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朱薇の魔女④

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 屋敷の中に入ってしまった。
 大きい広場だった。大きいガラス窓が割れ、奥には二階に続く階段があった。
 急に音楽が鳴る。ピアノやバイオリン、チェロといった楽器で奏でる。演奏者をよく見えれば、目に正気がない。殺された吸血鬼(ヴァンパイア)だろう。
音楽に合わせるように一斉に死体が襲ってくる。白い炎を放ち、死体を燃やす。だか、また音楽に合わせて死体が現れる。
 何体いるのよ。
「踊れ!」
 ヴェリックが斧を振り回す。
 すぐに距離を取り、白い炎を放つ。
 目の前に死体が飛び出し、白い炎に当たる。ヴェリックが迫ってくる。回し蹴りされる。腕を交差し、衝撃を減らす。背後に死体が赤い剣をもって襲ってくる。足に白い炎を放ちながら、後ろに回し、赤い剣を蹴り、死体に白い炎を当てる。前に向いた時には、ヴェリックが、斧を振り下ろしていた。
 距離が取れない。すぐに白い炎を放とうとした時だった。
 斧に赤い刃が当たり、ヴェリックの手から離れる。さらに赤い刃が雨のように降り、死体に当たっていく。
「邪魔するんじゃねえぞ!」
 ヴェリックは、手に生み出した小さな斧を投げる。その先は階段の上にイーグスだった。
 わざわざ階段の上にいやがって。
イーグスは軽く横に飛び、斧をよける。斧は壁に刺す。
「雑魚が!」とヴェリックは鋭い目つきをする。
 ヴェリンクが視線を向けた瞬間に、ジャンヌは手を伸ばして白い炎を放つ。
 ヴェリンクの前の床から大きい腕が伸び、壁のように白い炎を防がれる。腕を白い炎に包まれ、泥のように崩れていく。
 足に白い炎を噴射し、階段の方に下がる。一旦体制を取る。
「せっかく隙ができましたのに、狙ってくださいよ」
 イーグスが横につく。
「うるさい」
「次もありますので、決めてください」
 イーグスがまた何か仕掛けたのだろうか。
「たく」
 イーグスに言われるのは癪だか、提案に乗る。
 視線を前に向ける。
 目を鋭くするヴェリンクの周りに肉塊になった死体が一つに固まっていく。巨大な腕に。
 あの腕は死体から作られていたのか。
「演奏は終わっていない。さあ!」
 だか、腕から薔薇の棘のように伸び、そのままヴェリンクの頭、体に貫通する。
 あれが、イーグスが言っていたことだろう。
 止まった瞬間に、足に白い炎を噴射し、まっすぐにヴェリンクに飛ぶ。
 ロザリオに白い炎をまとう。
 腕が徐々に崩れていく。ヴェリンクが動けるようになった時には遅く、ロザリオでヴェリンクの腹に刺し、そのまま白い炎を放つ。
 魔女の死と共に音楽は止んだ。
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