魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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猫の国④

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 ここは猫ばかりじゃないか。
 イルはネコたちに追われながらもジャンヌを探していた。
 ここは噂に訊く猫の国だろう。
 精霊術を使おうにも精霊(スピリット)が聞こえない。走って逃げるしかない。臭いでジャンヌを探そうにも獣臭さが強すぎて、鼻が効かない。
 どこにいる。
「くらえ!」と剣を持つ猫。
「にゃー!」と爪を立てる。
 イルは軽くかわす。
 対応できるが、ネコが次々から現れるから切りがない。
 その時、唐突に落ちる。
 下と思ったら、どこかの小道に落ちたようだ。着地できずに体から落ちてしまった。
空からでも落ちたわけでもないのになぜ、落ちた。
「おまえさん。ジャンヌさんの知り合いかい?」
 目の前に縞柄のネコが宙に浮きながら笑う。
「ジャンヌを知っているのか!」
「しゅらさんのお友達なので」
 また魔女に目をつけられているのか。
「それにしても珍しいっすね。魔族(アビス)化しても綺麗に形は保ってますし。合成獣(キメラ)に近い構成してますな」
「いいから。早くジャンヌの居場所を言え」
「せっかちですな。すぐに会えますって」
 シマ猫は指を鳴らす。



 ソニアは白い箱を操る。
 大きさを大小に変える。避けても白い箱から弾や刃物など何か出るか分からない。
 しかもこの狭い小道で戦わせるのが腹立たしい。
 逃げないように白い箱で重ねて壁のように防ぎ、箱からいくつもの光線や刃を飛ばしていく。上に飛ぼうにも上から白い箱が落とし、下へと落とす。その隙に刃を飛ばしていく。
 白い炎を周囲に放ち、白い箱を燃やす。足に白い炎を噴射し、そのまま上空に飛ぶ。
 箱の上にいるソニアに向かう。
ロザリオを振り上げる。
 ソニアは手元に出した杖で、ロザリオを受け止める。そのままロザリオから白い炎を放とうとしたが、横から頭に当たる。
 白い箱が当てに来た。
 離れそうになるもそのまま足を上げ、ソニアの顔を蹴り上げる。態勢を取りながら、三角の屋根に着地する。
「ち」
 ソニアに鋭い目つきをする。
「あ~出で来ちゃった」
 ソニアが楽しくて仕方がない顔で見下ろす。
 魔女にこれ以上付き合いたくない。早くイルと合流しなければいけないのに。
 派手に動いているから気づいてほしいが。
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