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海の仕置人③
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アマビエが水浴びしたいということで近くの湖に行く。
湖で伸び伸びと気持ちよく泳いでいた。
「海に戻れないから時々水浴びさせているんだ」
泳ぐアマビエをジャンヌとキンタロウが木陰で見ていた。
「まあ、魚だしね」
キンタロウを見る。
「言える範囲でいいけど」
「なんだ?」
「アマビエが魔力を使えない理由。訊いてもいい?」
アマビエと会った時、今魔力は使えないと言った。何かあって魔力を使えないといったところだろう。
「やっぱり気になるか」
「まあね」
軽く返す。
「それって場合によってあるか」
キンタロウが軽くにらみつけられた。
「単に気になっているだけよ。私は仕事を真面目にする気ないから」
「それでも聖女かよ」
キンタロウが軽く笑う。
「アマビエは魔女の子供だけど、いろいろあって使えないんだ」
「魔族だとは思っていたけど、魔女の子供だったのか」
「そうか。聖女は常に『光』で周囲を浄化しているから、そういうのは分からないのか」
「そうよ。でも魔女の子供なら、なおさら」
身を守るくらいの力が宿っていそうだか。
「その辺はあまり教えてくれなかった。どうも嫌なことを思い出させているようだった」
「じゃあ魔力が使えないなら、どうして地上で浮かんでいるのよ」
「確かにな。その辺は母ちゃんが何か分かっているみたいだけど。話してくれなかった」
「そうなの」
セツコでさえ、息子のキンタロウでも教えなかった。魔女で分かるとしたら、魔女関連だろうか。
「俺が知っているのはそこまでだ」
「そう。言ってくれてありがとう」
「どういたしまして。けど・・・」
キンタロウが言葉を詰まる。
「全く使えないわけじゃないんだよな・・・」と軽く頬をかく。
「ん?それって・・・」
「あああああああああああああ」
アマビエの叫び声。
アマビエは湖から飛び出したが、湖から伸びた触角に絡まれる。アマビエが湖に引っ張られる。
ジャンヌが飛び出し、ロザリオで触角を切る。すぐにアマビエの腕を引っ張る。
「早く!」
湖から水柱が伸び、すぐに避ける。次の水柱が伸び、キンタロウを森の奥へと押す。
「おい!」
また湖から触角が伸び、ジャンヌとアマビエを絡め、そのまま湖に引き込まれる。
湖で伸び伸びと気持ちよく泳いでいた。
「海に戻れないから時々水浴びさせているんだ」
泳ぐアマビエをジャンヌとキンタロウが木陰で見ていた。
「まあ、魚だしね」
キンタロウを見る。
「言える範囲でいいけど」
「なんだ?」
「アマビエが魔力を使えない理由。訊いてもいい?」
アマビエと会った時、今魔力は使えないと言った。何かあって魔力を使えないといったところだろう。
「やっぱり気になるか」
「まあね」
軽く返す。
「それって場合によってあるか」
キンタロウが軽くにらみつけられた。
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「それでも聖女かよ」
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「そうか。聖女は常に『光』で周囲を浄化しているから、そういうのは分からないのか」
「そうよ。でも魔女の子供なら、なおさら」
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「確かにな。その辺は母ちゃんが何か分かっているみたいだけど。話してくれなかった」
「そうなの」
セツコでさえ、息子のキンタロウでも教えなかった。魔女で分かるとしたら、魔女関連だろうか。
「俺が知っているのはそこまでだ」
「そう。言ってくれてありがとう」
「どういたしまして。けど・・・」
キンタロウが言葉を詰まる。
「全く使えないわけじゃないんだよな・・・」と軽く頬をかく。
「ん?それって・・・」
「あああああああああああああ」
アマビエの叫び声。
アマビエは湖から飛び出したが、湖から伸びた触角に絡まれる。アマビエが湖に引っ張られる。
ジャンヌが飛び出し、ロザリオで触角を切る。すぐにアマビエの腕を引っ張る。
「早く!」
湖から水柱が伸び、すぐに避ける。次の水柱が伸び、キンタロウを森の奥へと押す。
「おい!」
また湖から触角が伸び、ジャンヌとアマビエを絡め、そのまま湖に引き込まれる。
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