477 / 642
黒い馬③
しおりを挟む
黒い馬が見えた。
木陰でアキセはライフルのスコープで覗いていた。
予備の武器庫から出した。
ユビワが人になってから用意した。ただコルンの発明品がなく、魔道具だけ。武器庫は解読されば、本人以外でも出せる場合もある。だから魔術でも解読できないコルンの発明品である指輪の中に入れていた。
作戦は簡単。ユニコーン兄弟が襲い、油断したところで捕獲するといったところだった。
黒い馬の恨みと取引で思わず、ユニコーン兄弟と協力したが。
――あいつらバカだから、うまくいくか怪しい。
騒がしくなった。始まったようだ。
スコープを覗く。
向こうから馬の姿をしたユニコーン兄弟が黒い馬を攻撃している。角から黒い刃と飛ばす。それでも黒い馬に当たる気配がない。
いくら『光』で浄化されてもケガ一つはつけてほしいものだ。
仕方がない。
魔術が効かないなら、実弾で目を狙い、動きを抑える。
スコープを除き、黒い馬の目に狙う。魔術が狙いを定め、引き金を引く。
弾は絶対に当たるように魔術が組み込まれている。どんな障害でも妨げないように木を透過していく。弾が黒い馬に近づいた時だった。
黒い馬は、背中から黒く光る片翼が伸ばし、弾を弾く。
「何!」
翼を出すなんて聞いてないぞ。
もう肩翼も伸ばし、翼を大きく羽ばたき、空を飛ぶ。黒い翼が星空のように光り、羽ばたかせば、小さな光を飛ばしていく。雨のように降り、ユニコーン兄弟を襲う。
混乱している隙に、黒い馬がユニコーンの一体を押しつぶす。
ユニコーンがすぐに黒い刃を飛ばす。黒い馬は羽ばたき、小さな光を飛ばす。小さな光が黒い刃を浄化し、黒い馬がユニコーンの一体を突進する。さらに押しつぶされたユニコーン立ち上がったところで、また突進する。
意外に強い。ここは一旦引かなければ。
その時、黒い馬が空に飛んだ。
やばい。こっちに迫ってくると思った矢先に上から小さな光が雨のように降ってくる。
「うわ!」
結界を作る間もなく、避ける間もなく襲ってくる。
どしんと重い音がする。
黒い馬が見下ろしている。
前足を上げる。
そのまま潰すつもりか。
その時、黒い馬の視線が変わり、前足はアキセの肩の上に踏んだ。
あの勢いだったら、肩を潰す勢いだった。
その隙に指飾りを召喚し、指を軽く振る。
事前に魔術を仕掛けた木を動かし、黒い馬をたたきつける。
黒い馬が飛ばし、木にぶつかる。
黒い馬が横になった隙に、指飾りで木を操作する。木をそのまま馬を押し付ける。
これで動かなくなった。
直接陣に触れなければ魔術は浄化されないから、木を動かせた。
黒い馬を捕獲したことに一息つく。
――あっちの方もうまくいったようだ。
木陰でアキセはライフルのスコープで覗いていた。
予備の武器庫から出した。
ユビワが人になってから用意した。ただコルンの発明品がなく、魔道具だけ。武器庫は解読されば、本人以外でも出せる場合もある。だから魔術でも解読できないコルンの発明品である指輪の中に入れていた。
作戦は簡単。ユニコーン兄弟が襲い、油断したところで捕獲するといったところだった。
黒い馬の恨みと取引で思わず、ユニコーン兄弟と協力したが。
――あいつらバカだから、うまくいくか怪しい。
騒がしくなった。始まったようだ。
スコープを覗く。
向こうから馬の姿をしたユニコーン兄弟が黒い馬を攻撃している。角から黒い刃と飛ばす。それでも黒い馬に当たる気配がない。
いくら『光』で浄化されてもケガ一つはつけてほしいものだ。
仕方がない。
魔術が効かないなら、実弾で目を狙い、動きを抑える。
スコープを除き、黒い馬の目に狙う。魔術が狙いを定め、引き金を引く。
弾は絶対に当たるように魔術が組み込まれている。どんな障害でも妨げないように木を透過していく。弾が黒い馬に近づいた時だった。
黒い馬は、背中から黒く光る片翼が伸ばし、弾を弾く。
「何!」
翼を出すなんて聞いてないぞ。
もう肩翼も伸ばし、翼を大きく羽ばたき、空を飛ぶ。黒い翼が星空のように光り、羽ばたかせば、小さな光を飛ばしていく。雨のように降り、ユニコーン兄弟を襲う。
混乱している隙に、黒い馬がユニコーンの一体を押しつぶす。
ユニコーンがすぐに黒い刃を飛ばす。黒い馬は羽ばたき、小さな光を飛ばす。小さな光が黒い刃を浄化し、黒い馬がユニコーンの一体を突進する。さらに押しつぶされたユニコーン立ち上がったところで、また突進する。
意外に強い。ここは一旦引かなければ。
その時、黒い馬が空に飛んだ。
やばい。こっちに迫ってくると思った矢先に上から小さな光が雨のように降ってくる。
「うわ!」
結界を作る間もなく、避ける間もなく襲ってくる。
どしんと重い音がする。
黒い馬が見下ろしている。
前足を上げる。
そのまま潰すつもりか。
その時、黒い馬の視線が変わり、前足はアキセの肩の上に踏んだ。
あの勢いだったら、肩を潰す勢いだった。
その隙に指飾りを召喚し、指を軽く振る。
事前に魔術を仕掛けた木を動かし、黒い馬をたたきつける。
黒い馬が飛ばし、木にぶつかる。
黒い馬が横になった隙に、指飾りで木を操作する。木をそのまま馬を押し付ける。
これで動かなくなった。
直接陣に触れなければ魔術は浄化されないから、木を動かせた。
黒い馬を捕獲したことに一息つく。
――あっちの方もうまくいったようだ。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
公爵閣下に嫁いだら、「お前を愛することはない。その代わり好きにしろ」と言われたので好き勝手にさせていただきます
柴野
恋愛
伯爵令嬢エメリィ・フォンストは、親に売られるようにして公爵閣下に嫁いだ。
社交界では悪女と名高かったものの、それは全て妹の仕業で実はいわゆるドアマットヒロインなエメリィ。これでようやく幸せになると思っていたのに、彼女は夫となる人に「お前を愛することはない。代わりに好きにしろ」と言われたので、言われた通り好き勝手にすることにした――。
※本編&後日談ともに完結済み。ハッピーエンドです。
※主人公がめちゃくちゃ腹黒になりますので要注意!
※小説家になろう、カクヨムにも重複投稿しています。
側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。
旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします
暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。
いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。
子を身ごもってからでは遅いのです。
あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」
伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。
女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。
妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。
だから恥じた。
「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。
本当に恥ずかしい…
私は潔く身を引くことにしますわ………」
そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。
「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。
私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。
手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。
そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」
こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。
---------------------------------------------
※架空のお話です。
※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。
※現実世界とは異なりますのでご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる