魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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仮面騒動⑥

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「待てー悪徳ロリコン踏みつけ変質者!」
 爆発とともにペルチェが叫ぶ。
――変な呼び名を作るな
 イーグスは木陰に隠れる。
 ただの爆弾魔じゃないか。早くこの場から逃げなくては。
「見つけた!」
 最悪なタイミングでルシアが戻ってきた。
「なんだ。もうやってるんだ」
 この能天気さに腹が立つ。
「これつけて」とルシアが手に持っていた赤い物体を胸につけられる。
「ま!」
 胸に付けた途端に、仮面の姿で巨大化した。
 ただでさえ、この姿でもかなりの屈辱なのに。さらに大きくなるとは。絶対にバラしたくない。
「それ、3分しか持たないから気を付けて」
 ドン。
 小さく見えるルシアに踏みつける。
「危ないよー」
 避けられた。
「あ!決闘前にやっつけるつもりね!」
 目の前にペルチェが現れる。
「こっちだって!」とペルチェも負けじと張り合う。急にペルチェが光り、巨大なクマのぬいぐるみが現れる。
――張り合うな。
 クマのぬいぐるみの腕から綿が発射される。
 横に走って避けるが、綿が追尾してくる。
 何。
 顔だけは守らなくては。爆発して仮面が破れたらバレる。
 顔の前に腕をクロスし、迫ってくる綿を受け、爆発する。
 大きくなったのもあるが、少し熱いと感じるだけ。
 さらにクマのぬいぐるみの拳が迫り、腕でガードする。そのまま背後に倒れる。クマのぬいぐるみが上げた足を下ろす。
 咄嗟に横に転がり、立ち上がるもクマのぬいぐるみが腕を伸ばしていく。そのまま腕を掴み、押し合いになる。
 見た目に反して強い。速い。重さもある。
「そこだーいけー」
 クマのぬいぐるみの背後で無邪気に言うルシアに腹が立つ。
――あの魔女を殺したい。
 このままでは決着が見えない。
 急に胸の赤い物体がピーポーピーポーと赤く光り、音を鳴らす。ルシアが言っていた制限時間だろう。
「ビームを出して!」
 ビーム?
「○○シウム光線!こうやって腕を組んでやるんだよ!」
 ルシアが右腕を上げ、左腕を重ねる。
 だったらやってやる。
 クマのぬいぐるみをルシアがいる方へと投げる。
「え?!」
 ルシアに言われた通り、右腕を上げ、左腕を重ねる。腕から光線が出た。光線はクマのぬいぐるみに当たり、大爆発が起きる。
 そしてタイマーが切れる。
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