魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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貴腐人の館⑤

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「だめええええええええええええええええええええええええええええ」
 ゴーンとした音とともにイーグスとレオンが離れた。
 誰だと思って見れば、穴が空いた壁の前にいた。水色の長髪。黄色の瞳。ロングスカートとシャツとブラザーを着た。オカマのユーベルがいた。
「私っていう恋人がいながら、浮気なんて!」
「なんでお前が・・・」
「アキセ君が大変だって風の噂で聞いたから急いできたのよ」
 絶対にウィムだろ。
 体中に寒気と鳥肌がする。
「私とするんだから!」
「断る!」
 必死に走りだす。
「待って!アキセきゅうううううううううううううううううううううううん!」
 ユーベルも追いかける。
 そのままユーベルが壊した穴へと逃げる。



「あ~もうちょっとで面白くなるとこだったのに」
 バリーヌはがっかりする。
「オカマか」
「ユーベルじゃないか。かなりの肉食だからな」
「オカマもあり?」
「あり!」
 アリスは鼻に血を垂らしながら言う。
「あ!コゼットちゃん。泣きながら走った」
「イーグス。足が重そうだね」
 ユーベルが作った壁の穴から二人とも帰る。
「換気されたし、正気に戻ったのね」
 バリーヌは冷静に解析する。
「帰って書かなきゃ!」
 アリスは一目散に帰っていった。
「「新作待ってまーす」」とタウォンとソミー。
「ここまでか」
「お開きね」



 現在


「大変だったのね・・・」
 あまりにも予想外な出来事でそれしか言えなかった。
「人になったのですぐに逃げました・・・」
 ユビワが泣く。
「あいつといるといやいや見ることになります。塞ぎたくてもできません」
 指輪をしたままセックスするからユビワはだた見ることしかできない。
「でもあれ以上に私には刺激過ぎです!」
 顔を赤くして手で顔を隠す。
「そうだね。刺激が強すぎたね。頑張ったね」
 一番心配なのはレオンだった。レオンはリリスのお気に入りだから、想像できないことをしているはず。今回のことも持ち直せばいいが。
「見つけたぞ・・・」
 声をした方へ向ける。
 体中にキスの跡、破けた服。疲れ切っているアキセが来た。しかも下半身は露出している。
 すかさず白い炎を投げる。
「うわ!」とアキセは避ける。
「何を!」
 アキセも気づき、木陰に隠れる。
「露出魔は消えろ」と低い声を出す。
「ちが!これはって・・・まさか・・・話を聞いたんじゃ・・・」
「もういや!」
 ユビワはジャンヌに抱きつく。
「変質者嫌い!ヘンタイ嫌い!あんなところに戻りたくない!縁を切りたい!契約切りたい!」
「あんた!ユビワちゃんに刺激的なの見せないでよ!」
「俺は女が趣味だ!」
「戻りたくないです!殺してください!」
「殺したくでも、今ギャグに入っているから殺せない」
「せめて殴ってください!」
「そうね。殴るか」
 ジャンヌは手を鳴らす。
「ちょ!待って!」
 その時、ユビワが指輪に戻った。
 指輪をすぐに取るが、目の前で消える。
「あ!」
 押し倒される。アキセに。
「指輪を返しなさいよ」
「それは俺のセリフ」
 よく見れば、服が着替えられている。指輪を取り戻して一瞬で着替えたところか。
「大丈夫。今日はエッチなことをしないから」
 手を伸ばす。
 まさか記憶を奪うつもりか。
「おまえの・・・」
「アキセきゅううううううううううううううん」
 別の声。
 アキセが身震いする。
 声をした方へ向けば、ユーベルがいた。しかも興奮気味。
「続きをしましょう!」とユーベルは飛び出す。
 アキセは必死な顔で走りだす。
「逃がさない!」とユーベルも追いかける。
 よかった。今回は出番少なめで。あの中に入らなくて。



 イーグスもかなり落ち込んでいた。
 媚薬に引っかかったにしろ、自分の行動に吐き下がする。すぐに忘れたいほどに。
 それにあのネコめ。やっと逃げ切ったと思えば、チェシャに飛ばされた。いつか仕返しする。
 視線を感じる。獲物を狙う視線を。飛び出すが、足が何か動けない。さらに腕を赤い紐に絡まれる。
 拘束された。しかも見たことがある。
「久しぶりだな」
 声をした方へ向く。
「バルトロ様・・・」
 以前、メイド服を着せられ、別で世話になった方。
「さあ帰るか」
 イーグスを抱き上げ、帰るのであった。



「コゼット。よかったね。またオファーきているわよ」とリリスは、ベッドの布団の中でこもっているレオンに言う。
「イヤだああああああああああああああああああああああああああああああああ」
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