魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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タタリ解放戦⑥

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「タタリの解放するために、あいつの魔力を使うとは思っていたけど」
「確かにそうですが、あの方が取引にしたとしても素直にしてくれるとは思えないので」
 確かに。
「で、何。我慢できないから吸いに来たわけ。なら吸えば、笑ってやるから」
 今のイーグスにはタタリがかけられている。血を吸えば、イヌの口輪がでるとアリスから訊いている。この際見て笑ってやる。
「ボク、冷静になって考えたんです。あなたの血を吸えば、あの口輪が出ることを」
「だから!」
「つまり、あなたを触っても問題ないことを」
「それが・・・」と一瞬頭が固まった。
――しまった。接触禁止を加えるべきだった。そっちの方に頭を回っていたから肝心なことを気づかなかった。
 タタリの条件はジャンヌの血を吸うこと。接触禁止が含まれていない。
「まあ、接触禁止しても、代わりを探すつもりはないので」
「探しなさいよ!紹介してやるから!」
 後輩はなしだけど。
「あなたの味が美味なので」
「気色悪いセリフを吐くな!」
「あなたが僕のタタリを解いてくれましたら解放しますので」
「は?なんで私が!」
「解ける条件がですね」


 イーグスが別荘で片付けている時だった。
 アリスの書斎でコルンが注文していたものを持ってきた。
「これ、注文していたやつ」
 コルンは机の上にイヌの口輪を渡す。
「どうする?解除条件つける?」
 コルンが折りたためた2枚の板を上げる。
「そうね」
「ちなみに3つまでつけられるけど」
「3つね。じゃあ・・・」
 アリスが考えた結果。
 解いてもらう者は白の聖女ジャンヌ・ダルクであること。
 「あなたのことが好きです。キスして」と言ってからイーグスとキスする。


「ふざけるな!」
ジャンヌの一番の文句。
――もうちょっと考えろよ。アリス。てか、私が罰ゲーム受けているじゃないの
「3つ目はキスしないと分からないようで」
「はあ?まだなんかあるの」
「ええ。コルンの発明品で解析しようとしたところで、あそこで悔しそうに見ている方に壊されてしまいまして」
「余計なことをするな!」
 アキセに怒鳴る。
「言ってくだされば、終わりますよ」
 イーグスがじわじわと体を触ってくる。
「言うもんか!」
 言ってもどうせ、血を吸われるオチが目に見えている。
「人質も考えていましたが、それですとあっさりやってくれると思いますし、それはそれで面白くないので」
「余裕じゃないの」
「ええ。どこまでやるかも見てみたいと」
「本当にサイテー」
 アキセもクズだけど、イーグスも負けずに取らないほどのクズ。
「それでは」
 動けないことをいいことにいやらしく体を触ってくる。腕から徐々に胸へと触ってくる。
「う・・・」
「とても愛らしいですよ」
「ぐ!あんたらの思い通りになってたまるか」
 もう根性で体を動かす。
手の中に小さく結晶の刃を作り、手の中に傷を負わせる。垂れた血をイーグスに向けて振るう。血の一滴がイーグスの口に入った途端にタタリが発動した。
 話に聞いた通り、イヌのマスクに頭にイヌの耳が生えた。
笑いたいが、今はこの場から逃げることに先決。イーグスを蹴る。
逃げる隙を作るために仕方なくアキセを解放せざるえない。『奴隷首輪』を狙おうと白い刃を飛ばすが、アキセの前に風が吹き、白い刃は逸らされる。
 あのアマ。
「そんな簡単にはやらせない」
 ウィムは余裕ぶった顔で見下ろす。
「解放する」
 ウィムの声。だか、ウィムが出した声ではない。
 ウィムも驚いている。
 『奴隷首輪』の解放条件は、付けた者の『解放する』の一言だった。そう、『奴隷首輪』が外れ、アキセが銃を構えていた。
「なんで・・・」
「お前に教えるか!」
 アキセはウィムに銃を撃つ。
 風の球を生み出す。ウィムが大きく振り、風の球を払う。
 今の状態ではまともに戦えない。
 その隙に逃げる。
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