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自己解決したい末路①
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「本当にいいんすか」とクノは訊き、「はい」とアニエスは迷いことなく答える。
「いつまでも先輩に頼りっきりはいけませんので!」
「心意気はいいですけど、できますか?」
「これは自分で解決したいと思います」
「分かりましたっす。じゃあ、困ったとしても助けませんすよ」
「大丈夫です!頑張ります!」
アニエスは意気込む。
これは自分で解決しなければ。
アキセと会えば、ハープ弓を回収される。それは、コルンの発明品である指輪に登録され、視界に入れば、指輪の中にしまってしまうという。しかも指輪を出し入れができるのも契約者であるアキセのみ。
つまり、ハープ弓が指輪の中にしまっては何もできない。取り戻すためにもいやらしい取引をしなければいけない。
クノに頼めば、早い話だか、これは自分で対決しなければならない。男嫌いも治す機会でもある。
空からアキセ・リーガンを確認できた。500メートルも離れているからさすがにバレない。
契約者が死ねば、指輪は解除される。だから、一発で頭を狙ってこの世を去ってもらう。
弓を構えるが、アキセが一瞬で消える。
「え?」
弓が消える。
「は!」
後ろから肩を触られる。
「いや~ちょうどよかった」と空を飛んでいるアキセがさわやかに笑う。
「いやああああああああああああああああああああああああああ」
「ということがあったんすよ」
クノは影に刀を刺し、動けなくなったイルに言う。
「そんなに心配しているなら、おまえがやればいいだろが!」と怒鳴る。
クノはかなり実力が上のようだから、簡単に解決できるだろうに。
「だってアニエスちゃんと約束したんすよ。自分で解決するって。心配になってみればこれですよ」と腕を頭に回してクノは言う。
「だからってなぜ俺」
「だってアニエスちゃん。イル君を気にしているんっすよ」
クノは手を組んで、腕をぶるぶると振りながら言う。
「はあ?」
今聞き捨てならないことを聞いた。
「あれは完璧に恋してますっすね」
「恋だと!」
なんで魔女に好かれているんだ。こんな見た目で。
「なので、好きになってしまった責任を取ってくださいっす!」とクノは指を差す。
「それは無理があるんだか」
魔女の恋は異常だからまともに相手したくない。
「ちゃんと対応した方がいいっすよ。恋って一歩間違えますととんでもないことになるから。拙者もかわいいアニエスちゃんでいてほしいっす」
思い当たる節がある。振り返っても自己中な魔女に振り回されることに。
「だからイルさんに頼んでいるじゃないっすか。代わりに見てくださいっす」
クノはねだる。
「まあ別に従者にすることもできますけど、それだとジャンヌちゃんとやり合う羽目になりそうで」
「そこまで・・・」
なくない。
「仲良くしてくれる聖女って貴重なんすよ。だからなるべく長く付き合いたいんっすよ」
と言いながらクノはすかさず刀を出す。
軽く脅される。言うことを聞かないと殺すぞと笑顔で訴えている。
「ちゃんと依頼受けてくれれば約束守りますって」
クノはジャンヌより実力が上だから、本当に殺しかけない。だから。
「分かった・・・」と重く吐く。
結局受けるしかない。
イルはクノの依頼を受け、アニエスを探すことにした。
精霊術を使えば、すぐに見つかった。
ただ聞いた話と違っていた。
アキセの元にアニエスともう一人。ジャンヌがいるということ。
「いつまでも先輩に頼りっきりはいけませんので!」
「心意気はいいですけど、できますか?」
「これは自分で解決したいと思います」
「分かりましたっす。じゃあ、困ったとしても助けませんすよ」
「大丈夫です!頑張ります!」
アニエスは意気込む。
これは自分で解決しなければ。
アキセと会えば、ハープ弓を回収される。それは、コルンの発明品である指輪に登録され、視界に入れば、指輪の中にしまってしまうという。しかも指輪を出し入れができるのも契約者であるアキセのみ。
つまり、ハープ弓が指輪の中にしまっては何もできない。取り戻すためにもいやらしい取引をしなければいけない。
クノに頼めば、早い話だか、これは自分で対決しなければならない。男嫌いも治す機会でもある。
空からアキセ・リーガンを確認できた。500メートルも離れているからさすがにバレない。
契約者が死ねば、指輪は解除される。だから、一発で頭を狙ってこの世を去ってもらう。
弓を構えるが、アキセが一瞬で消える。
「え?」
弓が消える。
「は!」
後ろから肩を触られる。
「いや~ちょうどよかった」と空を飛んでいるアキセがさわやかに笑う。
「いやああああああああああああああああああああああああああ」
「ということがあったんすよ」
クノは影に刀を刺し、動けなくなったイルに言う。
「そんなに心配しているなら、おまえがやればいいだろが!」と怒鳴る。
クノはかなり実力が上のようだから、簡単に解決できるだろうに。
「だってアニエスちゃんと約束したんすよ。自分で解決するって。心配になってみればこれですよ」と腕を頭に回してクノは言う。
「だからってなぜ俺」
「だってアニエスちゃん。イル君を気にしているんっすよ」
クノは手を組んで、腕をぶるぶると振りながら言う。
「はあ?」
今聞き捨てならないことを聞いた。
「あれは完璧に恋してますっすね」
「恋だと!」
なんで魔女に好かれているんだ。こんな見た目で。
「なので、好きになってしまった責任を取ってくださいっす!」とクノは指を差す。
「それは無理があるんだか」
魔女の恋は異常だからまともに相手したくない。
「ちゃんと対応した方がいいっすよ。恋って一歩間違えますととんでもないことになるから。拙者もかわいいアニエスちゃんでいてほしいっす」
思い当たる節がある。振り返っても自己中な魔女に振り回されることに。
「だからイルさんに頼んでいるじゃないっすか。代わりに見てくださいっす」
クノはねだる。
「まあ別に従者にすることもできますけど、それだとジャンヌちゃんとやり合う羽目になりそうで」
「そこまで・・・」
なくない。
「仲良くしてくれる聖女って貴重なんすよ。だからなるべく長く付き合いたいんっすよ」
と言いながらクノはすかさず刀を出す。
軽く脅される。言うことを聞かないと殺すぞと笑顔で訴えている。
「ちゃんと依頼受けてくれれば約束守りますって」
クノはジャンヌより実力が上だから、本当に殺しかけない。だから。
「分かった・・・」と重く吐く。
結局受けるしかない。
イルはクノの依頼を受け、アニエスを探すことにした。
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ただ聞いた話と違っていた。
アキセの元にアニエスともう一人。ジャンヌがいるということ。
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