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言霊の魔女⑥
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一度立て直してから転送してみれば、話の展開的にジャンヌはいると思っているが、まさかイルがいるとは思わなかった。
とりあえず今は声を取り戻す。
「たすけて~ヘンタイにつかまる~」
――俺の声でそんなセリフを吐くな。
アキセは予備の懐中時計の武器庫から銃を召喚し、撃ちだす。子犬の足元に当たり、陣が発動する。陣の上にいる子犬がピタッと止まる。すかさず、子犬を捕まえ、喉に手を当てる。
魔力で子犬の声を奪い、自身の喉にあてる。
「は~やっと取り戻せた」
自分の声。取り戻せたことに安堵する。
アキセは子犬を見る。
こんな子犬に声を入れられたことにイラつく。
口にくわえていた指輪を取ってから、子犬を後ろに投げる。取り戻した指輪を指にはめるが、ドンと背中に衝撃がする。
「ぐわ!」と倒れたアキセは指輪を落とす。子犬が指輪を噛み、逆の方向に走る。
「あ!」
その時、飾りをつけたウサギとイヌが迫ってくる。
イロハは槍を振り回しながら、言葉で周辺にあった小物、さらに衣に描いているナデシコの花も飛ばしていく。小物はロザリオで壊し、白い炎で器用にナデシコの花を燃やしていく。
その時槍を突く。ロザリオで咄嗟に受け止めるも、槍の柄が下から回し、ロザリオをはじく。
今度は下から槍を回して迫ってくる。後ろに反り、さらに顎を上げ、槍の刃が過ぎていく。距離を取るもナデシコが迫ってくる。白い炎を放ち、ナデシコを燃やす。
「立てろ!」
その直後で背後から背中に衝撃。緑色の床の一枚が壁のように立っていた。
上にはイロハの槍が振り下ろしていく。
防がれない。
その時、背後からネコとイタチがイロハにぶつける。
「ジャンヌ!」
イルの声でロザリオを受け取りながら、ロザリオに光の刃を作り、イロハの元に振り下ろす。
イロハが「邪魔」とネコとイタチをどかしてももう遅い。イロハの口に差し込む。
イロハは言葉を操る。先に潰した。横からネコとイタチがジャンヌに迫るも、小物にぶつかる。イルが投げたものだろう。
ジャンヌはすぐにロザリオを通して白い炎をイロハの体内に注ぐ。体が膨らみ、徐々に白い炎に包まれ、イロハは消えていく。
「くそったれが!」
ジャンヌは吐き出す。
「無事か」
イルが駆け寄る。
「イルこそ」
無事なイルを見て思わず、胸が軽くなった。
その時、子犬が戻り、ジャンヌの胸に飛び込む。
「それって」
子犬は指輪を噛んでいた。アキセが持っている指輪だった。
「ジャンヌが言っていた指輪か」
「ええ」
いつの間に。ということは。
その時、あのネコとイタチ以外にも飾りをつけた獣たちが威嚇している。
「使い魔じゃなかったのか」
魔女の一部である使い魔も魔女が消えれば、一緒に消える。だとしたら、魔女の子供だろうか。
獣たちが襲いかけようとした時だった。
「ぴー――――」
笛の音がする。
獣たちが止まり、ぬいぐるみへと変わる。
音の先を見る。
かなり大きい巨大な顔。白い綿のタテガミ。ボタンと目玉。大きい口に唇に糸が縫い付けられている。四柱の長い手足。巨大な蛇のような布切れの体。しっぽの先が糸で円盤をつるしている生き物。
その上に 長い耳をつけた着ぐるみを来た幼女に、そくにんの魔女ヤオトメ・クノもいた。
「クノ・・・」
クノまで来るとは。敵意は高くないが、油断はできない。
「あれ?イロハ。浄化されたみたい」
「あ!ジャンヌちゃんじゃないっすか。お久しぶりっす」
クノは陽気に手を振る。
「ちゃんつけするほどの仲だったかしら」
「いいじゃないっすか」
「姉さん。聖女と知り合いなの?」と着ぐるみの魔女は言う。
「まあね。そういえば、指輪見てないっすか」
「見てない」
咄嗟に隠す。
そういえば、クノはコルンの知り合いだった。
「そうっすか」
クノの目が細くなる。
「じゃあ。帰ろっすか」
意外にあっさり。
「あれ。いいの?」
「また改めて探すっす。それにせっかくスタッフィが作った子供たちを殺されるのもいやでしょ」
「うん。姉さん。ありがどう。ピー」
スタッフィは笛を鳴らす。
ぬいぐるみたちはスタッフィの元へと戻る。子犬も行く。子犬は振り向くもスタッフィの元へと行く。
「またね。ジャンヌちゃん」
とクノは言って去っていく。
「よかった・・・戦わずに済んで・・・」
ジャンヌは緊張が取れ、一気に疲れがくる。
「ジャンヌ。魔女に目をつけられすぎだろ」
「クノもかなり強いのよ。ウィムって魔女いたでしょ。あの魔女が嫌がるほどに」
「あの子供か?」
「魔女が子供でも油断ができないのよ。この指輪だって・・・」
あれ、いつの間に指輪がない。
「あ」
「何?」
「どうやらあいつが逃げた」
「あいつってあいついたの?」
「さっきな。子犬を追いかけてな」
「そうだったの」
アキセがいたようだ。だからいつの間に指輪が消えたのだろう。どうやって仕掛けたのやら。
