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迷鏡の魔女①
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ジャンヌはどこに消えた。
イーグスが逃がしたとは思えない。ベリルから離れた時もイーグスは狙っていた。鏡の中にまだジャンヌがいたことになる。でも実際、拘束鏡の中にはジャンヌはいなかった。
『探しモノ地図』で探してもジャンヌは見つからない。どこにいる。
「あら、困っているの」
耳元に女の声が囁かれる。すぐに距離を取り、相手を確かめる。この世で最も強い魔女。夜輝(よき)の魔女リリス・ライラ・ウィッチャーだった。
「暇なのか」
「あなた。聖女を探しているでしょ」
アキセの言葉を無視してリリスが問いかける。
気付いたら、いじられる。
「そんなことないさ。別に聖女がいなくても」
「じゃあ、コゼットに教えるわね。あの子にゾッコンみたいだし」
最強の魔女なだけある。ジャンヌの場所を知っている。
「待て!」
レオンに教えてたまるか。
「何かしら」
リリスがジト目で見つめる。
「知っているのか・・・」
「何を?」
とぼけやがって。
「ジャンヌのことだ」
「ええ。やっぱりあの聖女が本命なの」とリリスがからかう。
「う・・・」
「教えてもいいわよ。コゼットの面倒も見てほしいし」
リリスは腰にある羽を軽く払い、一枚の羽が飛んでいく。
「羽を追いなさい」と言ってリリスは消える。
「ここどこ?」
ジャンヌが目を覚ませば、大きい黒い鳥の上に乗っていた。
なんで鳥の上に。
その時、背後から何かにぶつかり、黒い鳥から離れる。
黒い鳥にぶつかったのは、ドラゴンだったか、見た目がかなり不気味。
赤い目。大きい出っ歯。長い首。長い人の手をした黒のドラゴンだった。
ドラゴンが迫ってくるが、黒い鳥がドラゴンの頭に狙って、足で攻撃する。
よく見れば、大きいカラスだった。
今の状況が理解できない。足に白い炎を噴射し、この場から離れる。
「もうどうなっているのよ」
ジャンヌは状況を確認する。
周囲を見れば、星空の中にいるような場所だった。暗い空間であちこちに星が飛び散っている。星のように見えたのは、破片だった。小さい破片が集合し、鏡へ変わる。
なぜここにいるんだっけとジャンヌは思い返す。
イーグスと話し、無理やり遮断された着後だった。
背後からいくつものの手が伸び、背後に引っ張られた。首にも掴まれ、そのまま意識を失った。意識を取り戻して、あのカラスの上にいた。
整理しても状況が理解できない。今いるこの場所は一体。
その時背後から気配。
振り向けば、大きい鏡から巨大な手が伸びていく。掴まれそうになった時、鏡が割れ、手は消えた。
割れた鏡から姿を見せた少女がいた。
「見つけた」
黒い髪。黒い瞳。白い衣を纏い、ガラス玉をつけた杖を持った少女だった。それにあの大きいカラスと小さいカラスがいた。
「私はあなたと同じ聖女よ」
イーグスが逃がしたとは思えない。ベリルから離れた時もイーグスは狙っていた。鏡の中にまだジャンヌがいたことになる。でも実際、拘束鏡の中にはジャンヌはいなかった。
『探しモノ地図』で探してもジャンヌは見つからない。どこにいる。
「あら、困っているの」
耳元に女の声が囁かれる。すぐに距離を取り、相手を確かめる。この世で最も強い魔女。夜輝(よき)の魔女リリス・ライラ・ウィッチャーだった。
「暇なのか」
「あなた。聖女を探しているでしょ」
アキセの言葉を無視してリリスが問いかける。
気付いたら、いじられる。
「そんなことないさ。別に聖女がいなくても」
「じゃあ、コゼットに教えるわね。あの子にゾッコンみたいだし」
最強の魔女なだけある。ジャンヌの場所を知っている。
「待て!」
レオンに教えてたまるか。
「何かしら」
リリスがジト目で見つめる。
「知っているのか・・・」
「何を?」
とぼけやがって。
「ジャンヌのことだ」
「ええ。やっぱりあの聖女が本命なの」とリリスがからかう。
「う・・・」
「教えてもいいわよ。コゼットの面倒も見てほしいし」
リリスは腰にある羽を軽く払い、一枚の羽が飛んでいく。
「羽を追いなさい」と言ってリリスは消える。
「ここどこ?」
ジャンヌが目を覚ませば、大きい黒い鳥の上に乗っていた。
なんで鳥の上に。
その時、背後から何かにぶつかり、黒い鳥から離れる。
黒い鳥にぶつかったのは、ドラゴンだったか、見た目がかなり不気味。
赤い目。大きい出っ歯。長い首。長い人の手をした黒のドラゴンだった。
ドラゴンが迫ってくるが、黒い鳥がドラゴンの頭に狙って、足で攻撃する。
よく見れば、大きいカラスだった。
今の状況が理解できない。足に白い炎を噴射し、この場から離れる。
「もうどうなっているのよ」
ジャンヌは状況を確認する。
周囲を見れば、星空の中にいるような場所だった。暗い空間であちこちに星が飛び散っている。星のように見えたのは、破片だった。小さい破片が集合し、鏡へ変わる。
なぜここにいるんだっけとジャンヌは思い返す。
イーグスと話し、無理やり遮断された着後だった。
背後からいくつものの手が伸び、背後に引っ張られた。首にも掴まれ、そのまま意識を失った。意識を取り戻して、あのカラスの上にいた。
整理しても状況が理解できない。今いるこの場所は一体。
その時背後から気配。
振り向けば、大きい鏡から巨大な手が伸びていく。掴まれそうになった時、鏡が割れ、手は消えた。
割れた鏡から姿を見せた少女がいた。
「見つけた」
黒い髪。黒い瞳。白い衣を纏い、ガラス玉をつけた杖を持った少女だった。それにあの大きいカラスと小さいカラスがいた。
「私はあなたと同じ聖女よ」
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