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抜歯の魔女⑤
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「あら。イケメン」と真っ白な顔を赤らめる。
『呪い』が可視化した黒いモヤが漏れている。どう見ても魔女しか考えられない。
イーグスと目が合う。
「どうします?一緒に退治してくれますか」
「絶対にいや!」
「それではお望みのままに。ハニー」
イーグスが離れる。
「おま!」
押し付けられた。
その時、何かが振り下ろされる。
動けない体を転がして避ける。
いた場所には、頭部が鉄で歯が多くつき、細い十字槍が床を刺した。
「何。彼女なの」と魔女は見下ろす。
「あいつの言葉を真に受けるな!」
ジャンヌは白い炎を飛ばす。
魔女は避け、距離を取る。すぐに飛び出し、槍を振り下ろす。
貧血で体が動けない。
腕を引っ張られたと思えば、イーグスに抱きかかれ、廃墟の家から飛び出す。
「歯黒(はぐろ)の魔女キリエ・ジャンガラが逃がすと思って!」
キリエが追いかける。
イーグスに抱かれ、一旦キリエから距離を置いた。夜の森の中で木陰に隠れる。
「申しましたよ。一緒に退治しませんかと」
「元はと言えば、あんたでしょうが!」
「お互い様ですよ」
「あんたに一番言われたくない!」
「指輪も返しますよ」
「この・・・」
指輪を人質にとるな。
「協力していただければ、前回のことは水に流しますよ」
「いや、前回のことも自業自得・・・」
その時、イーグスの顔に何かがかすり、奥の木に何かが刺した。それは鉄の刃だった。
イーグスが前に飛び出す。
立っていた木が二つに倒れる。それはキリエが槍で切ったからだった。
さらにキリエが小さく吐き出すと鉄の刃を無数に生み出す。イーグスが手首を軽く振り、無数の赤い刃を生み出す。
赤い刃と黒い刃がぶつかり合うも、黒い刃がさらに細かい刃となり、襲いかかる。
イーグスの肩に刃が刺し、そのまま木に刺される。
その際にイーグスと離れる。
ジャンヌは腹にキリエの蹴りが入り、そのまま木にぶつかる。
――貧血でなければ、こんな魔女を倒せるのに。
キリエが槍を振り下ろす時だった。
キリエの動きが止まった。
「イターイ!」
キリエが顔を抑え、叫ぶ。
急に何。何も攻撃していないのに。
「ちょっと!白の吸血鬼(ヴァンパイア)は私が先に目を付けたんだから!」
アキセを連れて行った魔女が現れた。
「抜歯(ばっし)の魔女エネネ・トゥランス!横取りはさせないからね!」
エネネは怒鳴る。
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イーグスと目が合う。
「どうします?一緒に退治してくれますか」
「絶対にいや!」
「それではお望みのままに。ハニー」
イーグスが離れる。
「おま!」
押し付けられた。
その時、何かが振り下ろされる。
動けない体を転がして避ける。
いた場所には、頭部が鉄で歯が多くつき、細い十字槍が床を刺した。
「何。彼女なの」と魔女は見下ろす。
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ジャンヌは白い炎を飛ばす。
魔女は避け、距離を取る。すぐに飛び出し、槍を振り下ろす。
貧血で体が動けない。
腕を引っ張られたと思えば、イーグスに抱きかかれ、廃墟の家から飛び出す。
「歯黒(はぐろ)の魔女キリエ・ジャンガラが逃がすと思って!」
キリエが追いかける。
イーグスに抱かれ、一旦キリエから距離を置いた。夜の森の中で木陰に隠れる。
「申しましたよ。一緒に退治しませんかと」
「元はと言えば、あんたでしょうが!」
「お互い様ですよ」
「あんたに一番言われたくない!」
「指輪も返しますよ」
「この・・・」
指輪を人質にとるな。
「協力していただければ、前回のことは水に流しますよ」
「いや、前回のことも自業自得・・・」
その時、イーグスの顔に何かがかすり、奥の木に何かが刺した。それは鉄の刃だった。
イーグスが前に飛び出す。
立っていた木が二つに倒れる。それはキリエが槍で切ったからだった。
さらにキリエが小さく吐き出すと鉄の刃を無数に生み出す。イーグスが手首を軽く振り、無数の赤い刃を生み出す。
赤い刃と黒い刃がぶつかり合うも、黒い刃がさらに細かい刃となり、襲いかかる。
イーグスの肩に刃が刺し、そのまま木に刺される。
その際にイーグスと離れる。
ジャンヌは腹にキリエの蹴りが入り、そのまま木にぶつかる。
――貧血でなければ、こんな魔女を倒せるのに。
キリエが槍を振り下ろす時だった。
キリエの動きが止まった。
「イターイ!」
キリエが顔を抑え、叫ぶ。
急に何。何も攻撃していないのに。
「ちょっと!白の吸血鬼(ヴァンパイア)は私が先に目を付けたんだから!」
アキセを連れて行った魔女が現れた。
「抜歯(ばっし)の魔女エネネ・トゥランス!横取りはさせないからね!」
エネネは怒鳴る。
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