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メダルビースト 前半②
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「この国は、ギルバーアトラスにより支配されています」
もういきなりややこしくなることが目に見えた。
「聖女様にも我々のご先祖様が犯したことを耳に入っていると思います。過去を繰り返させないようにジャイルレイカー様は、この国を変えようと尽くしています」
「ジャイルレイカーって?」
「ジャイルレイカー様は、この国の最高司令官です。我々が変えなければ、生き残ることも、過去のことも、争いも止められないと。ですが・・・」
言葉が詰まる。
「ギルバーアトラスは生き残るためにも武力を高め、地上へと上がるべきだと。侵略を考えています。もちろんジャイルレイカー様は反対しました。侵略を進めば、殲滅は避けられなくなる。避けるべきだと。それから、ギルバーアトラスを幹部から除名しようとしました。ですが、ギルバーアトラスの意見に賛同する者が徐々に増えてきました。それがギルバーアトラスが作られたネットで洗脳されていたことに後で知りました」
「ネット?」
「おそらくギルバーアトラスと繋がり、徐々に意識を奪い、把握しているんです」
それもロストテクノロジーの一種だろう。
「気づいた時には遅く、ギルバーアトラス側の勢力が増しました。ギルバーアトラスを倒すためにジャイルレイカー様が率いて戦いを始めたんです。それでも原因となるネットも見つからず、戦況が悪化するばかりです。そんな時に魔女が現れました」
なんとタイミングが悪い。
「魔女は、あらがねくだきの魔女ヴィヴィ・グレムリンと言います。見た目は子供のようですが、かなりの力を持っています。電気や鉱物を操り、仲間を人形のように振り回し、たたきつけ、食べました」
バーストイーグルの手が震えている。
「その隙を狙ってジャイルレイカー様は敵の手に捕まり、ギルバーアトラスが勝利宣言をしたことで戦いは終わりました。魔女は満足すれば眠くなると知り、ネットに洗脳できないものは、武器を取り上げ、皆魔女の餌食になりました。僕は咄嗟に逃げ、身を隠していました」
「ネットに洗脳できないってどういうことよ」
「洗脳できないように、私たちの中で防衛システムがあります。耐えられる者もいます」
「そういうこと」
思っていた以上にややこしい。
「ジャイルレイカーはその後どうなったの」
「捕まってからは全く情報がつかめていません」
「ん~」
頭が痛くなる。
もし魔女を倒したとしてもギルバーアトラスのことは解決できない。侵略まで考えている。ロストテクノロジーだから、被害も予想できない。人間がさらに減り、聖女も生まれなくなる。
せめてジャイルレイカーの詳細が分かればいいが、生きていなければ最悪だ。
どうする。
ちゅ~ちゅ~
ネズミの声。声した方に小さな穴からネズミが見える。
「マズイ!こっちにくる!」
「え?」
「こちらへ」
バーストイーグルに引っ張られる。
別の洞穴から出ることになった。
「早くこの場から・・・」
その時、バーストイーグルはジャンヌを押す。
そこに光線が伸び、岩に当たった。ジャンヌは態勢を取り、ロザリオを構える。
顔を上げれば、サイ、サソリ、ウマがいた。しかもサソリに至っては、サイとウマと同じ大きさ。人型に変身し、腕から光線や弾が飛び出す。
『呪い』を使っているかもわからないから、避けてから、白い炎をぶつける。
ウマのメタルビーストに当たるが、ぶつけてもびくともしなかった。『光』が効かない。だったら、物理で攻撃するしかない。
「操られているだけです!」
「手加減できるかは保障できないから!」
とりあえず退散に徹底する。
ジャンヌは白い炎を壁のように広げる。
「逃げるよ!」
走り出そうとするが、バーストイーグルは緑の光線に当たる。
あの光線はどこから。
よく見れば、岩陰にメタルビーストが隠れていた。もう一体いたのか。
バーストイーグルはハクトウワシに戻り、サイのメタルビーストに抑えられる。
