが、2号への攻撃は防いだ。
「本当に手を抜けないですね」
 2号が腹に手を当てながら近づく。よく見れば、肩と腹に血が流れている。
「それって私がさっき間違ってやった時の傷・・・」
「違いますよ。あのクズに攻撃された分です。確かにあなたの攻撃もかなりでしたけど」
「それはごめん・・・」
 2号の体が薄くなっている。
 2号はヘルメスから生み出した。ヘルメスが退治したことで維持ができなくなっている。
「やはり長くは持たないようですね」
 以前にも1日は持たなかった。
「2度あることは3度あるって言う言葉もありますし、またひょこっと現れるかもしれないですよ」
 2号が軽く笑う。
「変なこと言わないで。そんな転生とか蘇生が頻繁に起きても困るわよ」
 軽く冗談のつもりでいった。
 それでも2号は悲しんでいることを隠しきれていない。
 今回は味方してくれた。協力してくれた。イルに話す勇気を押してくれた。だから彼との約束を果たす。
「ノヴァン」
 彼に名前をつける。
 ノヴァンがとても驚いた顔で見ていた。
「もう一度いいですか」
「ノヴァン。文句は言わせないから」
 思わず体の向きを変える。
 妙に恥ずかしい。
「ありがとうございます」
振り向けば消えていた。
「もう呼ぶこともないくせに」
「こっちですよ」
 無理やり顔を向かせる。
「言いましたよ。最後くらいは顔を見せてくださいと。ジャンヌ」
 ノヴァンは笑って、消えていった。
 やっぱりコピーしただけはある。


「ふふふ~ん」
 歌声で目を覚ます。
 ここはどこだ。何かの中にいる。ゆらゆらと揺れるから気持ち悪くなる。
「あら、どこに行くのかしら。コゼット」
 顔を上げれば、コゼットが逃げようとしていた。
「帰ってきやがって・・・」
 不機嫌そうに返すコゼットと目が合う。
「なんだ。そのフクロウは?」
 フクロウ。
「これ」
 急に持ち上げられる。
 よく見れば、鳥籠の中にいた。そして、よきの魔女リリス・ライラ・ウィッチャーと目が合う。
「新しいペットよ」
 いたずらな笑みを見せる。
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