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タタリ解放戦⑤
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これよく考えたら、失敗したかもしれない。
アリスの手の平に踊らせたが、悩みが一つ減った。解放感に浸りたいが、このところ怪しい。
アキセがしばらく現れていないこと。だから1週間以上も警戒していたが、現れる様子もなかった。考えすぎで終わりたいが、何か仕掛けてきそうで。どんな手段を使っているのかは知らないが、イーグスのタタリのことも絶対耳に入っているはず。
こんな警戒する日々が続くと考えると少し後悔している。それでも警戒を怠らずに行動するしかない。
と思った矢先で背後から気配と鳥肌。
足を後ろに回す。何かが当たった。それは腕だけだった。よく見れば、森と一体化したような布がめぐりあがり、姿を見せた。アキセだった。
――くそ。考えた瞬間にこれだよ。
アキセが使っている『なんでも遮断マント』で姿を消して、背後から魔力で気絶させるといったところか。
すぐに距離を取り、ロザリオで白い炎を放つ。当たった様子がない。
避けたか。
だか、急に体が動けなくなった。足元を見れば、影に黒い短剣が刺さっていた。聖女に効くということはまたコルンの発明品だろう。
その時、突然現れたアキセに胸を触られ、力を抜けていく。魔力を使っている。
「胸を触るな!」
「この際触りたいと思いまして」
「この!今度は・・・」
よく見れば、アキセの首に見たことがある首輪をつけられていた。コルンの発明品の『奴隷首輪』だった。
誰かに操られている。だか、胸に触られている時点で操られていようが関係ない。抵抗しようにも力が出せず、腰がつく。影にささった短剣が消えたことで、体が動いたが、それでも体に力が入らない。体力を魔力で奪われた。
「お疲れ様です」と横からアキセを飛ばされ、木にぶつかる。それは、イーグスが蹴ったからだった。
「おまえ!」
そのままイーグスに押し倒される。腕も抑えられる。
「まさか。あいつと組んだの。だからあの首輪をつけたわけ」
「そんなわけないじゃないですか」とすぐに返すイーグス。
「私で~す」
聞いたことのある声。声をした方へ向けば、かざなりの魔女ウィム・シルフだった。
「ウィム・・・」
「だって、彼困っていたから、組みましたー」
「殺すぞ!」
「できるの」とウィムが煽る。
ウィムに白い炎を飛ばそうにも力も出せず、『光』も少なくなっている。悔しいが、抵抗ができない。
「何もしちゃだめよ」
ウィムが向けた先には、アキセが銃を構えていた。攻撃しようとしたところだろうが、『奴隷首輪』の絶対命令で阻止された。
「銃はしまってよ」
銃は消えた。今『奴隷首輪』の権利はウィムのようだ。
「邪魔しないでね。ひざまついて、ここで見ようね」
ウィムはアキセのそばにつく。
「ぐ」とアキセもひざまつく。
もうアキセは何もできない。
「では、ゆっくりしましょうか」
イーグスは言う。
アリスの手の平に踊らせたが、悩みが一つ減った。解放感に浸りたいが、このところ怪しい。
アキセがしばらく現れていないこと。だから1週間以上も警戒していたが、現れる様子もなかった。考えすぎで終わりたいが、何か仕掛けてきそうで。どんな手段を使っているのかは知らないが、イーグスのタタリのことも絶対耳に入っているはず。
こんな警戒する日々が続くと考えると少し後悔している。それでも警戒を怠らずに行動するしかない。
と思った矢先で背後から気配と鳥肌。
足を後ろに回す。何かが当たった。それは腕だけだった。よく見れば、森と一体化したような布がめぐりあがり、姿を見せた。アキセだった。
――くそ。考えた瞬間にこれだよ。
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避けたか。
だか、急に体が動けなくなった。足元を見れば、影に黒い短剣が刺さっていた。聖女に効くということはまたコルンの発明品だろう。
その時、突然現れたアキセに胸を触られ、力を抜けていく。魔力を使っている。
「胸を触るな!」
「この際触りたいと思いまして」
「この!今度は・・・」
よく見れば、アキセの首に見たことがある首輪をつけられていた。コルンの発明品の『奴隷首輪』だった。
誰かに操られている。だか、胸に触られている時点で操られていようが関係ない。抵抗しようにも力が出せず、腰がつく。影にささった短剣が消えたことで、体が動いたが、それでも体に力が入らない。体力を魔力で奪われた。
「お疲れ様です」と横からアキセを飛ばされ、木にぶつかる。それは、イーグスが蹴ったからだった。
「おまえ!」
そのままイーグスに押し倒される。腕も抑えられる。
「まさか。あいつと組んだの。だからあの首輪をつけたわけ」
「そんなわけないじゃないですか」とすぐに返すイーグス。
「私で~す」
聞いたことのある声。声をした方へ向けば、かざなりの魔女ウィム・シルフだった。
「ウィム・・・」
「だって、彼困っていたから、組みましたー」
「殺すぞ!」
「できるの」とウィムが煽る。
ウィムに白い炎を飛ばそうにも力も出せず、『光』も少なくなっている。悔しいが、抵抗ができない。
「何もしちゃだめよ」
ウィムが向けた先には、アキセが銃を構えていた。攻撃しようとしたところだろうが、『奴隷首輪』の絶対命令で阻止された。
「銃はしまってよ」
銃は消えた。今『奴隷首輪』の権利はウィムのようだ。
「邪魔しないでね。ひざまついて、ここで見ようね」
ウィムはアキセのそばにつく。
「ぐ」とアキセもひざまつく。
もうアキセは何もできない。
「では、ゆっくりしましょうか」
イーグスは言う。
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