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貴腐人の館③
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「離れろ」
アキセはレオンを引き離す。
「どうして。僕のことが嫌いなの」
一人称変わっている。
「何かいけないの。血を繋がっているから。兄弟だから。男だから」
「言っていることを全部だ!」
「だったら気にしないで」
「気にするだろうが!」
レオンを押し飛ばし、アキセは走る。
「きゃ!」とレオンが女のような声を出した瞬間、アキセは倒れ込む。
なぜだ。あの声を聞いただけで興奮してきた。今見たらやってしまう。
レオンが本気で色気を出すとリリムでも惑わすのか。
急に顎を触られ、持ち上げられる。
「見つけました」
イーグスだった。
「なんでおまえがいるんだああああああああああああああああああああああああ」
しかも媚薬に引っかかっているし。
「そんな大声を出すのですか。そんなに僕が恋しかったのですか」
イーグスの顔が徐々に近づく。
「待って!」
ドン。
「僕のお兄さまに何をするの!」
――今おまえに頭をたたきつけられた。
しかも肩甲骨の上にレオンが乗っている。重い。
「君は彼とは兄弟ではないか」
「兄弟でも好きになってはいけないことはないの!」
「でも結局は兄弟までですよ。それ以上の関係にはいかないんですよ。だから大人しく帰りたまえ」
「お兄さまを連れて帰る!」
こいつら調子に乗るな。
男同士の取り合いが望みではない。
アキセが指飾りを召喚し、記号を描く。風が発生する。
壁に当たる音。体が軽くなった。
すぐに起きあがり、走りだす。
それでも後ろから音が迫ってくる。
「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ!」」
アリスとソミーがお互い抱き合いながらウサギのようにぴょんぴょん跳ねる。
「おお。白の吸血鬼のイーグスじゃないか」
タウォンは言う。
「よく連れてきたな。彼。一度逃げだしたら見つけるのが難しいのに」とバルトロは言う。
「それはチェシャのおかげ」
「チェシャ?」とバリーヌは訊く。
「前世からの従者。消えたり、空間をいじるの得意なんだ。今、赤の従士のしゅらちゃんのところにいるのよ。で、チェシャが彼を知っているから頼んだの」
「そうなの」
「前からイーグスを誰と組み合わせようか考えていたの。で、チェシャに勧められたの」
「なんでこの組み合わせなのってそういうことね」
「あ!ベッドに追い込んだ」とソミーが言った途端に一斉に映像を向ける。
アキセはレオンを引き離す。
「どうして。僕のことが嫌いなの」
一人称変わっている。
「何かいけないの。血を繋がっているから。兄弟だから。男だから」
「言っていることを全部だ!」
「だったら気にしないで」
「気にするだろうが!」
レオンを押し飛ばし、アキセは走る。
「きゃ!」とレオンが女のような声を出した瞬間、アキセは倒れ込む。
なぜだ。あの声を聞いただけで興奮してきた。今見たらやってしまう。
レオンが本気で色気を出すとリリムでも惑わすのか。
急に顎を触られ、持ち上げられる。
「見つけました」
イーグスだった。
「なんでおまえがいるんだああああああああああああああああああああああああ」
しかも媚薬に引っかかっているし。
「そんな大声を出すのですか。そんなに僕が恋しかったのですか」
イーグスの顔が徐々に近づく。
「待って!」
ドン。
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――今おまえに頭をたたきつけられた。
しかも肩甲骨の上にレオンが乗っている。重い。
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「兄弟でも好きになってはいけないことはないの!」
「でも結局は兄弟までですよ。それ以上の関係にはいかないんですよ。だから大人しく帰りたまえ」
「お兄さまを連れて帰る!」
こいつら調子に乗るな。
男同士の取り合いが望みではない。
アキセが指飾りを召喚し、記号を描く。風が発生する。
壁に当たる音。体が軽くなった。
すぐに起きあがり、走りだす。
それでも後ろから音が迫ってくる。
「「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ!」」
アリスとソミーがお互い抱き合いながらウサギのようにぴょんぴょん跳ねる。
「おお。白の吸血鬼のイーグスじゃないか」
タウォンは言う。
「よく連れてきたな。彼。一度逃げだしたら見つけるのが難しいのに」とバルトロは言う。
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「そうなの」
「前からイーグスを誰と組み合わせようか考えていたの。で、チェシャに勧められたの」
「なんでこの組み合わせなのってそういうことね」
「あ!ベッドに追い込んだ」とソミーが言った途端に一斉に映像を向ける。
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