魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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タタリ解放戦④

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 アキセは魔術で岩をどかした。
 一体どこから。
 イーグスは逃げられたようだ。
タタリの正体がまさかイヌのマスクをつけられるとは思わなかった。思い出しただけでも笑ってしまう。
だとしても『光』を含まれた血でタタリは発動するとは思えない。
どうやらアリスはコルンの発明品を使ったようだ。タタリはただのフェイク。コルンの発明品だとしたら、解除する方法が仕掛けている可能性もある。
 それを要求しておもしろくさせようか。確認しようにももう一度、あれを出さないと分からない。
 笑いしすぎて調べそこなった。
――あれ。もしかしたら、これ俺襲われないか。
 ただでこのままするつもりもないし。コルンが教えるとは思えないし。それによく考えたら、あの岩はこんな森の中で自然に落ちてきたとは思えない。
 イーグスとよく組んでいる者を思い出す。
まずい。一旦引くか。
 その時、首に違和感。見覚えがある。つけられた者はなんでも従われる。コルンの発明品『奴隷首輪』だった。
「あ!」
「跪け」
 ドン。頭を地面にたたきつけられる。
 頭がつぶれるじゃないかと思えるほどの衝撃だった。
――忘れた頃に出るな。
「元気だった?」
 この声。
 顔を上げれば、ウィムとイーグスがいた。
やっぱり組んだ。
「こんなもの!」
 魔力で奪い取ろうとするが、「魔力は封じます」とウィムがいったところで首輪に触れても魔力が使えなくなった。
「分かり切った展開をしないでくれよ!」
 思わず声を出して、手を地面にたたく。
「ギャグを言う余裕はあるのね」とウィムに静かに突っ込む。
「うるせ!」
「勝手に逃げちゃダメ。絶対に従いなさい」
「はいはいそうですね」
「もう逆らえないからってやけくそになってるわね」
 魔力を使えなかったところで諦めた。逃げられない。
「ここまで素直ですと毎回楽ですけどね」とイーグスが軽く笑う。
 絶対にさっきの腹いせだ。
「つーかこの首輪。コルンのだろ。また使いやがって」
「アキセに使うって言ったらもらった」
「くそ!」
 コルンもいい加減にあきらめろ。
「素直に答えなさい。彼のコルンの発明品を解析する道具はあるの?」
「はい、こちらです」
 すかさず召喚し、薄いガラス板を手渡してしまう。
 だめだ。体が勝手に動く。
「これどうやって使うのよ?」
「それは『なんでも解析させていただきますパッド』というコルンの発明品です。その板を合わせれば、そのものの情報・解析します」
「あら。便利」
 口も勝手に出る。逃げられないからと分かっていてもやっぱり嫌だ。
 最近手に入れたばかりで他に使いたいのに。
「はーい。こっちですよー」
 ウィムはイーグスに『なんでも解析させていただきますパッド』を合わせる。
「やめてくださいよ」
 『なんでも解析させていただきますパッド』がイーグスに合わせた途端に文字がいくつも流れていく。
「本当に解析してる。これでプライバシー晒し放題ね」
 だから使いたかったのに。
「タタリだけを調べてくれませんか」
「フフフ。どうしようかな~」
 ウィムが面白がっている。
 噂を流すウィムとなんでも解析してしまう道具。絶対に組み合わせてはいけないものだ。
「あ~これね」
「どれですか」
 ウィムとイーグスが『なんでも解析させていただきますパッド』をのぞき込めば、二人ともにやつく。
「よしやろう!」
「喜んで!」
 え?何。
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