魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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黒い馬②

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 ドン!
 アキセは森の中に顔から落ちた。
「あの馬やろ!」と一番に叫んだ。
 顔に蹴りやがって。絶対にやり返す。
「「お~兄弟!」」
 この声。この気配。声の方へ向く。
 頭に角が生えた男で下半身が馬。二人の顔が同じの双子。以前に会ったユニコーン兄弟でしかも同じリリムだということ。
「久しぶりだな!」
 ユニコーン兄弟が気安く近寄るので、銃を構える。
予備の武器庫である海中時計から召喚している。
「おまえら、まだ生きていたのか・・・」
 確か、雷馬の魔女に連れられて、しかも逃げられたと言っていた。
「何勝手に殺すんだ」
「あのバアバアから逃げるの。大変だったんだぞ」
「知らん!」
 引き金に指をかける。
「あ!撃つな!」
「しまえって!いい話があるんだよ」
「手伝ってくれよ」
 何を言い出すかと思えば。
「俺たちは聖獣(ルーチェス)の馬を退治したいんだ」
 聖獣(ルーチェス)。『光』を操る獣の総称。
「黒い馬のことか」
「おう。もう会ったのか」
「話が早い」
「せっかくの狩場を見つけたんだけど。あいつが邪魔するんだよ」
「協力したらさ。処女を分け前にしてやるからさ」
「よし。やろう!」
 決断は早めに。



 黒い馬はどこかに案内しようとしている。
 ユビワはずっと黒い馬に押されている。
 やっと黒い馬が止まったと思えば、森の先に建物が見えた。村のようだ。
「もしかして。村まで案内してくれたの?」
 迷子と思われていたようだ。
 黒い馬は軽く縦に振り、去ろうとした時だった。
「馬が現れたぞー」と声が上がった。
 声をした先を向けば、農具をもってくる村人たちが走ってくる。
 黒い馬は走っていく。
 どういうこと。
「君。大丈夫?」
 一人の村人に声をかけられる。
「見ない顔だね」
「あの~あの馬をどうして追いかけるのですか?」
「あの馬が子供を攫おうとするんだ!」
「え?それはどういうことですか」
「子供が急に消えるんだ。すぐには見つかるんだか、いつもあの馬が現れるんだ」
 黒い馬は村まで案内してくれた。誘拐するとは思えない。
 確かめるために隙を狙って、村人から去る。
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