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靴足の魔女⑧
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「マズイって!」
空を隠すほどの大きい足が迫ってくる。このまま落ちてきたら、街がなくなる。
「助けてー」「あああ」「ここから出して!」
耳が痛くなるほどに叫び声が響く。よく見れば、街の端に薄い光の壁が見える。結界が張っているのか。住民をこの町から逃がさないために。
早く魔女を殺さないと。
ジャンヌが飛び出そうとしたが、目の前に伸ばした足が迫ってくる。避けても上から下から右から左からも来る。
「踏め踏め踏め!」とカーレンは狂気交じりの声で何度も繰り返す。
白い炎を飛ばす。カーレンの前に下から足の壁ができ、防がれる。
すかさず、ロザリオから白い結晶の刃を飛ばす。
また下から足が伸びようとしたところで地面が崩れ、足が伸ばすこともなく消える。白い結晶の刃はカーレンの体に刺す。顔の横に腕を前に出し、腕に白い結晶の刃が刺す。
周囲を見れば、アキセがグロープをつけた手を地面に触れ、そこから地面が割れていた。地面を崩れたのはアキセだった。
「痛い・・・」
カーレンが向いた。
「邪魔をするな!みんな踏み・・・」と急にカーレンが倒れる。
「は?」
その時、上から迫ってくる巨大な足が消えていく。
「今度は何・・・」
何もしていないのに、カーレンが倒れ、上空から迫ってくる巨大な足が消えた。
「おまえがやったのか」
アキセが近づいてきた。
「何もしていない・・・」
倒れたカーレンを見る。
「なんで・・・」
カーレンは足の方を向く。裾を引っ張れば、足が生えていた。
どういうこと。
「なんで・・・今なの・・・」
カーレンも驚いている。
「どうして!デッドがいた時に生えなかったの!」
カーレンが嘆く。
「重いよ!動けないよ!踏めないよ!歩けないよ!こんなの足じゃない。いらないいらないいらなあああああああああああああああああああああああああああああああい!」
デッドが亡くなった後に望んでいた足が生えたが、動くこともできない。
「もうヤダ・・・もういやだ・・・デッドもいない・・・動けない足もいらない・・・」
カーレンは頭を抱え、涙を流す。飛び散ったガラスの破片を手に取り、自身の生えた足に刺す。
「いらない!いらない!いらない!」と何度も。何度も。痛がる様子もなく何度も刺す。傷から黒いモヤが漏れていく。
次に右目、左目、胸に刺す。カーレンが倒れ、体が散りになっていく。
「あ・・・これで・・・デッドに会える・・・かな・・・このくらいなら・・・叶えて・・くれるよね・・・」
カーレンは黒い散り状になって消える。
空を隠すほどの大きい足が迫ってくる。このまま落ちてきたら、街がなくなる。
「助けてー」「あああ」「ここから出して!」
耳が痛くなるほどに叫び声が響く。よく見れば、街の端に薄い光の壁が見える。結界が張っているのか。住民をこの町から逃がさないために。
早く魔女を殺さないと。
ジャンヌが飛び出そうとしたが、目の前に伸ばした足が迫ってくる。避けても上から下から右から左からも来る。
「踏め踏め踏め!」とカーレンは狂気交じりの声で何度も繰り返す。
白い炎を飛ばす。カーレンの前に下から足の壁ができ、防がれる。
すかさず、ロザリオから白い結晶の刃を飛ばす。
また下から足が伸びようとしたところで地面が崩れ、足が伸ばすこともなく消える。白い結晶の刃はカーレンの体に刺す。顔の横に腕を前に出し、腕に白い結晶の刃が刺す。
周囲を見れば、アキセがグロープをつけた手を地面に触れ、そこから地面が割れていた。地面を崩れたのはアキセだった。
「痛い・・・」
カーレンが向いた。
「邪魔をするな!みんな踏み・・・」と急にカーレンが倒れる。
「は?」
その時、上から迫ってくる巨大な足が消えていく。
「今度は何・・・」
何もしていないのに、カーレンが倒れ、上空から迫ってくる巨大な足が消えた。
「おまえがやったのか」
アキセが近づいてきた。
「何もしていない・・・」
倒れたカーレンを見る。
「なんで・・・」
カーレンは足の方を向く。裾を引っ張れば、足が生えていた。
どういうこと。
「なんで・・・今なの・・・」
カーレンも驚いている。
「どうして!デッドがいた時に生えなかったの!」
カーレンが嘆く。
「重いよ!動けないよ!踏めないよ!歩けないよ!こんなの足じゃない。いらないいらないいらなあああああああああああああああああああああああああああああああい!」
デッドが亡くなった後に望んでいた足が生えたが、動くこともできない。
「もうヤダ・・・もういやだ・・・デッドもいない・・・動けない足もいらない・・・」
カーレンは頭を抱え、涙を流す。飛び散ったガラスの破片を手に取り、自身の生えた足に刺す。
「いらない!いらない!いらない!」と何度も。何度も。痛がる様子もなく何度も刺す。傷から黒いモヤが漏れていく。
次に右目、左目、胸に刺す。カーレンが倒れ、体が散りになっていく。
「あ・・・これで・・・デッドに会える・・・かな・・・このくらいなら・・・叶えて・・くれるよね・・・」
カーレンは黒い散り状になって消える。
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