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譜曲の魔女③
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この国で、声を奪われる事件が多発している。
夜に女の歌声が聞こえる。止んだ時には声を奪われ、代わりに別の声を入れられる。それが、異性の声でさらに汚く、音痴になるという。
犯人は見つからず、ついに王子の婚約者候補の二人も被害になった。婚約者の1人であるカリーヌは用心棒を雇おうとしたところでアキセが取引した。聖女と一緒に事件を解決しますので、お金を下さいと。
思わず、アキセの首を絞める。
「ぎょええええええええええええええええええええええええええええ」
「私を利用する気満々じゃないか!」
ジャンヌは怒鳴る。
「どっちにしても来るつもりだったろうが!話を先に通した俺の苦労に敬意を払えよ」
「こっちの意思を無視しての交渉だろうか!」
「その内迎えに行こうとしたけど、まさか王子の嫁として来るとは思わなかったって、手を離してくれない・・・」
「ち」と首を離す。
「あんたが聖女だってバラしたからややこしくなるじゃないの」
婚約という面倒くさいことが起きているのに。
「それに魔女かどこにいるかも分からないのに」
「目立った方が相手も動くだろう」
「出なかったらどうするのよ」
「それはそれで考えるからさ。で、訊きたいんだけど」
「何よ」と切れ気味に返す。
「婚約はマジするの?」
「しないわよ!」
ロザリオでアキセに振り下ろすが、アキセは両手で挟んで受け止める。
「分かったから!剣を収めて収めて!多分あれ、本気じゃないと思うから」
アキセの発言に思わず、首をかしげる。
「どういうことよ」とアキセを睨みつける。
「まず剣を収めて・・・」
仕方なくロザリオを収める。
「あ~イッテ~手が焼けたじゃないか」
アキセが『光』で浄化された手を見て、文句を言う。
「いいから吐け」
「どうやら王子とカリーヌ様とラウラは昔からの仲みたいだぞ」
「なんで知っているのよ」
「俺の情報網もなめるなよ。で、王子はラウラを気にしているようだし」
「嫁候補がいるのに」
「嫁候補よりも目にいってるんだろ。おまえ、王子とどこで会った?」
「国の外よ」
「あ~あの場にいたのか。隠密で王子がラウラの行方の捜査依頼されたんだ。国の外だったから、そこまで転送しろと言われてさ」
あの時はそういうことだったのか。国の外にダリウスがいたのは、ラウラを探すため。
ダリウスはアキセを使ってまでラウラを探していた。だとしたら、ダリウスはやっぱり知っているのではないか。
「で、転送して戻したら、絵をかけるかって言われて、魔術で描いたらジャンヌだったんだ。絵を完成したら、門番に指示出したんだ。連れてこいって」
「分かっていたなら止めなさいよ」
「手間は減るから」
手に怒りを込める。
「さて」とアキセは逃げるように歩く。
「どこに行くのよ」
「一応用心棒なんて」
「そのまま寝取らないでよ」
アキセはリリスの子供のリリム。リリムもリリスの血を引いているので、人を惑わす。
「何。嫉妬」
「すぐに惑わすでしょうか」
「だったら協力しようぜ」
アキセは部屋を出る。
あれからラウラはカリーヌをまいて戻ってきた。
夜になり、ダリウスから呼ばれたので、書斎に行くことにした。椅子に縄で縛りつけたラウラを椅子ごと引きづれて。
魔女狩りよりも婚約破棄が優先。それにいつでも正体は言える。とりあえず、正体明かさないという約束でラウラを同席させると言ったら、それでも逃げるので、取り押さえ、この手段になってしまった。
「聖女様!これは犯罪です!」
「相手の承諾なしに結婚を押し付けるのもどうなのよ」
「これ以上罪を重くならない内に解放してください!」
「どっちにしても詐欺罪で捕まりたくないわよ」
この手段を使いたくなかった。書斎まで連れていく間に、使用人たちに変な目線を向けられて、結構きついのよ。
ダリウスの書斎の前に着く。
「今はバラさないであげるから、同席するだけ。話さなくていいから」とノックする。
「あ!」
「入れ」とダリウスの声がした。
扉を開け、ダリウスが驚いた様子で見つめる。
「これは・・・」
引かれてしまった。
分かるけど、そんな目で見ないで。
「同席してもいい。私の世話役なんでしょ」
「分かりました・・・」
ラウラを椅子ごと引きずり、書斎に入る。
「話を訊きましたけど、聖女とは思いませんでした。申し訳ございません」
「本当に分からなかったの」
「それは本当に存知ません」
「私が聖女と分かったところで婚約破棄してくれます」
「それはできない」
「なんでよ」と切れそうになる。
ダリウスの視線がラウラに向かっている。ラウラはそらす。
「話を変える。どうして歌で決めたの」
「綺麗な歌なんだ。透き通って。心地がいい。この国の歌手を訊いてもあの歌に勝るものはない。それは今も変わらない」