ジャンヌは子犬を思い出す。
魔女の子供の割になぜか懐かれた。
けど、可愛かったな。
とりあえず今は声を取り戻す。
「たすけて~ヘンタイにつかまる~」
――俺の声でそんなセリフを吐くな。
アキセは予備の懐中時計の武器庫から銃を召喚し、撃ちだす。子犬の足元に当たり、陣が発動する。陣の上にいる子犬がピタッと止まる。すかさず、子犬を捕まえ、喉に手を当てる。
魔力で子犬の声を奪い、自身の喉にあてる。
「は~やっと取り戻せた」
自分の声。取り戻せたことに安堵する。
アキセは子犬を見る。
こんな子犬に声を入れられたことにイラつく。
口にくわえていた指輪を取ってから、子犬を後ろに投げる。取り戻した指輪を指にはめるが、ドンと背中に衝撃がする。
「ぐわ!」と倒れたアキセは指輪を落とす。子犬が指輪を噛み、逆の方向に走る。
「あ!」
その時、飾りをつけたウサギとイヌが迫ってくる。
イロハは槍を振り回しながら、言葉で周辺にあった小物、さらに衣に描いているナデシコの花も飛ばしていく。小物はロザリオで壊し、白い炎で器用にナデシコの花を燃やしていく。
その時槍を突く。ロザリオで咄嗟に受け止めるも、槍の柄が下から回し、ロザリオをはじく。
今度は下から槍を回して迫ってくる。後ろに反り、さらに顎を上げ、槍の刃が過ぎていく。距離を取るもナデシコが迫ってくる。白い炎を放ち、ナデシコを燃やす。
「立てろ!」
その直後で背後から背中に衝撃。緑色の床の一枚が壁のように立っていた。
上にはイロハの槍が振り下ろしていく。
防がれない。
その時、背後からネコとイタチがイロハにぶつける。
「ジャンヌ!」
イルの声でロザリオを受け取りながら、ロザリオに光の刃を作り、イロハの元に振り下ろす。
イロハが「邪魔」とネコとイタチをどかしてももう遅い。イロハの口に差し込む。
イロハは言葉を操る。先に潰した。横からネコとイタチがジャンヌに迫るも、小物にぶつかる。イルが投げたものだろう。
ジャンヌはすぐにロザリオを通して白い炎をイロハの体内に注ぐ。体が膨らみ、徐々に白い炎に包まれ、イロハは消えていく。
「くそったれが!」
ジャンヌは吐き出す。
「無事か」
イルが駆け寄る。
「イルこそ」
無事なイルを見て思わず、胸が軽くなった。
その時、子犬が戻り、ジャンヌの胸に飛び込む。
「それって」
子犬は指輪を噛んでいた。アキセが持っている指輪だった。
「ジャンヌが言っていた指輪か」
「ええ」
いつの間に。ということは。
その時、あのネコとイタチ以外にも飾りをつけた獣たちが威嚇している。
「使い魔じゃなかったのか」
魔女の一部である使い魔も魔女が消えれば、一緒に消える。だとしたら、魔女の子供だろうか。
獣たちが襲いかけようとした時だった。
「ぴー――――」
笛の音がする。
獣たちが止まり、ぬいぐるみへと変わる。
音の先を見る。
かなり大きい巨大な顔。白い綿のタテガミ。ボタンと目玉。大きい口に唇に糸が縫い付けられている。四柱の長い手足。巨大な蛇のような布切れの体。しっぽの先が糸で円盤をつるしている生き物。
その上に 長い耳をつけた着ぐるみを来た幼女に、そくにんの魔女ヤオトメ・クノもいた。
「クノ・・・」
クノまで来るとは。敵意は高くないが、油断はできない。
「あれ?イロハ。浄化されたみたい」
「あ!ジャンヌちゃんじゃないっすか。お久しぶりっす」
クノは陽気に手を振る。
「ちゃんつけするほどの仲だったかしら」
「いいじゃないっすか」
「姉さん。聖女と知り合いなの?」と着ぐるみの魔女は言う。
「まあね。そういえば、指輪見てないっすか」
「見てない」
咄嗟に隠す。
そういえば、クノはコルンの知り合いだった。
「そうっすか」
クノの目が細くなる。
「じゃあ。帰ろっすか」
意外にあっさり。
「あれ。いいの?」
「また改めて探すっす。それにせっかくスタッフィが作った子供たちを殺されるのもいやでしょ」
「うん。姉さん。ありがどう。ピー」
スタッフィは笛を鳴らす。
ぬいぐるみたちはスタッフィの元へと戻る。子犬も行く。子犬は振り向くもスタッフィの元へと行く。
「またね。ジャンヌちゃん」
とクノは言って去っていく。
「よかった・・・戦わずに済んで・・・」
ジャンヌは緊張が取れ、一気に疲れがくる。
「ジャンヌ。魔女に目をつけられすぎだろ」
「クノもかなり強いのよ。ウィムって魔女いたでしょ。あの魔女が嫌がるほどに」
「あの子供か?」
「魔女が子供でも油断ができないのよ。この指輪だって・・・」
あれ、いつの間に指輪がない。
「あ」
「何?」
「どうやらあいつが逃げた」
「あいつってあいついたの?」
「さっきな。子犬を追いかけてな」
「そうだったの」
アキセがいたようだ。だからいつの間に指輪が消えたのだろう。どうやって仕掛けたのやら。
ジャンヌは子犬を思い出す。
魔女の子供の割になぜか懐かれた。
けど、可愛かったな。
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