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猫の国⑤
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「お~やっぱりやるね~」
リキナが白い箱の上に座ってジャンヌとソニアの戦いを見ていた。
すぐにジャンヌからこっそり指輪を取り戻してよかった。
ジャンヌに向けられている内にアキセは『なんでも遮断マント』で身を隠していた。屋根の上に移動し、リキナの背後に立つ。
リキナには騙され、勝手に飛ばされたこともあり、恨みがある。リキナが気づかない内に懲らしめる。
アキセは転送銃と片眼鏡型スコープを召喚する。
狙った相手に音を鳴らすことなく、直接転送する銃。
近いほど照準が合わせやすく、長距離になれば、照準するのに時間かかるから、近距離でしか使わない。
弾は、『死』の魔女文字を込めた術式弾を使う。
スコープをリキナの頭に合わせて、撃ち出す。
だか、リキナの後ろに白い箱が回転しながら通る。白い箱が爆発する。リキナに何も反応がない。
まさか。あの箱が転送した弾を受けとめたのか。
「戦術的には悪くないけどね」
リキナの周辺から白い箱が3つ浮かぶ。開ければ、風が吹き、フードが下ろされる。
「見つけた」
リキナは白い箱ごと向きを変え、銃を構える。
「あんまり戦うの。苦手なんだよね」
リキナが引き金を引く時、リキナの背後から白い箱が無数に迫る。顔と体に当たり、屋根から落とされる。
リキナは軽く舌を出す。
屋根の上でも白い箱が迫ってくる。
白い箱が開けば、中身が出るなら。
『光』を結晶化し、白い結晶の刃を飛ばす。
迫ってくる白い箱に差し込み、四方に伸ばす。白い箱は力尽きたように落ち、消えていく。
「どうやら開けなければ、中身は出ないようね!」
ジャンヌはロザリオで白い炎を飛ばす。
白い箱に乗ったソニアに飛ばすも、滝が流れ、白い炎を打ち消す。
水までも出せるのか。
よく見れば、ソニアより上空に白い箱から滝が流れていた。
「やるにゃー」
滝が流れ切った後でソニアが姿を見せる。
「炎が使えるのか。だったら」
足場が揺れる。
ジャンヌは咄嗟に前に出る。
屋根から水柱が伸ばす。
建物の中に白い箱を潜んでいるところか。
次々に水柱が屋根から伸ばす。
「やっぱ。火と言ったら水でしょ。定番だよねぇ~」
本当に腹が立つ。ネコのくせに水を使うなんて。
屋根に跳びながら建物から出る水柱を避ける。さらに迫ってくる白い箱もロザリオで払う。
これでは体力や『光』も浪費してしまう。
「よ~し。こうなったら大滝を!」と頭上からソニアの頭にイルが落ちる。
「え?」
攻撃は止む。
イルはソニアを足場にして跳ぶ。ソニアはそのまま地上へと落ちる。
イルは屋根に跳び込む。
「え!イル!?」
「こっちだ」とイルに引っ張られる。
「大丈夫?」と地面に落ちたソニアにリキナは声をかける。
「あ~にぃげられちゃった!」
顔を上げてソニアは悔やむ。
ソニアは胡坐をかき、足元から白い箱が出現し、そのまま乗る。
「そんなにがっかりしないでよ」
リキナが慰める。
「まあ、行く先は決まっているけどね」
リキナが白い箱の上に座ってジャンヌとソニアの戦いを見ていた。
すぐにジャンヌからこっそり指輪を取り戻してよかった。
ジャンヌに向けられている内にアキセは『なんでも遮断マント』で身を隠していた。屋根の上に移動し、リキナの背後に立つ。
リキナには騙され、勝手に飛ばされたこともあり、恨みがある。リキナが気づかない内に懲らしめる。
アキセは転送銃と片眼鏡型スコープを召喚する。
狙った相手に音を鳴らすことなく、直接転送する銃。
近いほど照準が合わせやすく、長距離になれば、照準するのに時間かかるから、近距離でしか使わない。
弾は、『死』の魔女文字を込めた術式弾を使う。
スコープをリキナの頭に合わせて、撃ち出す。
だか、リキナの後ろに白い箱が回転しながら通る。白い箱が爆発する。リキナに何も反応がない。
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「見つけた」
リキナは白い箱ごと向きを変え、銃を構える。
「あんまり戦うの。苦手なんだよね」
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リキナは軽く舌を出す。
屋根の上でも白い箱が迫ってくる。
白い箱が開けば、中身が出るなら。
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迫ってくる白い箱に差し込み、四方に伸ばす。白い箱は力尽きたように落ち、消えていく。
「どうやら開けなければ、中身は出ないようね!」
ジャンヌはロザリオで白い炎を飛ばす。
白い箱に乗ったソニアに飛ばすも、滝が流れ、白い炎を打ち消す。
水までも出せるのか。
よく見れば、ソニアより上空に白い箱から滝が流れていた。
「やるにゃー」
滝が流れ切った後でソニアが姿を見せる。
「炎が使えるのか。だったら」
足場が揺れる。
ジャンヌは咄嗟に前に出る。
屋根から水柱が伸ばす。
建物の中に白い箱を潜んでいるところか。
次々に水柱が屋根から伸ばす。
「やっぱ。火と言ったら水でしょ。定番だよねぇ~」
本当に腹が立つ。ネコのくせに水を使うなんて。
屋根に跳びながら建物から出る水柱を避ける。さらに迫ってくる白い箱もロザリオで払う。
これでは体力や『光』も浪費してしまう。
「よ~し。こうなったら大滝を!」と頭上からソニアの頭にイルが落ちる。
「え?」
攻撃は止む。
イルはソニアを足場にして跳ぶ。ソニアはそのまま地上へと落ちる。
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「え!イル!?」
「こっちだ」とイルに引っ張られる。
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「あ~にぃげられちゃった!」
顔を上げてソニアは悔やむ。
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「そんなにがっかりしないでよ」
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「まあ、行く先は決まっているけどね」
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