340 / 642
吸血鬼姉弟④
しおりを挟む
部屋にいるアキセは、へばりついた血を払おうにも払えない。
気持ち悪い。寒い。頭が回らない。血を大部抜かれ、あらゆる症状が出できた。まともに動けない。
「まだいますね」
イーグスが部屋に戻ってきたと思えば、ユビワも連れていた。
「これ、説明できますか?」
イーグスがユビワの胸蔵を掴む。
しかもユビワの目と首に赤い紐が巻かれている。血を紐状にして巻いているところか。下手に動けば絞めかねない。
もし殺されたら、指輪の中に入っている道具がどうなるかも予想がつかない。それにあれも入っている。
「なんだ。そのガキは」
「とぼけないでください」
イーグスは強めに言う。
「この子から指輪の匂いが同じと言っているんですよ。しかもこの子から武器が何もないところから取り出したんですよね。普通の人間ではない」
イーグスが見つめる。
「教えていただけますか」
教えるつもりはない。
その時だった。
「もう遅いですよ。イーグス様」
甘えた声でグラシアが来る。
「アーノルド。何をしていたの」
さらにアニアも。
「それ。バリスの食材じゃないの」
「先ほどバリス様に襲撃がありましたもので。でもご心配はなく。僕が対処いたしました。バリス様も生存しております」
「さすがイーグス様!」
「アーノルドも一緒にいたの?」
「はい。指輪を見つけたもので」
「指輪?」
アニアは首をかしげる。
「お忘れですか。コルン様に頼まれているではないですか」
「私は仕事優先なの。何、見つけたの?」
「それが・・・」
「これから聞き出そうと思っていたんですよ」
イーグスが代わりに答える。
「ふ~ん。だったら早く終わらせてよ」
アニアは興味なさそうに言う。
アニアまで戻ってきてしまった。このまま黙り込んでも意味がない。
どうすれば。
その時、割れた窓から白い炎が迫ってくる。
部屋の外にアニアとアーノルド、部屋の中にイーグスとグラシアと一斉に避けた。
イーグスが部屋に入った途端に、イーグスの元にロザリオを振り下ろす。イーグスはユビワを離し、後ろに下げてロザリオからかわす。
ユビワを受け止め、目と首に着いた血の紐を白い炎で浄化する。
「おまえか。ユビワちゃんを痛めつけたのは」
ジャンヌはロザリオを向ける。
気持ち悪い。寒い。頭が回らない。血を大部抜かれ、あらゆる症状が出できた。まともに動けない。
「まだいますね」
イーグスが部屋に戻ってきたと思えば、ユビワも連れていた。
「これ、説明できますか?」
イーグスがユビワの胸蔵を掴む。
しかもユビワの目と首に赤い紐が巻かれている。血を紐状にして巻いているところか。下手に動けば絞めかねない。
もし殺されたら、指輪の中に入っている道具がどうなるかも予想がつかない。それにあれも入っている。
「なんだ。そのガキは」
「とぼけないでください」
イーグスは強めに言う。
「この子から指輪の匂いが同じと言っているんですよ。しかもこの子から武器が何もないところから取り出したんですよね。普通の人間ではない」
イーグスが見つめる。
「教えていただけますか」
教えるつもりはない。
その時だった。
「もう遅いですよ。イーグス様」
甘えた声でグラシアが来る。
「アーノルド。何をしていたの」
さらにアニアも。
「それ。バリスの食材じゃないの」
「先ほどバリス様に襲撃がありましたもので。でもご心配はなく。僕が対処いたしました。バリス様も生存しております」
「さすがイーグス様!」
「アーノルドも一緒にいたの?」
「はい。指輪を見つけたもので」
「指輪?」
アニアは首をかしげる。
「お忘れですか。コルン様に頼まれているではないですか」
「私は仕事優先なの。何、見つけたの?」
「それが・・・」
「これから聞き出そうと思っていたんですよ」
イーグスが代わりに答える。
「ふ~ん。だったら早く終わらせてよ」
アニアは興味なさそうに言う。
アニアまで戻ってきてしまった。このまま黙り込んでも意味がない。
どうすれば。
その時、割れた窓から白い炎が迫ってくる。
部屋の外にアニアとアーノルド、部屋の中にイーグスとグラシアと一斉に避けた。
イーグスが部屋に入った途端に、イーグスの元にロザリオを振り下ろす。イーグスはユビワを離し、後ろに下げてロザリオからかわす。
ユビワを受け止め、目と首に着いた血の紐を白い炎で浄化する。
「おまえか。ユビワちゃんを痛めつけたのは」
ジャンヌはロザリオを向ける。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。

側妃に追放された王太子
基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」
正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。
そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。
王の代理が側妃など異例の出来事だ。
「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」
王太子は息を吐いた。
「それが国のためなら」
貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。
無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。


アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる