魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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自己解決したい末路④

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 まさかコウガイジとゴクウの知り合いだったとは。
 力は封印されているから、この状況をどうするべきか。
 ジャンヌは土の檻の中で必死に逃げる方法を考える。いっそのことアニエスを差し出して逃げるか。
「作戦はいったな」
 コウガイジは口と手を鎖で縛りつけたアキセを踏みつける。
「こいつは指輪がなければ、何にもできないからな。いい気味だ」とコウガイジがアキセに3つの指輪を見せびらかす。
 てか、こいつが作戦を使うってどういうことよ。バカなのに。
「つーか。レイガン。こいつにそんなことをやられたのか」とさらに軽く笑うコウガイジはアキセを踏む。
「おまえに一番バカにされたくないんだかな」と切れ気味に言うレイガン。
「あとアマビエをまた追いかけているのか。だったら俺が!」
「絶対におまえに渡すか!」
 レイガンがコウガイジの首を絞めながらアキセを踏みつける。
「分かったから・・・離せ・・・」
 レイガンは手を離す。
「これもウィム様のおかげだわ。聖女と魔女が『主導権握り指輪』で力が使えないって聞いて。すぐに実行してよかったわ」
「「それが!!」」
 ジャンヌとアニエスはハモる。
 やっぱりあの指輪だったのか。本当に聖女と魔女も効くコルンの発明品はレベルが高すぎる。それに後でウィムを殴り殺す。
「バカ!道具のことを言うな!」
 ゴクウは言う。
「言ってもどうせ。こい!」
 ゴクウはコウガイジの口を抑える。
「これ以上言うな!」
コウガイジは手を払う。
「なんでだよ!」
「それ以上言ったら失敗しそうだからだ!」
「訳分からんことを言うな」
「おまえならありえる」とレイガンが顔を縦に頷く。
「レイガンも訳の分からんことを。この指輪を使うのか。アマビエにぃいいいいいいいいい」
 またコウガイジの首を絞める。
「俺はそこまで落ちぶれてないいいいいいいいいいいいいいい!」
「うわきしてるじゃん」とウパスケが横から言う。
「なあ。さっさとこいつを沈めよーぜ」
 ゴクウはアキセを指す。
「だったらぼくがたべる」とウパスケは言う。
「やめろ。おなかこわすぞ」
「えー」
 食べてもいいよ。
「まさか。これで動きを封じたとはな」とレイガンはウパスケから取り出した弾を見て言う。
 アキセの魔術の一種だろう。レイガンの手で潰される。
「さて。こいつを沈めるか。ほーれ!」
 レイガンとゴクウはアキセを持ち上げて、湖に落とす。
 よっしゃーアキセが死んだ。
「ウパスケ。念のため、見てきてくれないか。死んだら上がってこい」
「わかった」
 ウパスケは湖に入る。
「よし。やるぞ」とよだれを出すコウガイジと目が合う。
 コウガイジの手がいやらしく指を動く。
 しまった。喜んでいる場合ではない。
「俺魔女から」とゴクウは言う。
 アニエスがぴくっと反応した。
「この魔女からで」とジャンヌはアニエスを押す。
「あなたも何を!」
「聖女は潔く観念しろよ。可愛くしてやるから」
 ゴン!
 レイガンとゴクウの頭に岩がぶつかり、そのまま倒れる。
 その後ろにイルが立っていた。
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