その発言ではっきりした。
「やっぱり、あなたは・・・」
その時、歌が響く。
夜に女の歌声が聞こえる。止んだ時には声を奪われ、代わりに別の声を入れられる。それが、異性の声でさらに汚く、音痴になるという。
犯人は見つからず、ついに王子の婚約者候補の二人も被害になった。婚約者の1人であるカリーヌは用心棒を雇おうとしたところでアキセが取引した。聖女と一緒に事件を解決しますので、お金を下さいと。
思わず、アキセの首を絞める。
「ぎょええええええええええええええええええええええええええええ」
「私を利用する気満々じゃないか!」
ジャンヌは怒鳴る。
「どっちにしても来るつもりだったろうが!話を先に通した俺の苦労に敬意を払えよ」
「こっちの意思を無視しての交渉だろうか!」
「その内迎えに行こうとしたけど、まさか王子の嫁として来るとは思わなかったって、手を離してくれない・・・」
「ち」と首を離す。
「あんたが聖女だってバラしたからややこしくなるじゃないの」
婚約という面倒くさいことが起きているのに。
「それに魔女かどこにいるかも分からないのに」
「目立った方が相手も動くだろう」
「出なかったらどうするのよ」
「それはそれで考えるからさ。で、訊きたいんだけど」
「何よ」と切れ気味に返す。
「婚約はマジするの?」
「しないわよ!」
ロザリオでアキセに振り下ろすが、アキセは両手で挟んで受け止める。
「分かったから!剣を収めて収めて!多分あれ、本気じゃないと思うから」
アキセの発言に思わず、首をかしげる。
「どういうことよ」とアキセを睨みつける。
「まず剣を収めて・・・」
仕方なくロザリオを収める。
「あ~イッテ~手が焼けたじゃないか」
アキセが『光』で浄化された手を見て、文句を言う。
「いいから吐け」
「どうやら王子とカリーヌ様とラウラは昔からの仲みたいだぞ」
「なんで知っているのよ」
「俺の情報網もなめるなよ。で、王子はラウラを気にしているようだし」
「嫁候補がいるのに」
「嫁候補よりも目にいってるんだろ。おまえ、王子とどこで会った?」
「国の外よ」
「あ~あの場にいたのか。隠密で王子がラウラの行方の捜査依頼されたんだ。国の外だったから、そこまで転送しろと言われてさ」
あの時はそういうことだったのか。国の外にダリウスがいたのは、ラウラを探すため。
ダリウスはアキセを使ってまでラウラを探していた。だとしたら、ダリウスはやっぱり知っているのではないか。
「で、転送して戻したら、絵をかけるかって言われて、魔術で描いたらジャンヌだったんだ。絵を完成したら、門番に指示出したんだ。連れてこいって」
「分かっていたなら止めなさいよ」
「手間は減るから」
手に怒りを込める。
「さて」とアキセは逃げるように歩く。
「どこに行くのよ」
「一応用心棒なんて」
「そのまま寝取らないでよ」
アキセはリリスの子供のリリム。リリムもリリスの血を引いているので、人を惑わす。
「何。嫉妬」
「すぐに惑わすでしょうか」
「だったら協力しようぜ」
アキセは部屋を出る。
あれからラウラはカリーヌをまいて戻ってきた。
夜になり、ダリウスから呼ばれたので、書斎に行くことにした。椅子に縄で縛りつけたラウラを椅子ごと引きづれて。
魔女狩りよりも婚約破棄が優先。それにいつでも正体は言える。とりあえず、正体明かさないという約束でラウラを同席させると言ったら、それでも逃げるので、取り押さえ、この手段になってしまった。
「聖女様!これは犯罪です!」
「相手の承諾なしに結婚を押し付けるのもどうなのよ」
「これ以上罪を重くならない内に解放してください!」
「どっちにしても詐欺罪で捕まりたくないわよ」
この手段を使いたくなかった。書斎まで連れていく間に、使用人たちに変な目線を向けられて、結構きついのよ。
ダリウスの書斎の前に着く。
「今はバラさないであげるから、同席するだけ。話さなくていいから」とノックする。
「あ!」
「入れ」とダリウスの声がした。
扉を開け、ダリウスが驚いた様子で見つめる。
「これは・・・」
引かれてしまった。
分かるけど、そんな目で見ないで。
「同席してもいい。私の世話役なんでしょ」
「分かりました・・・」
ラウラを椅子ごと引きずり、書斎に入る。
「話を訊きましたけど、聖女とは思いませんでした。申し訳ございません」
「本当に分からなかったの」
「それは本当に存知ません」
「私が聖女と分かったところで婚約破棄してくれます」
「それはできない」
「なんでよ」と切れそうになる。
ダリウスの視線がラウラに向かっている。ラウラはそらす。
「話を変える。どうして歌で決めたの」
「綺麗な歌なんだ。透き通って。心地がいい。この国の歌手を訊いてもあの歌に勝るものはない。それは今も変わらない」
その発言ではっきりした。
「やっぱり、あなたは・・・」
その時、歌が響く。
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