魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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良心になっちゃった⑥

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 ジャンヌは足に白い炎を噴射し、空から探していた時に銃声が鳴った。
 音がした方へ向かえば、二人のアキセが姿を見えた。一気に距離を詰め、アキセに直接顔に蹴りを入れる。飛んだアキセは木にぶつかる。
 アキセが指輪をはめて、銃を使っている。
「お前が本物か」
 ジャンヌはすかさずアキセに向かう。
「相手間違えてないか」
 アキセはジャンヌに向かって怒声に言う。
 アキセの発言を無視してアキセに近づく。
「俺は何もしてないからな!被害者だからなって!」
 アキセを蹴り飛ばす。空の彼方へと飛んだ。
「今回はでしょ」と飛んだアキセに言う。
 ジャンヌは木に背中を預けているニセモノを見つめる。苦しそう。右足から血が流れている。
「随分とやられたようね」
 ニセモノに近づく。
「どうして僕を助けたのですか・・・」
 目の前に来る。
「私だって助けたくなかったわよ」
「なおさらどうして・・・」
「指輪がまだ取り戻せるかと思ったのよ」とはっきり返す。
「だったらあいつに攻撃すればよかったのでは。僕にかばうよりは」
「そうね」
「心配してくださったのですね」
 前にも似たようなことがあったような。
「勝手に思えば」
 ニセモノの体が薄くなっていく。
「どうやら効力が切れかけていますね」
「そう。ならいいわ。あんた二人いたらややこしくなるわよ」
「僕をあいつと一緒にしないでくださいよ・・・でも・・・」
 ニセモノは言葉を詰まる。
「一日ももちませんでしたね」
 ニセモノの目が何かもの寂しく見えた。
「まあけど、あいつがあなたに負けるようだったら、あなたの方が優秀ね」
「褒めていただきありがとうございます。あと申し訳ございません」
「何が?」
「あなたにも笑ってくださると思って、あいつの過去を話そうとしたことです」
 アキセの過去を話そうとした時か。
「普通。嫌いな相手の過去を知ろうとしないし、人の過去を詮索するものじゃないから」
「そうですね」とニセモノは苦笑する。
 本物のアキセなら謝るという行為すらしない。そう思うとニセモノの方がマシに見えてくる。絶対に口にしないが。
「じゃあ、さよなら」と行こうとしたが、腕を掴まれ、引っ張られる。
 ニセモノの胸に寄せられる。顔を上げる。
「最後くらいは僕に見せてくださいよ」
 笑ってニセモノは消える。
「何よ・・・」


 一方。
「また失敗した~」
 コルンは悔しながら転がっていく。
「言っちゃいけないけど、言っていい?」と胞子の魔女ピトラ・マッシュ・ミュールは言う。
「何?」
「本人の良心を呼び覚まして、自分から持ってきた方が早かったと思うけど」
「・・・うええええええええええええええええええええええええええええええええええええええん」
 さらにコルンは泣き出すのであった。
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