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吸血鬼姉弟④

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 部屋にいるアキセは、へばりついた血を払おうにも払えない。
 気持ち悪い。寒い。頭が回らない。血を大部抜かれ、あらゆる症状が出できた。まともに動けない。
「まだいますね」
 イーグスが部屋に戻ってきたと思えば、ユビワも連れていた。
「これ、説明できますか?」
 イーグスがユビワの胸蔵を掴む。
 しかもユビワの目と首に赤い紐が巻かれている。血を紐状にして巻いているところか。下手に動けば絞めかねない。
 もし殺されたら、指輪の中に入っている道具がどうなるかも予想がつかない。それにあれも入っている。
「なんだ。そのガキは」
「とぼけないでください」
 イーグスは強めに言う。
「この子から指輪の匂いが同じと言っているんですよ。しかもこの子から武器が何もないところから取り出したんですよね。普通の人間ではない」
 イーグスが見つめる。
「教えていただけますか」
 教えるつもりはない。
 その時だった。
「もう遅いですよ。イーグス様」
 甘えた声でグラシアが来る。
「アーノルド。何をしていたの」
 さらにアニアも。
「それ。バリスの食材じゃないの」
「先ほどバリス様に襲撃がありましたもので。でもご心配はなく。僕が対処いたしました。バリス様も生存しております」
「さすがイーグス様!」
「アーノルドも一緒にいたの?」
「はい。指輪を見つけたもので」
「指輪?」
 アニアは首をかしげる。
「お忘れですか。コルン様に頼まれているではないですか」
「私は仕事優先なの。何、見つけたの?」
「それが・・・」
「これから聞き出そうと思っていたんですよ」
 イーグスが代わりに答える。
「ふ~ん。だったら早く終わらせてよ」
 アニアは興味なさそうに言う。
 アニアまで戻ってきてしまった。このまま黙り込んでも意味がない。
 どうすれば。
 その時、割れた窓から白い炎が迫ってくる。
 部屋の外にアニアとアーノルド、部屋の中にイーグスとグラシアと一斉に避けた。
 イーグスが部屋に入った途端に、イーグスの元にロザリオを振り下ろす。イーグスはユビワを離し、後ろに下げてロザリオからかわす。
 ユビワを受け止め、目と首に着いた血の紐を白い炎で浄化する。
「おまえか。ユビワちゃんを痛めつけたのは」
 ジャンヌはロザリオを向ける。
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