「バー!」
ジャンヌの背後に何かが軽く突いた。
「ご同行お願いいたします」
もういきなりややこしくなることが目に見えた。
「聖女様にも我々のご先祖様が犯したことを耳に入っていると思います。過去を繰り返させないようにジャイルレイカー様は、この国を変えようと尽くしています」
「ジャイルレイカーって?」
「ジャイルレイカー様は、この国の最高司令官です。我々が変えなければ、生き残ることも、過去のことも、争いも止められないと。ですが・・・」
言葉が詰まる。
「ギルバーアトラスは生き残るためにも武力を高め、地上へと上がるべきだと。侵略を考えています。もちろんジャイルレイカー様は反対しました。侵略を進めば、殲滅は避けられなくなる。避けるべきだと。それから、ギルバーアトラスを幹部から除名しようとしました。ですが、ギルバーアトラスの意見に賛同する者が徐々に増えてきました。それがギルバーアトラスが作られたネットで洗脳されていたことに後で知りました」
「ネット?」
「おそらくギルバーアトラスと繋がり、徐々に意識を奪い、把握しているんです」
それもロストテクノロジーの一種だろう。
「気づいた時には遅く、ギルバーアトラス側の勢力が増しました。ギルバーアトラスを倒すためにジャイルレイカー様が率いて戦いを始めたんです。それでも原因となるネットも見つからず、戦況が悪化するばかりです。そんな時に魔女が現れました」
なんとタイミングが悪い。
「魔女は、あらがねくだきの魔女ヴィヴィ・グレムリンと言います。見た目は子供のようですが、かなりの力を持っています。電気や鉱物を操り、仲間を人形のように振り回し、たたきつけ、食べました」
バーストイーグルの手が震えている。
「その隙を狙ってジャイルレイカー様は敵の手に捕まり、ギルバーアトラスが勝利宣言をしたことで戦いは終わりました。魔女は満足すれば眠くなると知り、ネットに洗脳できないものは、武器を取り上げ、皆魔女の餌食になりました。僕は咄嗟に逃げ、身を隠していました」
「ネットに洗脳できないってどういうことよ」
「洗脳できないように、私たちの中で防衛システムがあります。耐えられる者もいます」
「そういうこと」
思っていた以上にややこしい。
「ジャイルレイカーはその後どうなったの」
「捕まってからは全く情報がつかめていません」
「ん~」
頭が痛くなる。
もし魔女を倒したとしてもギルバーアトラスのことは解決できない。侵略まで考えている。ロストテクノロジーだから、被害も予想できない。人間がさらに減り、聖女も生まれなくなる。
せめてジャイルレイカーの詳細が分かればいいが、生きていなければ最悪だ。
どうする。
ちゅ~ちゅ~
ネズミの声。声した方に小さな穴からネズミが見える。
「マズイ!こっちにくる!」
「え?」
「こちらへ」
バーストイーグルに引っ張られる。
別の洞穴から出ることになった。
「早くこの場から・・・」
その時、バーストイーグルはジャンヌを押す。
そこに光線が伸び、岩に当たった。ジャンヌは態勢を取り、ロザリオを構える。
顔を上げれば、サイ、サソリ、ウマがいた。しかもサソリに至っては、サイとウマと同じ大きさ。人型に変身し、腕から光線や弾が飛び出す。
『呪い』を使っているかもわからないから、避けてから、白い炎をぶつける。
ウマのメタルビーストに当たるが、ぶつけてもびくともしなかった。『光』が効かない。だったら、物理で攻撃するしかない。
「操られているだけです!」
「手加減できるかは保障できないから!」
とりあえず退散に徹底する。
ジャンヌは白い炎を壁のように広げる。
「逃げるよ!」
走り出そうとするが、バーストイーグルは緑の光線に当たる。
あの光線はどこから。
よく見れば、岩陰にメタルビーストが隠れていた。もう一体いたのか。
バーストイーグルはハクトウワシに戻り、サイのメタルビーストに抑えられる。
「バー!」
ジャンヌの背後に何かが軽く突いた。
「ご同行お願いいたします」
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